レバテック「IT人材動向調査」公表|求人倍率30倍超えの職種とAI時代の転職戦略
目次
レバテック調査の概要|IT人材の転職市場に何が起きているか
出典:レバレジーズ株式会社(レバテック株式会社)プレスリリース
レバテックの調査は、IT人材の転職希望者数と求人倍率を職種別に分析したものです。ここでは調査全体の骨格を整理します。
2026年6月時点のIT人材の転職希望者数は、前年同月比146%まで増加しました。なかでも40〜50代の転職希望者は前年同月比で約1.4倍、3年間では3倍に達しています。
一方、IT人材全体の転職求人倍率は9.1倍で、前年同月比では微減となりました。求人倍率が全体としては落ち着きを見せるなか、職種別データを見ると実態はまったく異なります。
数値で見る転職市場|求人倍率31.6倍とミドル・シニア転職3倍の内訳
出典:レバレジーズ株式会社(レバテック株式会社)プレスリリース
職種別の求人倍率を見ると、上流工程の人材に需要が集中していることがわかります。
コンサルティング求人の倍率は31.6倍で、求人数はこの3年間で約2.3倍に増加しました。プロジェクトマネージャー(PM)求人の倍率も23.7倍と高水準で、求人数は3年間で約1.6倍です。
対照的に、テスター求人はピーク時の2年前と比べて0.17倍まで縮小しています。単純作業に近い工程ほど需要が減り、戦略立案や進行管理といった上流工程に求人が偏っている構図です。
転職時の平均年収も5年前比で約110%に上昇しており、企業側が即戦力人材の獲得に費用をかけている実態がうかがえます。レバテック代表執行役社長の泉澤匡寛氏は、AIに代替されにくい上流・戦略フェーズの人材への需要が一層高まっていると述べています。
従来のIT人材市場との比較|生成AIが職種構造を変えた
かつてのIT人材市場では、実装・テストといった実務工程の人材需要が幅広く存在していました。生成AI の普及によって、この構造が変わりつつあります。
経済産業省の試算では、2030年にIT人材は最大79万人不足するとされています。とくに先端IT人材の不足は約12.4万人と見込まれ、人材不足自体は今後も続く見通しです。
そのなかで生成AI が変えているのは、不足の総量ではなく需要の中身です。テスト実行のような定型作業は自動化が進む一方、課題設定や意思決定にかかわる人材の価値はむしろ高まっています。
IPAの調査でも、DX人材が大幅に不足していると答えた企業は2021年度の30.6%から2023年度には62.1%まで増えました。人材不足の深刻化と、必要な職種の変化が同時に進んでいるのが現在のIT人材市場の姿です。
中小・中堅企業が注目すべきポイント|自社への示唆
求人倍率30倍超えという数字は、多くの中小・中堅企業にとって「自社採用だけでは戦えない」現実を示しています。
Zenken株式会社が2025年9月に実施した中小企業経営者を対象とした調査によると、約7割が社内にIT人材がいないと回答しています。この状況で正社員のコンサル・PM人材を採用しようとしても、競争は極めて厳しいといえます。
現実的な選択肢のひとつは、外部の専門人材やフリーランスのPM・コンサルタントを、必要なフェーズだけ活用する体制です。すべてを内製化するのではなく、上流の意思決定は外部の知見を借り、実行は社内の育成人材が担う分担が有効です。
もうひとつの示唆は、40〜50代の経験者採用に積極的になることです。マネジメント経験や業務知識を持つミドル・シニア人材は、生成AI 時代にこそ価値を発揮します。若手の新規採用だけに頼らず、経験者の中途採用ルートを広げておくとよいでしょう。
なお、社内でAI活用を推進する担当者の育成も並行して進めておくと、外部人材との連携がスムーズになります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. IT人材の求人倍率9.1倍とは、どのくらい高い水準ですか?
Q2. なぜコンサルティング職の求人倍率が特に高いのですか?
Q3. テスター職の求人が減っているのはなぜですか?
Q4. 40〜50代のIT人材はどのような点で評価されていますか?
Q5. 中小企業がIT人材を採用できない場合、どうすればよいですか?
Q6. 生成AIの普及でなくなるIT職種はありますか?
まとめ
IT人材の転職市場は、求人倍率9.1倍という高水準のなかでも職種ごとの明暗が広がっています。コンサル・PM職の求人倍率は30倍前後に達する一方、テスター求人は大きく縮小しました。40〜50代の転職希望者は3年で3倍に増え、経験者需要の高まりを裏付けています。中小・中堅企業にとっては、外部専門人材の活用とミドル・シニア人材の積極採用が現実的な打ち手になります。
小売業界でブランド品のバイヤーなどを経験したのちIT業界に転身。 株式会社ライブドアのインフラ事業の営業責任者を担当。 ベンチャー企業の運営に関わった後、2016年にデザインワン・ジャパン(現GMOデザインワン株式会社)へ入社。 「エキテン」事業の営業・サポート部門責任者を務めたのち受託開発事業の立ち上げを担当し、 現在は執行役員兼エキテン事業、受託開発事業とその所管グループ会社を統括。
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