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【2025年最新】DXで変わるビジネスの未来とは?最新事例を業界別に紹介

【2025年最新】DXで変わるビジネスの未来とは?最新事例を業界別に紹介
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、業務効率化や顧客体験の向上だけでなく、企業競争力を高める戦略的施策として注目されています。 本記事は、システム・アプリ開発を行っているデザインワン・ジャパンDX事業本部の事業責任者・泉川学監修のもと、2024年最新のDXトレンドや製造・小売・金融・建設・IT・不動産などの業界別事例、中堅企業が直面する課題と成功の鍵を体系的に解説しています。 中堅企業の情報システム部門をはじめとしたすべてのビジネス担当者に向けて、実務で役立つ視点をわかりやすく紹介していますので、ぜひご一読ください。

目次

1. DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

近年、多くの企業の関心を集めている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、単なるIT導入ではなく、企業の在り方そのものを変える取り組みです。
情報システム担当の方にとっては、業務の効率化にとどまらず、企業の競争力を左右する重要テーマです。まずはDXの基本から整理しましょう。


1-1.DXの定義と意味

DXとは「Digital Transformation」の略語で、最新のデジタル技術を活用して、ビジネスの仕組みや企業文化を根本的に変えていくことを意味します。
「トランスフォーメーション(Transformation)」は「変化」や「変革」という意味です。
紙業務のデジタル化や単一システムの導入にとどまらず、全社レベルで経営戦略や顧客サービスを再設計する本質的な変革がDXの本質です。


1-2.なぜ今、DXが求められているのか

現在、製品やサービスのライフサイクルが短期化し、お客様のニーズも急激に変化しています。
さらに、少子高齢化による人手不足、コロナ禍後の非接触需要の拡大、国際競争の激化といった環境変化が、企業に柔軟かつスピーディーな対応を求めています。
こうした背景から、情報をリアルタイムに活用できる「DXの体制」が重要視されているのです。


1-3.企業がDXに取り組む背景と目的

企業がDXに取り組む目的はさまざまですが、共通するのは「収益力と競争力の強化」です。
製造業であれば、品質の向上と生産コストの削減。
小売業なら需要予測に基づく在庫調整。金融業界ではリスク管理の精度向上など、業種を問わず、デジタルを活用することで新しい価値の創出が可能になります。


2. 2025年最新DXトレンド

2025年現在、技術の進歩と社会ニーズの変化により、DXのアプローチも進化を遂げています。
ここでは、特に注目されている3つの最新トレンドについて解説します。業種を問わず、DX戦略を立てる際に欠かせない知識です。


2-1.生成AIとDXの融合

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、人のように文章や画像などを自動生成する人工知能技術を指します。ChatGPTや画像生成AIなどが代表例です。DXの現場では、報告書作成の自動化、顧客対応のチャットボット高度化、設計の自動アシストなどに活用され始めており、大きな業務変革をもたらしています。


2-2.データドリブン経営の加速

「データドリブン」とは、感覚や経験ではなく、データに基づいて意思決定する経営手法です。
センサーやIoT(モノのインターネット)で集めた現場データ、顧客の購買行動データ、AIによる分析結果などを、経営判断や商品開発へリアルタイムで活用できる体制を整える企業が増えています。


2-3.CX(顧客体験)重視のアプローチ

CXとは「Customer Experience(顧客体験)」の略で、製品やサービスだけでなく、「使いやすさ」や「購入後の対応」など、顧客が受けるすべての体験を指します。
CX向上を目指すDX戦略では、スマートフォンアプリの利便性向上、AIによる接客パターンの最適化、パーソナライズ施策の拡充などが中心となります。


3. 製造業におけるDX事例

製造業界は、生産性、品質、納期対応など、日々の業務で多くのデータを扱う分野ゆえに、DXとの相性が非常に良い業界です。
ここでは製造大手企業の取り組みを中心に、どのように工場や研究開発を変革しているのかを紹介します。


3-1.トヨタ:スマートファクトリー化

トヨタは全国の工場にセンサーやカメラを配置し、リアルタイムで生産ラインの状況を把握できる「スマートファクトリー(デジタル化された工場)」を実現しています。
設備の故障予兆をAIで分析し、無駄な停止を防ぐ仕組みを構築。作業者の行動データから改善ポイントを可視化するなど、現場力とテクノロジーを融合させた高度な運用が行われています。


3-2.日立製作所:IoT連携とモノづくり革新

日立製作所は、IoTを活用して生産機器の稼働状況を一元管理するだけでなく、複数の工場をデータでつなぎ、稼働率平準化や生産ノウハウの共有を可能にしています。
これにより、需要変動にも柔軟に対応でき、中小規模の現場でも高効率なものづくりが実現しました。


3-3.FANUC:ロボットとAI活用による生産性向上

工作機械メーカーのFANUCでは、AIを搭載したロボットを生産ラインに導入することで、自動化レベルを一段と引き上げています。

画像認識技術で部品の不良を自動検知したり、ロボット自身が作業パターンを自学習したりする仕組みによって、人手不足への対応と品質向上を両立しています。


3-4.中堅製造業:小さな業務改善から始めるDX

ある地方の中堅製造業では、大規模なシステム投資が難しい中で、まずは「工程表の紙管理をGoogleスプレッドシートで共有する」ことからDXをスタートしました。

次に、設備メンテナンス記録をクラウドアプリに切り替えることで、属人化していた保守管理を可視化し、点検ミスの削減に成功しました。

このように、コストをかけず段階的に取り組むことで、現場の負担を最小限に抑えつつ、着実な業務改善を実現しています。

小さな成功体験を積み重ねていく姿勢こそ、中堅企業におけるDX成功の鍵と言えるでしょう。


4. 小売・EC業界のDX事例

BtoC(一般消費者向け)の領域では、店舗とオンラインの融合、顧客データの分析、在庫管理の最適化などが求められています。
ここでは業界大手の事例から学べるポイントをピックアップします。


4-1.セブンイレブン:業務自動化とリアルタイム分析

全国に数千店舗を展開するセブンイレブンでは、店舗の売上データや客層情報を本部がリアルタイムで分析し、商品の自動補充や発注計画に生かしています。
さらに、店舗ごとの業務効率を可視化し、自動精算レジや棚卸しアプリなどのツールを導入することで、作業負担を削減しました。
フランチャイズ全体の業務改革モデルとして評価され、他業種へのDX展開の参考事例ともなっています。


4-2.ZOZO:AIスタイリングとデータ活用

大手ファッションEC「ZOZO」は、身長・体重・好みのスタイルなどのデータから、AIがコーディネートを自動提案する「スタイリングAI」を提供しています。
ユーザーの購入履歴や閲覧データをもとに、最適な商品提案を行う仕組みで、リピーターの獲得にも成功しています。


4-3.無印良品:アプリを介したオムニチャネル戦略

無印良品は、実店舗とオンラインショップをシームレスに行き来できる仕組みをアプリで実現。
店頭在庫をアプリで確認・取り置きしたり、レビューを元に購入を検討したりすることが可能です。顧客体験を軸にした「オムニチャネル」型戦略が、売上アップと顧客ロイヤルティ向上に貢献しています。


5. 金融業界におけるDX事例

金融業界は法規制やセキュリティの厳しさから慎重なシステム導入が求められますが、近年はデジタル技術を活かしたDXによって大きな転換が進んでいます。
顧客対応から内部業務の効率化まで、幅広くDXが活用されている事例を紹介します。


5-1.三菱UFJ銀行:オンラインバンキングとRPA導入

三菱UFJ銀行では、オンラインバンキングの利便性を高めるとともに、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれる「業務自動化ロボット」の導入を進めています。
これにより、手作業で行っていた口座開設や融資業務などの定型業務を自動化し、業務ミスやコストを大幅に削減しました。
人員をより高度な判断が求められる業務へシフトさせる運用を実現しています。


5-2.SBIホールディングス:ブロックチェーン活用

SBIホールディングスは、ブロックチェーン技術を利用して証券取引の効率化と透明性の向上を図っています。
ブロックチェーンとは取引履歴をネットワーク上で改ざんできない形で記録するしくみで、仮想通貨の基盤技術でもあります。

複雑だった資産運用プロセスがシンプルかつ安全になり、企業向けの金融サービスにも活用されています。


5-3.三井住友カード:顧客データによる価値提供

三井住友カードでは、利用者の購買履歴や行動データを活用し、個々に合わせたキャンペーンや割引情報を提供しています。
さらに、AIによってデータ分析の精度を高め、加盟店へのマーケティング支援にも力を入れています。
単なる支払手段にとどまらず、「価値ある顧客体験」を提供する金融サービスへ進化しています。


6. IT・通信業界のDX事例

変化の早いIT・通信業界では、自社のサービスを起点に異業種と連携したDXモデルが加速しています。
また社会課題の解決にも積極的に取り組む点も注目されています。


6-1.NTT:スマートシティへの貢献

NTTグループは自治体・企業と協働し、都市まるごとをデジタル化する「スマートシティ」構想に参画。交通、エネルギー、防災などの分野でセンサーやAIを活用したシステムを導入し、市民の暮らしやすさを高めると同時に、都市全体の効率化と安全性を実現しています。


6-2.KDDI:5GとDXビジネスモデル

KDDIでは、高速・大容量通信を可能にする5G(第5世代移動通信)を軸とした新しいビジネス創出に取り組んでいます。
自動運転や医療の遠隔診断、VR(仮想現実)を活用した工場の遠隔支援など、5Gの特徴を生かした産業支援で、各社のDXを後押ししています。


6-3.楽天:スーパーアプリ戦略とAPI連携

楽天が展開する「楽天スーパーアプリ」は、ショッピング、銀行、証券、旅行予約などを一つのアプリ上で完結できる仕組みを構築しました。
各サービスを「API(アプリケーション連携)」により連携させることで、利用者の利便性を高めるだけでなく、楽天グループ全体のデータを統合し新たな顧客体験を生み出しています。


7. 建設・不動産業界のDX事例

建設や不動産業界は「現場中心・紙中心」の業務スタイルが根強く残る一方で、近年はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの革新技術を取り入れたDXが進展中です。


7-1.大和ハウス:BIMとAI監視による建築効率化

大和ハウスは、設計・施工・管理のデータを3次元モデルで一元化するBIMを活用し、建築プロセス全体の一貫管理を実現しています。
さらに、建設現場ではAIカメラによる進捗監視や安全管理が導入されており、短納期・高品質を両立する新たな現場運営モデルとして注目されています。


7-2.鹿島建設:DX技術で工期・品質を最適化

鹿島建設では、IoTで収集した気温や湿度、作業員の動向などの現場データをリアルタイムで分析し、最適な工事スケジュールを提示する仕組みを導入しました。
これにより、想定外の気象条件にも対応できる柔軟な現場運営が可能になり、工期短縮や施工ミスの削減が実現しています。


7-3.野村不動産:スマートホームとデジタル管理

野村不動産では、入居者がスマートフォンアプリで空調や照明を操作できる「スマートホーム」を拡充。
さらに、物件購入後の管理もアプリで完結する仕組みを整備しています。
オーナーや管理会社との連絡もすべてデジタル化され、利便性と効率の向上につながっています。


8. DXを成功させるための共通要素

成功している企業のDXには、いくつかの共通項があります。
技術だけでなく、組織文化やマネジメントの観点も含め、全社で変革を進めることがカギとなっています。


8-1.経営層のリーダーシップとビジョン共有

DXは現場だけの取り組みでは成功しません。
経営陣が明確なビジョンと目的を打ち出し、その意義を全社に示すことが必要です。
現場に任せきりにせず、トップダウンとボトムアップを統合した推進体制が求められます。


8-2.データ基盤整備と全社巻き込み

DXを進めるには、部署ごとにバラバラだったデータやシステムを一元管理できる「データ基盤」が不可欠です。
そして、その基盤を現場スタッフでも活用できるようにすることで、本当の意味での「データ活用企業」になります。


8-3.高速なプロトタイピングとPDCAサイクル

完璧なシステムを目指して長期間かけるのではなく、まずは小さく試して素早く改善を繰り返す「プロトタイピング(試作品モデルの開発)」が重要です。
効果を検証しながら実装していくことで、リスクを抑えつつ、後戻りの少ない進め方が可能になります。


8-4.DX推進の基本ステップとは?

DXを成功させるには、いきなり大規模なシステム導入を目指すのではなく、自社の状況に応じた段階的なステップを踏むことが重要です。
以下に、多くの企業が取り入れている一般的な推進フローを紹介します。

  • ステップ1:現状分析と課題の洗い出し
    まずは現場の業務フローや課題を整理し、「どこに非効率があるか」「どこから改善できるか」を可視化します。

  • ステップ2:DXビジョンと目標の設定
    「何のためにDXを行うのか」という目的を明確にし、短期・中長期の目標を定めます。

  • ステップ3:小さく始めて改善を重ねる
    初期は小規模なプロジェクトからスタートし、効果検証しながら改善を繰り返します。ここでは前述の「プロトタイピング」の考え方が有効です。

  • ステップ4:成果の共有と全社展開
    小さな成功を社内で共有することで、DXへの理解が広がり、他部門への展開や全社浸透を促します。

このような段階的な進め方を採ることで、リスクを抑えながらも着実なDX推進が可能になります。



9. DX推進の課題とその解決策

DXは重要な取り組みである一方、多くの企業が実際に推進する中で壁に直面しています。
中堅企業や製造業でも、現場の課題やリソースの制約によって進行が遅れるケースは少なくありません。
ここではDX推進時によく見られる課題と、現実的な解決策を紹介します。


9-1.社内抵抗の乗り越え方

DXが失敗する原因の一つに、組織内部の「変化への抵抗」があります。
とくに現場では、これまでのやり方に慣れており、新しい取り組みに不安を感じる声も多くあります。
こうした抵抗を抑えるには、まず「なぜDXが必要なのか」を現場目線で丁寧に説明し、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。
また、キーパーソンとなる現場リーダーからの巻き込みが、全体浸透のカギになります。


9-2.人材不足とリスキリング

DXには新しい技術への理解やデータ活用のスキルを持つ人材が不可欠です。
しかし、特に中堅企業ではDXに精通した人材が乏しく、人手も足りない状況が多く見られます。
そこで注目されているのが「リスキリング(再教育)」です。
現場社員に対して段階的にデータ分析やデジタル技術の知識を習得させる教育プログラムを実施することで、社内からDX推進メンバーを育成することができます。


9-3.システムのレガシー化と統合問題

長年使われてきた業務システムが最新技術に対応していない「レガシーシステム」がDXの足かせになる場合も多くあります。
また、部門ごとに別々に導入されたシステム同士がデータ連携していないため、情報を横断的に活用することが難しいケースも。
こうした問題を解消するには、ITインフラの段階的な見直しと、まずは連携可能な部分から着手する現実的なアプローチが有効です。
SaaS(クラウド上のソフトウェアサービス)やAPI連携など、柔軟で拡張しやすいツールを採用する企業も増えています。


10. これからの企業に求められるDX戦略

今後の企業活動において、DXは単なる一時的な対策ではなく、持続的な価値創出の基盤となるべきです。
競争力を高めながらも社会課題への取り組みを進めるなど、複合的な視点がより重要になります。
ここでは特に今後求められる3つの方向性を紹介します。


10-1.持続可能性(SDGs)への貢献

国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」は、企業にとっても重要な社会的課題です。
DXを活用することで、省エネ・省資源な生産体制の構築や、廃棄物の削減、サプライチェーンの透明性確保が可能になります。
これにより、環境負荷を抑えつつ利益を出す「持続可能な経営」を実現することができます。


10-2.パーソナライズとUX改善

「UX」とはユーザー体験(User Experience)のことで、製品やサービスを利用する過程でユーザーが得る体験の質を表します。
DXの力を使えば、顧客それぞれに合わせた「パーソナライズされた体験」の提供が可能となります。
顧客満足度を向上させ、長期的なファンを生む経営戦略にはこの考え方が欠かせません。


10-3.データ×AIによる次世代ビジネス創出

これからのDX戦略においては、データだけでなくAI(人工知能)との連携が不可欠となっていきます。
具体的には、これまで集めた膨大なデータをAIが分析し、新たなビジネスの方向性を打ち出したり、需要予測・設備保全・異常検知といった業務に活かされたりします。
AIを味方にすることで、企業はこれまで不可能だった課題の解決や、顧客への新しい価値提供が可能になります。

DXは一朝一夕で実現できるものではありません。ですが、現在すでに多くの企業が段階的にDXを成功させ、成果を上げています。特に今回紹介した各業界の事例は、同じように悩みを抱える中堅企業にとって大きな参考となるはずです。まずは身近な課題や業務プロセスから小さな変革を始め、少しずつ社内にDXのメリットを広げていくことがカギを握ります。

今後も技術や社会は変化し続けます。その中で、デジタルの力を活用して柔軟に対応する力が経営の命運を分ける時代です。貴社のDX推進がよりスムーズに進むきっかけとなれば幸いです。




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