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運送業のDXとは?中小企業のための導入ポイントと成功事例を徹底解説

運送業のDXとは?中小企業のための導入ポイントと成功事例を徹底解説
ドライバー不足や再配達、環境負荷など様々な課題を抱える運送業界。 本記事は、システム・アプリ開発を行っているデザインワン・ジャパンDX事業本部の事業責任者・泉川学監修のもと、DX(デジタルトランスフォーメーション)によってそれらの問題をどう乗り越え、持続可能な物流ビジネスを築けるかを解説します。 中小企業でも取り組めるDXの導入ステップや活用ツール、補助制度、成功事例までを網羅した内容となっていますので、ぜひご一読ください。

目次


1. はじめに:運送業を取り巻く現状と課題

日本の運送業界は、いま大きな転換期を迎えています。

これまで人手によって支えられてきた物流の現場が、社会全体の変化とともに、見直しを迫られているのです。

とくに、中小運送会社では人材不足や業務の非効率さが顕著になっており、多くの経営層が「このままではもたない」と危機感を抱いています。

この課題を乗り越えるために、デジタルの力で業務の形を変える「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への関心が高まっています。

DXと聞くと、「大企業の話だ」と思われがちですが、実際は中小企業こそ大きな成果を得られるテーマです。

ここではまず、運送業界が直面している主な課題を見てみましょう。


1-1.少子高齢化とドライバー不足

現在、トラックドライバーの平均年齢は上昇しており、新しく働く若者が少ないことで、深刻な人手不足が続いています。

総務省の調査によれば、運送業の従業員の半数以上が40代以上であり、定年や離職による退職が増える一方で、若年層の新規採用は難航しています。

結果として、一人あたりの運転時間や業務負担が大きくなり、「働きたくても続けられない」という声も少なくありません。

これは中小運送事業者にとって死活問題であり、業務の効率化や労働環境の改善は待ったなしの課題です。


1-2.再配達・ラストワンマイル問題

通信販売やフードデリバリーの普及によって、個別宅配便の件数が大幅に増加したことも、運送業界の負担を増やしています。

その多くは少量小ロットの配送で、しかも確実に受け取ってもらえるとは限りません。

再配達はドライバーにとって最も手間のかかる作業のひとつ。

効率が悪くなるばかりか、燃料費や人件費もかさみ、経営を圧迫する要因となっています。

さらに、「ラストワンマイル(最後の届け先への移動区間)」は、小回りが必要で負担の大きい配送です。

軽貨物や自転車を使った代替手段を取り入れている会社もありますが、中小企業にとってはコストとオペレーションの両面で難しさがあります。


1-3.脱炭素社会に向けた変革圧力

「カーボンニュートラル(排出する二酸化炭素と吸収する量を均等にすること)」や「脱炭素」といった取り組みは、いまや企業の社会的責任として避けられないテーマです。

配送を担う運送業は、どうしてもエネルギーを多く使い、環境への負担も大きくなりがちです。

排出規制や車両の電動化に対応する必要が出てきましたが、そのためには新たな車両購入やITシステムの導入が欠かせず、多くの中小企業にとって資金面での壁が立ちはだかっています。

しかし、こうした取り組みには行政の支援制度があるため、正しい理解と活用がポイントとなります。


2. DXとは何か?物流・運送業界における定義と位置づけ

ここまでの課題を解決する鍵として注目されているのが「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」です。

しかし、IT化とどう違うのか? そもそもDXとは具体的に何をすることなのか?

疑問を抱く方も少なくないでしょう。

ここでは、まずDXの基本的な考え方と、その意味を運送業に当てはめたときの具体性について解説します。


2-1.DXの基本概念と目的

DXとは、「デジタル(=データやIT技術)を活用して、業務や組織のあり方そのものを変えること」を意味します。

単なる業務の自動化やシステム導入ではなく、「仕事のやり方を根本から見直すこと」がDXの本質です。

これまで紙の伝票や電話での配車連絡を当たり前としていた業務を、データベースを活用して一元管理したり、AIによって最適な配車を自動判断したり。

そうした変化によって、「効率が上がる」「残業が減る」「現場の負担が小さくなる」ことを目指します。


2-2.従来のシステム化・IT化との違い

よく混同される言葉に「IT化」というものがあります。

IT化は、紙や手作業でおこなっていた業務をパソコンやネットワーク上でできるようにすることです。

一方で、DXはその先にあります。

ただ便利になるだけでなく、「会社の仕組みそのものを変えることで、競争力を高める」ことが目的です。

FAXをメールに代えるのがIT化だとしたら、チャットやクラウドを活用して業務スピードを上げ、売上を増やす工夫まで進めるのがDXです。

このように、目的の広さと深さが大きく異なります。


2-3.運送業におけるDXの具体的ゴール

運送業でDXを進めることで得られる最終的な成果には、以下のようなものがあります。

  • 配送ルートや積載効率の最適化で、燃料費や走行距離を削減

  • ペーパーレス・業務自動化による事務・配車スタッフの負担軽減

  • 高齢のドライバーでも使いやすいシステム活用による継続雇用

  • 働きやすさ向上による若手採用・定着率アップ

  • 管理業務の可視化により、トラブルを未然に防止

つまり、「人手が足りない中でも、同じ仕事をもっと効率的に行える体制を整えること」がゴールとなるのです。



3. DX導入のメリットと業務改善効果

DXを取り入れることで、実際に運送業の現場はどのように変わるのでしょうか。

ここでは、すでにいくつかの取り組みを進めている企業の実例も交えながら、その具体的な効果についてお伝えします。

特に人手不足や事務負担に悩む中小企業にこそ、DXがもたらす変化は大きく、投資に対する効果が実感しやすい分野でもあります。


3-1.配送効率の向上とコスト削減

DXの代表的な効果のひとつが、ルート最適化による配送効率の向上です。

AI(人工知能)を活用した配車システムでは、目的地、積載量、交通情報などのデータをもとに、最適な配車と配送ルートを自動で提案してくれます。

この仕組みにより、ムダな走行や空荷での移動時間を減らすことができ、燃料費や人件費を削減できます。

また、経験に頼った属人的な配車のあり方から脱却できるので、誰でも安定した対応が可能になります。

ある中堅の運送会社では、配車システムを導入したことで配送時間が20%短縮され、繁忙期に臨時で雇っていたドライバーを減らすことにも成功しました。

こうしたメリットは、小規模な事業者にも十分期待できます。


3-2.荷主・顧客との連携強化

荷主やエンドユーザーとのやり取りをスムーズにすることもDXの成果のひとつです。

運行状況や納品予定時間をアプリでリアルタイム共有するシステムを使えば、電話やメールでの連絡回数が大きく減ります。

これにより、ミスや伝達漏れも防げるだけでなく、お客様への信頼感も高まります。

また、クレーム対応の際には、過去の記録や証拠をさかのぼって確認する「証跡管理」が役立ちます。

このように、デジタルの力によって取引先との認識ズレを減らせるため、契約更新や長期取引にもプラスとなります。


3-3.働き方改革と従業員満足度の向上

ドライバーや事務スタッフが効率的に働ける環境が整うことで、「働き方改革」につながります。

長時間労働や繁忙期の残業は、業界全体の定着率低下の原因とされていますが、DXにより作業時間を削減でき、働きやすさが改善されます。

また、電子伝票や勤怠管理システムの導入によって、事務作業の手間やミスを削減できます。

手続きの効率化が進むことで、現場スタッフの負担が軽減され、働きやすい環境が整います。

結果として、若手や女性を含む多様な人材の定着や活躍にもつながり、組織全体の生産性向上に寄与します。

経営者としても、生産性の高い現場づくりに直結するため、投資する価値は非常に大きいといえるでしょう。


4. 中小運送事業者が直面するDX導入の課題

多くのメリットがある一方で、DX導入にあたって立ちはだかるいくつかの「壁」も存在します。

とくに中小規模の企業では、予算や人材の制約が大きく、単に「導入すればうまくいく」というわけにはいきません。

ここでは、代表的な3つの課題について整理します。


4-1.投資コストと資金調達の壁

システム導入には初期費用が必要です。

特に運送業に特化した配車アプリや車両管理システムは、業務に密接に関わる分だけ高機能で、価格も高めの傾向があります。

加えて、現場社員への教育や移行期間の業務負荷もコストとして無視できません。

「少ない台数だからこそ導入費が割高になるのではないか?」という不安を持つ経営者も多く、導入に踏み切れない原因になります。

しかし、現在はクラウド型サービスの登場により、初期費用が抑えられる仕組みも増えてきています。

また、公的機関による補助金支援も充実しているため、こうした制度を活用することでハードルを下げることができます。


4-2.IT人材不足と従業員のリテラシー

中小企業にとって、自社にITに強い人材がいないというのも、DXの障壁となります。

特に運送業界では、PC操作が得意ではないドライバーや配車担当が多く、ツールの使い方を覚えるまでに時間がかかる傾向があります。

「せっかく導入したのに使いこなせなかった」

「結局現場が混乱してしまった」という失敗例も報告されています。

この課題を解決するには、誰でも使える設計のツールを選ぶことが重要です。

また、導入時にはベンダー(提供会社)による初期サポートや研修プログラムがあるかどうかを確認することで、安心感を持って進められるでしょう。


4-3.現場とのギャップと変革への抵抗

経営陣が「改善すべきだ」と考えていても、現場スタッフの中には「いままでどおりが楽だ」と感じる方も少なくありません。

特に年齢の高い従業員ほど、新しい仕組みに対して抵抗感が強い場合も。

導入失敗の多くが、「社内コミュニケーション不足」によるものです。

そのため、DXはトップダウンではなく、現場の声を聞きながら「一緒に取り組む」という合意形成が必要不可欠です。

まずは一部の部署や小さな業務から試してみて、効果を体感してもらうことで、徐々に全社展開すれば、スムーズな導入が実現します。


5. DX推進を支えるデジタル技術&ツール

DXは単なる精神論ではありません。

実際に業務のカタチを変えるには、日々の作業に活用できる「具体的なツール」が必要です。

特に中小運送会社においては、限られた人員で多様な業務を担っているため、すでに効果が実証されているアイテムを選んで導入することが成功のカギとなります。

ここでは、運送業界で注目されている代表的なデジタル技術やツールをご紹介します。


5-1.配車自動化・ルート最適化AI

配車業務は運送業の要です。

誰がどの車両でどこに運ぶのか決めなければ、1日の仕事はスタートできません。

しかし、その判断は経験と直感に頼ることが多く、ミスや非効率が生まれやすい分野でもあります。

ここで活躍するのが、「AIによる配車自動化ツール」です。

AIとは「人工知能」のことです。

大量のデータを分析して最適な判断をする機械のことを指します。

出発地、到着地、扱う荷物のサイズ、交通状況、ドライバーの稼働時間、などの条件を入力すると、最適なルートとドライバー割り当てを自動で提案してくれます。

中小企業でも活用できるシンプルな操作のツールが増えており、「もうベテランしか配車担当ができない」という時代ではなくなりつつあります。


5-2.IoT車両管理・デジタコシステム

「IoT(アイ・オー・ティー)」とは、Internet of Things(物のインターネット)の略。

つまり「モノがネットを通じて情報をやり取りする仕組み」のことです。

この技術を使った「IoT車両管理システム」では、車両の位置情報やドライバーの運転状況(急ブレーキや長時間運転の有無など)、燃費の記録などをリアルタイムで取得・記録できます。

さらに、デジタルタコグラフ(通称:デジタコ)との連携により、法令順守や事故防止、安全運転の指導にも利用可能です。

これにより、労務管理やメンテナンス計画もスムーズに行えるようになり、全体の管理コストを削減できます。


5-3.電子伝票・クラウド物流管理(TMS/WMS)

「TMS(輸配送管理システム)」や「WMS(倉庫管理システム)」といったツールは、配車・運送の予定から実績管理、伝票発行、請求書の作成まで、バックオフィスの業務を一元化する仕組みです。

クラウド型のサービスであれば、従来のインストール型ソフトと違って初期費用があまりかからず、小規模の事業者でも導入しやすくなっています。

また、ペーパーレス化によりミスが減るだけでなく、伝票の紛失、再作成といった無駄な手間をなくせるのも大きな利点です。

事務処理の負担を軽くしたい企業には、非常に効果ある仕組みといえるでしょう。


5-4. 無料・低コストで始められるツール3選

「いきなり高額なシステムを導入するのは不安」という中小企業の声に応える形で、無料または低コストで使えるDXツールも増えています。

まずは小さく試して効果を実感し、段階的に拡張するのが成功のポイントです。

以下は、活用しやすい入門ツールの例です。

  • Loogia(ルージア)ルート最適化サービス(トライアル無料)
    地図上で複数の配送先を入力するだけで最短ルートを自動算出。中小企業の導入事例も多数。

  • Google フォーム+Google スプレッドシート
    日報入力や運行記録を簡易デジタル化。スマホでも入力でき、紙の伝票削減にも有効。

  • Chatwork(フリープラン)
    社内連絡や現場作業員との情報共有に。メール・電話よりも迅速で記録も残る。

まずはこうしたツールを試してみることで、現場の反応や課題を確認しつつ、無理のないDX導入が実現できます。



6. 成功事例に学ぶ:物流DXの最前線

「うちのような中小企業にDXなんて無理だ」と思われる経営者は少なくありません。

しかし、すでに多くの運送会社が一歩を踏み出し、DXを成功させつつあります。

ここでは、少ない予算・人材でも取り組めた成功事例や、ユニークな視点で業務改善に挑戦した例を紹介します。


6-1.大手運送会社の先進的取り組み

まずは、業界をけん引する大手企業の取り組みから見てみましょう。

ある大手宅配会社では、AIを活用した自動配車と再配達削減に取り組んでいます。

代表例として、「置き配システム」や「顧客による時間指定の自動化」が挙げられます。

これにより、再配達率を20%以上削減し、ドライバーの拘束時間短縮とコスト削減の両立を実現しました。

また、大規模な物流拠点ではロボットによる自動仕分けも導入され、人手が集中する時間帯の負荷を分散しています。

こうした取り組みは、中小企業でも「部分的に取り入れる」ことで効果が得られるヒントになります。


6-2.中小企業による低コストDX成功事例

DXは必ずしも大きな設備投資を必要とするものだけではありません。

ある地方の小規模運送会社では、無料で使えるルート管理アプリとスマートフォンのGPSを使い、配車と運行管理を効率化しました。

これだけで、「電話で確認」「紙で管理していた日報」などの手間がなくなり、事務スタッフ1名分の業務を大幅に削減することができます。

さらに、稼働状況から人員配置を見直し、無駄な稼働時間を減らすなど、生産性の高い働き方へとシフトできました。

こうしたように、小さな一歩から始めて成果を出す中小企業が増えており、事例から学ぶことは非常に多いです。


6-3.地域密着型のラストマイル改革

地域と連携したユニークな例として、個人経営の配送業者やシェアリングエコノミーとの協業も進みつつあります。

「荷物の一部を地域のパートナー(新聞配達員やタクシー)に委託する」仕組みによって、最後の一配送(ラストワンマイル)の負担を分担することができます。

これは「宅配難民」とも呼ばれる過疎地で特に効果を発揮し、人的・経済的資源の限られた地域での持続可能な物流を支えています。

このように、地域特性に合わせた創意工夫が組み合わさることで、DXの可能性はさらに広がります。


7. 国や自治体の支援策と補助金活用

DXへの取り組みを進めたいと思っても、費用の壁がネックになることは多いものです。

しかし、国や自治体はこうした中小企業のデジタル化を後押しするため、さまざまな支援策を用意しています。

ここでは、運送業に関連する補助金制度や公的な支援サービスについて紹介します。


7-1.国交省による物流DX支援事業

国土交通省は「物流DX推進に関するモデル事業」として、先進事例の創出や普及を目的に多くの支援策を実施しています。

この施策は実証実験やツール導入の費用を一部補助するもので、特に中小や地域密着型の事業者への支援が強化されています。

配送効率化のためのAI配車システムの導入や、再配達率を下げる情報共有アプリの導入実験などが対象になる場合があります。

申請には条件もありますが、経営計画書の提出を通じて導入意義を明確にすることで、採択の可能性が高まります。

応募情報は国土交通省の公式サイトに定期的に公開されていますので、定期的なチェックが重要です。


7-2.補助金・助成金の種類と活用方法

運送業のDX化を支援する主な補助金・助成金には以下のようなものがあります。

  • IT導入補助金(最大450万円)
    配車・運行管理システム等に活用可能

  • ものづくり補助金(最大1,250万円)
    IoT機器やデジタル機器の導入資金に対応

  • 事業再構築補助金
    業務転換や新分野挑戦支援で、最大1億円の補助も対象

これらは、申請時にツール導入以外の経営面でのビジョン明示が求められるため、事前準備が成功のカギと言えます。

各地の商工会議所や中小企業診断士の支援を受けることで、書類準備や予算計画のサポートを得ることができ、採択率もアップします。

DXの第一歩として、ぜひ補助制度を前向きに活用しましょう。


7-3.公的機関の実証実験と連携事例

近年、自治体レベルでも公共交通機関や地元運送業者と連携して、「ラストワンマイル配送」や「高齢者対応配送モデル」といった取り組みが進められています。

ある地方都市では、地場の運送会社と福祉施設、行政が連携して「買い物弱者支援配送」の仕組みを構築しました。

この実証事業は、ITシステムによる予約配送や地域ボランティアとの連携によって、高齢化と交通過疎を同時に解決する試みとして注目されています。

また、都市部では「スマート物流」の社会実験として、匿名化された配送データを活用して交通渋滞の軽減にもつながる研究が進められています。

いずれも、運送会社として行政・地域と関わる新しいチャンスを生み出すものです。


8. 未来を見据えて:物流業のDXが切り拓く可能性

運送業におけるDXは、単なる業務改善の手段にとどまりません。

今後の物流業界を根本的に変える、「持続可能なモデルの創出」に向けた大きな可能性を秘めています。

未来を見据えたとき、どのような展望が広がっているのかを考えてみましょう。


8-1.サプライチェーン全体の統合と可視化

先進的なDXの最終形として注目されているのが、「サプライチェーン全体の一体化と見える化」です。

サプライチェーンとは、商品の原材料調達から製造、保管、配送、消費者手元に届くまでの一連の流れのことです。

この工程の中で「誰が、いつ、何を、どこまで届けたか」を正確に把握できるようになれば、業務のムダが一気に削減されます。

荷主・倉庫・小売り・配送が同じクラウドシステムを使うことで、「在庫が多すぎた」「ショップに届くのが遅すぎた」といったミスが減るだけでなく、欠品を防げるようになります。

運送業はこの中で重要な「つなぎ役」となる存在です。

この先、情報の共有力が企業同士の競争力差を生む時代になるでしょう。


8-2.無人配送・ドローン活用の展望

すでに一部の実験が始まっている「自動運転トラック」や「ドローン配送」も、将来的には現場で当たり前の技術になる可能性があります。

とくに山間部や交通が不便なエリアでは、ドローンによる小型配送が再配達問題や人手不足の解消に役立つと期待されています。

今はまだ法整備の途中段階ですが、将来的な準備として「技術の情報を集めておく」「先進事例を見学する」といった行動が、企業の長期的成長につながります。


8-3.持続可能な物流モデルの確立に向けて

DXによって単なる作業効率化ではなく、「持続可能な事業モデル」へと転換していくことが、これからの運送業には求められています。

CO₂排出の削減、働く人の健康維持、地域との共生。

こうしたテーマに対応できる会社こそ、取引先や消費者から選ばれ、長く健全に経営を続けられる企業になるのです。
まずは一歩を踏み出し、自社に合ったDXを少しずつ取り入れていくことが、将来の生き残り戦略となります。


運送業においてDXを進めるには、現場課題の正確な把握と、自社に合ったツール選定が重要です。

小さな業務から改善を重ねることで、効率化だけでなく、持続可能な経営基盤の構築にもつながります。

この記事が、運送業のデジタル変革に向けた第一歩となれば幸いです。




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