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【必見】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは。意味・目的をわかりやすく解説

【必見】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは。意味・目的をわかりやすく解説
DXとは、デジタル技術の浸透によって人々の生活を豊かにするという考え方のこと。ビジネス領域では、「データとデジタル技術の活用で製品・サービスやビジネスモデル、さらには企業のあり方を変革すること」として解釈されています。 新型コロナウイルス感染拡大によって人々の行動が大きく変化したことで、DXを新たな市場環境に適応するための重要な経営課題と捉える企業が増えてきました。 今回は、そんなDXの意義や課題と、DXの取り組みに必要なステップを解説します。また企業のDX推進事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でDX支援に携わる泉川学が作成しました。

目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」には、いくつかの関連用語があります。まずはそれぞれの違いから詳しくご説明します。

DXの本来の意味

経済産業省は、2020年11月9日に策定した「デジタルガバナンス・コード2.0 」(2022年9月13日改訂)において、DXを次のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
引用元:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0 」

もともとDXは、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏らが提唱した「デジタル技術の浸透が、人々の生活を豊かにする」という定義が起源だと言われていますが、ビジネス領域においては「そのための組織やビジネスモデルの変革」という文脈で解釈されています。

類似する語との違い

DXと類似する概念としては、以下のようなものが挙げられます。

  • デジタイゼーション(Digitization):ある業務を効率化するために、ツールやデータをデジタル化すること。
  • デジタライゼーション(Digitalization):自社の戦略や外部環境などを含めたより広く長期的な視点で、業務プロセス全体をデジタル化すること。
  • IT(Information Technology)化:既存の業務プロセスのまま、コンピュータやネットワーク技術を活用して作業をデジタル化し、業務効率や生産性の向上を図ること。

つまり事業やビジネスモデル、組織全体の業務プロセスを変革して社会的影響を生み出すこと(目的)をDXとして定義したときに、その手段となるのが「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」、そして「IT化」だといえますね。


DXが注目される背景とは?

2000年に11月にIT基本法が成立され、これまでも「IT投資」や「デジタル化」は注目を集めてきたにも関わらず、なぜ今、これほどまでにDXへの注目が高まっているのでしょうか。

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大で市場環境が大きく変動

その大きな理由の1つは、新型コロナウイルスの感染拡大です。2020年に始まったコロナ禍で人々は感染症対策のため、できる限り周囲との接触を控えるようになりました。

この意識が「業務や日常生活における行動も可能な限りオンラインへと移行する」という行動変容にもつながり、都市部を中心にテレワークの普及が広まります。

もともと日本は業務のデジタル化や働き方の多様化はゆるやかに変化しつつありましたが、コロナ禍によって企業は商品・サービスや業務のあり方をユーザーの “新しい生活様式” に対応させる必要に迫られることに。

DXの遅れを認識し、変革を進めていこうと各企業の取り組みが加速する流れになったのです。

DXで市場への適応や業務の生産性向上にも

DXへの取り組みは、市場環境の変化への適応のみにはとどまりません。

例えば店舗事業において、商品の受発注やレジでの会計、スタッフの勤怠管理などこれまで人が行っていた業務にツールを導入し、省力化・自動化を行えば、スタッフや管理者一人ひとりの負担の軽減が見込めます。

また、少ない人数でも効率的に店舗を運営できるため、ヒューマンエラーのようなリスクへの対応にもつながります。

世界的なパンデミックがきっかけであるものの、結果的にDXの取り組みは業務の生産性を高め、コスト削減による利益増加や顧客満足度の向上など、ビジネスの好転も期待できるといえます。

DXには課題も

業務の生産性を高め、ビジネスの好転も期待できるDXですが、その取り組みは簡単ではないことも。続いては、DXに取り組むにあたって課題となりやすいポイントを、対応策と合わせてご紹介します。

DX人材確保が難航

DXに取り組むには、

  • プロダクトマネージャー:DX推進を主導するリーダーとなる
  • ビジネスデザイナー:デジタルを活用したビジネスやマーケティングの企画、立案、推進を担う
  • テックリード:システム設計〜実装をリーダーとして率いる

など「DX人材」の存在が不可欠です。しかし、このようなデジタル領域に精通した人材は市場に少なく、採用が難しいことも事実。そのため、DX推進に向けてなかなか動き出せずにいたり、単にツールを導入するのみの取り組みにとどまってしまったりするケースも少なくありません。

とはいえ必ずしも、盤石の体制を築いてからでなければDXが始められない、という訳ではありません。

まずは既存メンバーを中心に業務の棚卸しをし、プロジェクトの進捗に合わせて徐々にプロダクトマネージャーやビジネスデザイナーを採用したり、社内で育成したりすることも検討してみてもよいでしょう。

デジタル化に伴う新たな開発手法の導入が必要

他にも、DXに見られる課題としてせっかくツールを導入したにもかかわらず、実際の業務プロセスの生産性やスタッフへの負担に変化が見られない、というケースが見られます。

DXで生産性を高め業務効率化を実現するためには、単にアナログのものをデジタルに移行するだけでなく、業務の取り組み方やプロセスの改善も並行して進める必要があります。

DXでは次のような取り組みを基にプロジェクトを進行し、生産性の向上や業務効率化を目指します。以下、DXで用いられる手法・フレームワークをご説明します。

  • デザイン思考:クリエイターが業務で使用する思考のプロセスを活用した、前例のない課題に対する最適解を見つけるための思考法のこと。ユーザーの満足や共感を重視し、バイアスや固定観念を取り去って考えるなどの特徴を持つ。
  • アジャイル開発:要件定義・設計・実装・テストのサイクルを、システムやプロダクト単位ではなく機能単位で細かく、繰り返し回して進めていく開発手法のこと。ユーザーニーズを調査して仮説を立て、検証してから開発を行う「仮説検証型」に代わり、変化の激しい時代に適応し得る手法として着目される。(別記事へのリンク)

組織的なDX推進体制の構築も

とはいえ、DXの取り組みでは、業務プロセスやサービスの提供方法などに少なからず変化が生じ、各業務や部門の担当者レベルではなかなか取り組みを進めづらいものです。そのため、全社の取り組みとして経営層が率先して、DX推進体制の構築が必要です。

またDX推進の取り組みには、ITの知見と現場への理解が欠かせません。各事業部門が基幹システムを管轄するIT部門と連携したり、事業部門内で業務担当者と開発担当者が連携したりと、協力関係を築いていく必要性についても、DXへの社内理解を高めておくことが望ましいでしょう。


DXの導入ステップ

では、具体的にDXへ取り組むにあたって必要な、3つの導入ステップについてご説明します。

ステップ1:DXの目的を策定する

まずは「なぜDXを推進するのか」「DXに今取り組む必要が本当にあるのか」を組織で検討し、目的を明確に定めることからスタートします。

顧客のニーズや現場の業務に寄り添った取り組みでなければ、ビジネスモデルや業務プロセスを変化させても、“単にアナログのものがデジタル化しただけ” になりかねません。

DXのためのDXにならないよう、最初のステップは慎重に議論を重ね、プロジェクトメンバーの共通認識を得ることから始めましょう。

ステップ2:事業をデジタル化し、データを収集する

続いて、データの収集基盤を整備します。経験則に頼るのではなく、客観的なデータによって意思決定するためにも、重要なステップです。

収集するデータの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 顧客データ:年齢・性別などの基本情報や行動履歴
  • 商品データ:価格や概要、マニュアル、口コミなど
  • 社員データ:年齢・性別・役職・入社年月日など

ただし、一からデータ基盤を構築するには、専門的な知見を持つ人材の確保やシステム導入に伴うコストが必要です。一度に進めるのではなく、既存事業の1プロセスのデータ収集から始めるなど、徐々に進めるとよいでしょう。

ステップ3:収集したデータを分析し、ビジネス・組織変革のアイデアに

最後は、収集したデータを分析・可視化し、ビジネスモデルや業務、組織のあり方を改善するためのアイデアにつなげます。DXの目的に応じて収集・参照すべきデータをピックアップし、データの分析方法を検討します。

目的収集データ例データ分析例
顧客データから将来の売上を予想

・アポ回数 / セールス商品数

・商談の進捗状況/成約見込み

・売上の見積り額 / 売上


複数の商談データから、売上につながる商品の傾向やアポ回数を分析し、将来の売上予想を行う
社内業務の見える化で働き方改革を推進

・PCの稼働時間 / 勤務時間

・休暇計画と取得状況

・残業時間のアラート監視


勤務時間の見える化で従業員個人の業務負荷を可視化。

→マネージャー陣との共有で、タスク量の調整を行う


DXで意思決定を迅速化

・商品別売上 / 地域別売上

・商品別収益分析

・今期売上予想 / 実績


商品別の損益分岐点を洗い出し、地域別で売上状況を分析。

→将来的な販売計画の立案を行う


例えば、店舗における時期・曜日・時間帯ごとの顧客の来店状況や購買データと、売上の見積り額・売上実績などのデータから需要予測の精度を高めたり、在庫の確保数やスタッフ体制の見直しにつなげたりといった活用も可能です。

生じている課題を解決するために、どんな種類のデータが必要なのかを考えつつ、改善を進めていきましょう。


DXの導入事例紹介

業務の生産性を高め、ビジネスの好転も期待できるDX。ここからはDXの導入事例として、経済産業省、東京証券取引所および情報処理推進機構が定める「DX注目企業2022」の選定企業から3社をピックアップして取り組みの内容をご紹介します。

事例1:株式会社ミライト・ワン

通信建設業を中心に多様な事業を推進するミライト・ワンでは、成長戦略の一つとして、攻め・守り・育成の3つの柱でDXを推進。企業価値の向上を目指しています。

  • 攻めのDX:ナレッジベースとしてのデータ環境の整備、顧客データベースの高度化による営業アプローチの改善など
  • 守りのDX:カメラやAIを活用したスマート施工モデルの実現、業務自動化など
  • DX人材育成:データサイエンティストの採用・育成、「みらいカレッジ」によるリテラシー向上など

例えば、「街づくり・里づくり」の一環としてミライト・ワン社はDX・GXプラットフォームを構築し、水素エネルギーや水道・土木などのインフラソリューションをICT化。蓄積されたデータを基に改善を繰り返す「スマートゼネコン」によって2026年度 売上高300億円を見込んでいます。(出典:株式会社ミライト・ワン

事例2:キリンホールディングス株式会社

食と健康にまつわる商品・サービスを提供するキリングループでは、イノベーションを実現する組織能力の一つとして「価値創造を加速するICT」を掲げ、DXによる価値創造に挑戦しています。

その一つが、ビール類の製造計画における「仕込・発行計画業務」や「濾過計画業務」へのAIの活用。通常は1回の計画につき最大6.5時間かかっていましたが、熟練者の知見や設備データ等をAIに学習させ自動化したことで、最短55分まで計画策定作業を短縮できました。このシステムによって、導入前に比べキリンビール全9工場で年間3,000時間以上の時間創出につながると見込まれています。

その他、キリンホールディングス社では、新規ビジネスの加速・開発に取り組む他、デジタルスキルを習得できる「キリンDX道場」を開校し、従業員の育成も進めています。(出典:キリンホールディングス株式会社

事例3:株式会社ワコールホールディングス

衣料品メーカー ワコールホールディングスでは、独自の身体計測・研究・接客のノウハウに3D計測サービスと接客AIを組みあわせ、ボディサイズを正確に計測して最適な商品を提案する「3D smart & try」を展開してきました。またこの接客サービスを活用し、他分野との協業も進めています。(出典:株式会社ワコールホールディングス

DX事例多数 デザインワン・ジャパンのDXソリューション

デザインワン・ジャパンは、自社Webサービスの運用や受託開発の豊富な経験を生かし、事業企画から開発、運用までを包括的にご支援する「DXソリューション」を提供しております。

各分野のスペシャリストがDXをフルサポート

デザインワン・ジャパンには、開発エンジニア、デザイナー、事業開発ディレクター、コンサルタントなど、各分野のスペシャリストが勢揃い。ヒアリングさせていただいた現状に合わせて必要な要員・チーム構成をご提案し、事業構築から運用まで貴社のチームと一体になってフルサポートいたします。

徹底したユーザー中心設計で本質的価値を提供

「事業者が提供したいもの」ではなく「ユーザーが求めるもの」を実現する徹底したユーザー中心設計で、ユーザーへの提供価値の最大化に貢献します。

低価格・高品質なオフショア開発

優秀な人材を安定して確保できるベトナム・ダナンに拠点を有し、オフショア開発の価格メリットを生かしながらも、日系資本や日本人CEOによる高品質なプロダクト開発を行える開発体制があります。日系企業を中心に100社以上のお取引実績があり、最大60%のコスト削減を実現しています。

まとめ

大きく変動する市場に適応するとともに、生産性の向上を実現するためにも、企業にとってDX推進は重要なテーマだといえます。

しかしDX推進の取り組みには課題も多く、一度にビジネスモデルや業務のあり方すべてを変革することは難しいものです。まずはDX推進の目的を明確にし、段階的に取り組みを進めていくことが求められるでしょう。

デザインワン・ジャパンのDXソリューションは、14年を超える自社サービスの運用、受託開発の経験を生かし、新規事業のアイデア創出から保守運用まで包括的な支援が可能です。弊社のDXソリューションにご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。


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