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I inside「Cube Atlas 192x」発表|機密データを社内で守りながらAIエージェントを動かす時代へ

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2026年6月24日、AI inside 株式会社がAI推論専用ハードウェアの新アーキテクチャ「AI inside Cube Atlas 192x」の受注を開始しました。現行モデルの192倍の計算能力を持ち、機密データを一切外部に出さずにAIエージェントを大規模稼働させられるこのハードウェアは、「生成AIはクラウドで使うもの」という常識を変えようとしています。

目次

この記事でわかること:
1.
AI inside Cube Atlas 192xの仕組みと、現行比192倍の計算能力が意味すること
2.
「Sovereign Grid」という日本初の国産分散AIインフラ戦略の全体像
3.
中小・中堅企業が「クラウドかオンプレか」を選ぶ際の実践的な判断基準

AI inside Cube Atlas 192xとは何か:仕組みと技術基盤

AI inside株式会社(本社:東京都港区)は、AI推論専用ハードウェア「AI inside Cube」の新アーキテクチャとして「AI inside Cube Atlas」を発表し、その第一弾モデル「AI inside Cube Atlas 192x」の受注を2026年6月24日より開始しました。

出典:AI inside プレスリリース


AI inside 株式会社

AI inside は最先端テクノロジーを研究開発・社会実装するテックカンパニーです。マルチモーダルなAI統合基盤などの提供を通じて、データドリブンなビジネス変革に貢献します。

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現行比192倍の推論能力が意味すること

「192倍」という数字は単純なスペック競争を意味するものではありません。AIの計算需要が「学習」から「推論」へと構造的にシフトしている現実を反映した数字です。

学習は一度で終わります。しかし推論は、業務が動く限り24時間365日稼働し続けます。AIエージェントが受注管理・書類作成・顧客対応などの実業務に組み込まれるほど、推論に必要な計算量は積み上がっていきます。

AI insideが2019年から「AI inside Cube」を政府機関・民間企業へ提供してきた6年間で、まさにこの変化が加速したことが今回の新アーキテクチャ開発の直接的な背景です。

同社のユーザー数はすでに7万ユーザーを超えています。これだけの規模で業務推論を支えるためには、従来のハードウェアでは追いつかなくなっていました。

AI統合基盤「Leapnet」をオンプレミスで完全稼働

「AI inside Cube Atlas 192x」の最大の特徴は、AI統合基盤「Leapnet」の全機能を、1台のハードウェアのサブスクリプションで閉域内において完全に動かせる点です。

具体的には以下の3つを単一筐体・閉域内で同時に実行できます。

AIエージェントの並列稼働:
複数のタスクを自律的に処理するAIエージェントを同時に動かせます。
LLM(大規模言語モデル)推論:
クラウド並みの精度を持つ大型モデルをオンプレミスで使えます。
マルチモーダルRAGの大規模運用:
文書・画像・数値データをかけ合わせた検索・生成処理をこなせます。

これまで「クラウドを使わなければ最新AIの恩恵は得られない」と思っていた企業にとって、この発表は重要な転換点になりえます。

「Sovereign Grid」始動:国内データセンターをAI Factoryへ転換

「AI inside Cube Atlas 192x」の発表と同日(2026年6月24日)、AI inside はデータセンター事業者のアイネットとの協業に向けた基本合意書の締結も発表しています。

これは同社が2026年5月13日に始動を宣言した「Sovereign Grid」の具体化ステップです。

分散推論ネットワークの仕組み

「Sovereign Grid」は、国内データセンター事業者の施設に「AI inside Cube」を設置し、その上にAI統合基盤「Leapnet」を構築する仕組みです。各拠点の「Leapnet」がネットワークとして接続されることで、分散型AI推論ネットワーク全体が形成されます。

参加するデータセンター事業者にとっての利点は明快です。AIモデルの調達も基盤ソフトウェアの統合も自社でおこなう必要はなく、電力と設置スペースを提供するだけで自社ブランドのAI推論サービスを顧客に提供できます。しかも参加事業者が増えるほどネットワーク全体の推論処理能力が上がる「分散推論の効果」があります。(出典:AI inside「Sovereign Grid」発表

「データ主権」と「アクセス主権」が経営課題になりつつある

代表取締役社長CEO 渡久地 択氏は、クラウド上の最新モデルは提供事業者や各国の規制の判断ひとつで予告なく停止するリスクを抱えており、データ主権とアクセス主権の両方がAI活用の前提条件になりつつあるとの認識を示しています。

2026年現在、各国でAI規制の具体化が進んでいます。米国・EU・中国それぞれが独自のAIガバナンスを整備し、データの越境移転リスクは増大しています。

このような環境下で、「クラウドの外資サービスに推論を丸投げする」アプローチが長期的に成立するかどうか、経営判断として問い直す時期が来ています。

なぜ今「クラウドを選ばない理由」が増えているのか

クラウドAIは手軽で強力ですが、あらゆる業務に最適解とは限りません。ここでは「オンプレミスの選択肢が浮上している背景」と、実際にどう使い分けるかの判断軸を整理します。

「AIで成果が出ない94%」問題とインフラの関係

McKinseyが2025年に発表した「The State of AI」によれば、AIで売上や利益(EBIT)を5%以上改善できている企業は調査対象のわずか6%にとどまります。残りの94%は、AIに取り組んではいても成果に結びついていません。

機密データを扱う金融機関・製造業・医療機関では、クラウドへのデータ送信がそもそも困難です。その結果、「使えるAIが限定される」「精度が落ちる」「業務に実装できない」という連鎖が生じやすい状況に陥ります。

オンプレミスAI基盤と組み合わせることで初めて「業務に直接組み込める」AIが実現し、成果につながる可能性が高まります。

クラウドを選ぶべき場面、オンプレを選ぶべき場面

クラウドにも固有の強みがあります。最新モデルへの即座のアクセス、ハードウェア不要の初期投資の低さ、スケーラビリティの高さは今も変わりません。

企業が取るべきは「クラウドかオンプレか」の二択ではなく、ワークフロー単位での使い分けです。

クラウド向き
データの機密性
公開情報・汎用情報
更新頻度
最新モデルをすぐ使いたい
利用頻度
断続的・実験的
規制対応
海外展開・スピード重視
オンプレ向き
データの機密性
個人情報・設計図・財務データ
更新頻度
安定稼働・バージョン固定が必要
利用頻度
24時間連続稼働
規制対応
金融・医療・政府関連の規制順守

中小・中堅企業が注目すべきポイント|自社への示唆

AI inside の「DX Suite」はすでに政府機関・地方公共団体・民間企業など7万ユーザーを超える実績を持っています。

AI-OCRを使ったデータ入力自動化、受注書の自動転記、議事録作成の全自動化といった「地味だが確実に工数を削れる定型業務」への活用は、従業員規模に関わらず実現できます。

「大企業だけの話」ではない理由

「Cube Atlas 192x」が問いかけているのは、「AIエージェントを実業務に組み込む段階に入ったとき、どこで動かすか」という問題です。特に以下の業種・状況では、オンプレミスAI基盤の検討価値が高いと言えます。


製造業(中小工場):設計図・品質検査データ・取引先との契約書をクラウドに出せない事情がある
建設業・不動産業:物件情報・施工計画・顧客個人情報が機密扱いとなることが多い
地域金融機関・信用金庫:顧客資産情報を外部のクラウドで処理することへの規制上の障壁がある
医療・介護施設:患者情報・介護記録の厳格なデータ管理が求められる

まず小規模PoCから始めるステップアップ型アプローチ

「Cube Atlas」は1x〜192xのレンジで複数構成が順次提供予定です。

いきなり192xの大型モデルを導入する必要はありません。業務ごとの機密レベルと処理量を整理し、どの業務をクラウドで、どの業務を閉域で動かすかを小さく試してから判断する「ハイブリッド型」の進め方が現実的です。

具体的なステップとして以下を推奨します。

Step 1(〜1ヶ月)
業務棚卸し

自社の業務フローをリストアップし、AIに任せたい業務を機密レベルで3段階(低・中・高)に分類します。

Step 2(1〜3ヶ月)
クラウドでPoC

機密レベル「低」の業務からクラウドAIで概念実証を始めます。議事録作成、メール下書き、社内FAQ検索などが取り組みやすい領域です。

Step 3(3〜6ヶ月)
オンプレ検討

機密レベル「高」の業務でオンプレミスAI基盤の導入を検討します。このタイミングで「Cube Atlas」のような製品が選択肢として浮上します。

よくある質問(FAQ)

Q. AI inside Cube Atlas 192xはどんな企業が対象ですか?
A. 政府機関・金融機関・製造業・医療機関など、機密性の高いデータを扱いクラウドへのデータ送信が難しい組織が主な対象です。7万ユーザーを超える既存の導入実績からも、大企業から中堅企業まで幅広く利用されています。
Q. 「Sovereign Grid」に参加するとどうなりますか?
A. データセンター事業者が自社施設に「Cube Atlas」を設置することで、既存インフラをそのままAI推論サービスの提供拠点(AI Factory)に転換できます。AIモデルや基盤ソフトウェアの自社調達は不要です。
Q. クラウドと組み合わせて使うことはできますか?
A. はい。AI insideは単一施設のオンプレミスから複数データセンターを束ねる分散推論ネットワークまで同一アーキテクチャで対応しており、ハイブリッド構成が可能です。機密データは閉域で処理し、汎用処理はクラウドを使い分けるアプローチが推奨されています。
Q. 中小企業でもオンプレミスAIの導入は現実的ですか?
A. 「Cube Atlas」は1x〜192xのレンジで順次展開予定です。処理規模の小さいモデルからスモールスタートできる設計が考慮されており、段階的な導入が想定されています。
Q. データ主権とは何ですか?なぜ今問題になっているのですか?
A. データ主権とは、自社データがどの国・どの事業者によって処理されるかをコントロールできる状態を指します。2026年現在、各国でAI規制・データ保護法が整備され、外資クラウドでのデータ処理が規制対象になるリスクが高まっています。金融・医療・政府関連の企業では喫緊の経営課題です。
Q. 「AIで成果が出ない94%」から抜け出すにはどうすればいいですか?
A. McKinseyのデータが示すように、成果を上げている6%の企業に共通するのは「適切な業務に・適切なインフラで・継続的にAIを動かしている」点です。クラウドかオンプレかを問わず、まず「どの業務のどのステップをAIに置き換えるか」を具体化することから始めることが重要です。
まとめ

AI inside「Cube Atlas 192x」の発表は、AI推論専用ハードウェアのスペック更新にとどまりません。AIの計算需要が学習から推論へシフトし、AIエージェントが業務に常時稼働する時代への移行を反映した出来事です。

「Sovereign Grid」という国産分散AIインフラ構想と組み合わさることで、日本企業が「データ主権を守りながらAIを本番稼働させる」選択肢が現実のものとなりつつあります。

中小・中堅企業に求められるのは「クラウドかオンプレか」の二択ではなく、業務の機密レベルごとにインフラを使い分けるハイブリッド発想への転換です。まずは自社の業務棚卸しと機密レベル分類から始めることをおすすめします。

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本記事は最新のAIエージェントを構成パートナーに迎え、人間とAIのハイブリッド体制で執筆・校閲を行っています。(ファクトチェック完了:2026年7月6日)
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記事を書いた人
泉川 学

小売業界でブランド品のバイヤーなどを経験したのちIT業界に転身。 株式会社ライブドアのインフラ事業の営業責任者を担当。 ベンチャー企業の運営に関わった後、2016年にデザインワン・ジャパン(現GMOデザインワン株式会社)へ入社。 「エキテン」事業の営業・サポート部門責任者を務めたのち受託開発事業の立ち上げを担当し、 現在は執行役員兼エキテン事業、受託開発事業とその所管グループ会社を統括。

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