フォーバル×調和技研が中小企業AX推進で業務提携|専門人材なしでも「AI経営」を動かす方法
目次
提携の全容|フォーバルと調和技研が組む「理由」
フォーバルと調和技研は、2026年6月19日に中小企業および自治体のDX・AX推進と地方創生を目的とした業務提携契約を締結しました。この2社が手を組んだのには明確な理由があります。
(出典:フォーバルプレスリリース、調和技研プレスリリース)
2社の強みと役割分担
フォーバルは1980年の創業以来、全国約4万社の中小・小規模企業と関わり、年間のべ20万人の経営支援をおこなってきた実績を持ちます。「企業ドクター(次世代経営コンサルタント)集団」を基本戦略に掲げ、中小企業の現場に深く入り込んだ伴走型コンサルティングが最大の強みです。
一方の調和技研は、札幌を本拠地とするAIベンチャーです。2009年の設立以来、機械学習・生成 AI の研究開発から導入支援・人材育成まで一気通貫で提供し、170件超のAI開発実績を持っています。アカデミアレベルのAI技術知見と、独自開発のAIエンジン群(言語系・画像系・数値系)が強みです。
この提携が注目される理由は、組み合わせの必然性にあります。AI技術単独では中小企業の現場に届きにくく、経営コンサルだけでは実装がついてきません。両社の弱点を補い合う関係になっています。
4つの連携項目の具体的な中身
プレスリリースによると、両社が共同で進める連携項目は以下の4つです。
特に注目すべきは「1」です。中小企業向けのAIサービスは、現場のニーズを理解せずに開発されたものが多いのが現状です。フォーバルの現場ネットワークと調和技研の実装力が合わさることで、「実際に使えるAIサービス」が生まれる可能性があります。
今なぜ「AX」なのか|2026年の業界文脈

「AX(AIトランスフォーメーション)」という言葉を最近よく耳にするようになりました。DXとどう違うのか、整理しておきましょう。
DXとAXの違いを整理する
DX(デジタルトランスフォーメーション)はデジタル技術を使って業務プロセスや組織・文化を変革することを指します。データのデジタル化、クラウド移行、業務の自動化などが典型です。
AXはその一歩先を行く概念で、AIを前提として経営やビジネスモデルそのものを再設計することを意味します。単に「AIツールを導入する」のではなく、「AIがいることを前提に、仕事の仕方や組織の在り方から見直す」イメージです。
ここで重要なのが、2026年4月に閣議決定された2026年版中小企業白書です。この白書において、AXが初めて明記されました。「稼ぐ力」強化に向けた取組のひとつとして、AI活用・デジタル化による生産性向上の重要性が位置づけられています。国がAXを中小企業の経営課題として正式に認定したことは大きな転換点といえます。
(出典:中小企業庁・2026年版中小企業白書)
IDC Japanの予測では、国内AIシステム市場は2024年の1兆3,412億円から2029年には4兆1,873億円へと5年で約3倍に拡大する見通しです。市場が伸びるほど、対応が遅れた企業との格差は広がるでしょう。
(出典:IDC Japanプレスリリース)
中小企業のAI導入が進まない「本当の理由」
株式会社Leachが2026年に公開した「中小企業AI導入実態調査2026」によると、中小企業のAI導入率はわずか12%にとどまります。
独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 (2026年3月)」でも20.4%という数字が示されており、いずれの調査でも中小企業の遅れが明らかです。
なお、東京商工リサーチの「2026年4月「生成AI」に関するアンケート調査」では大企業の「組織的活用推進率59.1%」という数字も報告されており、複数の調査で大企業と中小企業の格差が確認されています。
なぜ進まないのでしょうか。Leach調査で最大の障壁として62%が挙げたのは「何から始めればいいか分からない」という声です。技術的な難しさやコストではなく、「入口が見えない」ことが本質的な問題です。
中小企業に不足しているのは「ツール」ではなく「伴走者」です。Leach社調査では、まず外部の顧問型・伴走型から始めた企業の成功率は、いきなりシステム開発に着手した企業の約3倍という結果も報告されています。今回の提携は、まさにこの「入口」と「伴走者」を提供する仕組みを作ろうとしています。
中小・中堅企業が注目すべきポイント|自社への示唆
この提携のニュースを「大企業同士の話」として流してしまうのはもったいないです。フォーバルの顧客の大半は中小・中堅企業です。今回の提携は、全国4万社の企業に「AI×伴走コンサル」が届く仕組みになり得ます。
「専門家に頼む」ことのコスパを再評価する
「AI専門人材を採用したい」という声はよく聞きます。しかし現実として、AI人材の採用市場では年収800万円以上が相場となっており(複数の転職市場レポートより)、採用競争が続いています。従業員50名以下の中小企業が自前で確保するのは難しいのが現実です。
それよりも、外部の伴走型パートナーを活用する方がコストパフォーマンスは高い可能性があります。フォーバルのような経営コンサルタントと調和技研のようなAI実装企業が連携した支援を受ければ、専門人材を雇用するよりも低コストで・早く・確実にAXを進められるケースは少なくありません。
「自社でやるか、外部に頼むか」の二択ではなく、「外部パートナーと一緒にやりながら、社内にノウハウを蓄積する」という発想の転換が必要です。
今すぐできる3つのアクション
今回のニュースを踏まえて、中小・中堅企業の読者が今日から動けるアクションを3つ提示します。
まず「どの業務でAIを使えそうか」を考えることから始めましょう。メールの下書き、議事録の整理、問い合わせ対応、在庫管理など、日常業務の中にヒントがあります。1つで構いません。書き出すことで、次のステップへの入口が見えてきます。
フォーバルや調和技研のような伴走型のAI導入支援パートナーは、多くの場合、初回相談を無料で受け付けています。「何から始めればいいか分からない」という状態のまま相談に来ることを、彼らは前提としています。まず話を聞いてもらうことが最初の一歩です。
中小企業庁の公式サイトから無料で閲覧できます。AXが国の政策として位置づけられている事実を把握しておくことで、社内での議論の根拠になります。「国が言っている」という事実は、経営層を動かすときに使える材料です。
Q1. AXとDXの違いは何ですか?
Q2. 中小企業でもAXに取り組めますか?
Q3. AI専門人材がいなくてもAX推進はできますか?
Q4. フォーバルと調和技研の提携で何が変わりますか?
Q5. AXを始めるとき、まず何をすればいいですか?
Q6. 中小企業のAI導入率はどのくらいですか?
まとめ
小売業界でブランド品のバイヤーなどを経験したのちIT業界に転身。 株式会社ライブドアのインフラ事業の営業責任者を担当。 ベンチャー企業の運営に関わった後、2016年にデザインワン・ジャパン(現GMOデザインワン株式会社)へ入社。 「エキテン」事業の営業・サポート部門責任者を務めたのち受託開発事業の立ち上げを担当し、 現在は執行役員兼エキテン事業、受託開発事業とその所管グループ会社を統括。
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