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「今月のAWS代が高すぎる」を解決!EC2コスト最適化の実践テクニックと考え方

「今月のAWS代が高すぎる」を解決!EC2コスト最適化の実践テクニックと考え方
クラウド導入の大きな悩みであるAWS EC2の料金について、基本の従量課金体系から、最大90%削減も可能なスポットインスタンスの活用、見落としがちな通信費の仕組みまでを網羅的に解説します。本記事は、システム・アプリ開発を行っているGMOデザインワンDX事業本部の事業責任者・泉川学監修のもと、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業が直面するコスト管理の課題を解決するために作成。予算超過を防ぎ、効率的なクラウド運用を目指すすべてのビジネスパーソン必見の内容です。

目次

1. EC2料金体系の全体像と基本ルール

AWSを使い始めると、まず驚くのがその請求の仕組みかもしれません。 

「使った分だけ払う」というシンプルそうなルールですが、実際には見えないところで様々な要素が組み合わさっています。 

予算の管理を任されている方にとって、この全体像を把握することは、将来の予測を立てるための最初の大切な一歩となります。

1-1. 初心者が知っておくべき「従量課金制」の仕組み

従量課金制(じゅうりょうかきんせい)とは、電気や水道と同じように、使った分だけ料金が発生する仕組みのことです。 

AWS EC2では、サーバーを動かしている時間に対して料金を支払います。 

これまでは、数年先を予想して高いサーバーを買わなければなりませんでしたが、クラウドなら「明日から1台増やす」「来週から半分に減らす」といった調整が自由自在です。 

ただし、止めるのを忘れてしまうと、その分だけ料金が発生し続けるため、管理者の目配りが重要になります。

1-2. 料金を左右する3つの主要要素(計算・保存・通信)

EC2の料金は、大きく分けて「計算(コンピューティング)」「保存(ストレージ)」「通信(データ転送)」の3つの組み合わせで決まります。 

計算は、頭脳にあたるプロセッサをどれだけ回したかの費用です。 保存は、データを置いておく仮想的なハードディスクのレンタル料にあたります。 

通信は、インターネットを通じてデータを外に送り出す際にかかる「送料」のようなものです。 

これら3つが複雑に絡み合うため、請求書を見たときに「何が高いのか」を分析する力が、コスト削減の鍵を握ります。

1-3. 1秒単位の課金と最小課金時間の注意点

EC2の多くは、1秒単位で料金が計算されます。 

例えば、テストのために数分間だけサーバーを起動した場合、その数分分だけの支払いで済むため、非常に効率的です。 

ただし、すべての種類が1秒単位というわけではなく、一部の種類や設定によっては、最低でも60秒分の料金が発生する「最小課金時間」というルールがあります。 

短時間の起動と停止を何度も繰り返すようなプログラムを動かす場合は、この小さな違いが1ヶ月の合計金額に響いてくるため、注意が必要です。

2. 利用スタイルに合わせた「4つの買い方」比較

AWSには、同じ性能のサーバーであっても「買い方」を選ぶだけで、料金が劇的に安くなる選択肢が用意されています。 

多くの方が「一番高い買い方」を続けてしまっているのが現状ですが、プランの特徴を理解すれば、リスクを抑えつつコストを下げることが可能です。 

ここでは、それぞれの買い方のメリットと、決断を後押しするためのポイントを整理して解説します。

2-1. オンデマンド:短期利用や予測不能な負荷に最適

オンデマンドインスタンスは、予約なしで「今すぐ」使い始められる、最も標準的な買い方です。 

いつ始めても、いつ止めても良いため、新しい企画の実験や、急にアクセスが増える時期の予備として非常に便利です。 

しかし、自由度が高い代わりに、1時間あたりの単価は全プランの中で最も高く設定されています。 

「ずっと使い続けることが分かっているサーバー」をこのプランで運用し続けるのは、コスト面では非常にもったいない選択と言えます。

2-2. Savings Plans:最大72%割引を受けるためのコツ

Savings Plans(セービングスプラン)は、1年または3年の間、「1時間あたりこれくらいの金額を必ず使います」と約束することで、大幅な割引を受けられるプランです。 

一度契約するとキャンセルはできませんが、最大で70%以上も安くなるため、会社としては大きな経費削減に繋がります。

 「インスタンスのサイズを変更しても割引が続く」といった柔軟性があるため、将来の構成変更を恐れずに導入できるのが魅力です。

 常に動かし続けている社内システムなどは、まずこのプランへの切り替えを検討すべきでしょう。

2-3. スポットインスタンス:余剰リソースを格安(最大90%オフ)で使うコツ

スポットインスタンスは、AWS側で余っている在庫を「格安」で借りる仕組みです。 

最大で90%も安くなりますが、AWSが必要になった時には「2分前」の通知で強制的に返却(停止)を求められるという特殊なルールがあります。 

「突然止まっても問題ない、後でやり直せる計算作業」などに使うと、圧倒的なコストパフォーマンスを発揮します。 

全ての業務には使えませんが、用途を見極めて使いこなせば、予算内でできることの幅が劇的に広がります。

3. インスタンスタイプとリージョンによる価格差

サーバー選びにおいて、中身の性能だけでなく「どこで動かすか」や「どの部品を使うか」も料金に大きく関わります。

最新の技術を取り入れることは、単に性能が上がるだけでなく、コストを下げる賢い近道になることも多いのです。 

ここでは、少し視点を変えるだけで得られる節約のテクニックについて、具体的に説明していきます。

3-1. 世代(最新世代 vs 旧世代)によるコストパフォーマンスの違い

EC2には、スマートフォンのように「第5世代」「第6世代」といった世代の区分があります。 

意外に思われるかもしれませんが、多くの場合、古い世代よりも最新世代の方が、性能が高いだけでなく価格が据え置き、あるいは安く設定されています。 

古いシステムをそのままの形で使い続けるのではなく、定期的に最新の世代へ乗り換えるだけで、同じ料金で処理速度を上げることができます。 

「動いているから触らない」のではなく、「新しくして安くする」という意識が、クラウド運用の醍醐味です。

3-2. 東京リージョンと海外リージョンの価格比較と選び方

AWSの料金は、世界各地にあるデータセンター(リージョン)によって微妙に異なります。 

一般的に、東京リージョンは設備コストの関係で、アメリカなどの主要な地域に比べると少し高めの設定になっています。 

日本のユーザーに素早くサービスを届けるなら東京がベストですが、もし「速度を気にしないバックアップデータの保管」などであれば、海外の安い地域を選ぶ選択肢もあります。 

用途に応じて「場所」を賢く使い分けることで、性能を落とさずに全体のコストを最適化することが可能です。

3-3. プロセッサ(Intel, AMD, Graviton)選択によるコスト削減

サーバーの心臓部であるプロセッサ(CPU)は、Intel以外にも複数の選択肢から選ぶことができます。 

例えばAMD製のプロセッサを選ぶと、Intel製よりも10%ほど安くなるのが一般的です。 

さらに、AWSが独自に開発した「Graviton(グラビトン)」というプロセッサを選べば、さらに20%近いコスト削減と高い性能を両立できる場合があります。 

特殊なプログラムでない限り、これらを選ぶだけで大幅な節約になるため、最も手軽で効果的な見直しポイントの一つと言えます。

4. 見落としがちなストレージ(EBS)の追加料金

サーバーの本体価格にばかり目が行きがちですが、実は「データの保存場所」であるEBSの料金が積み重なり、請求額を押し上げているケースがよくあります。 

これは、サーバーを止めていても発生し続ける料金であるため、正しい知識がないと「使っていないのに高い」という状況に陥ります。 

ここでは、ストレージ費用を賢く抑えるための管理術を学んでいきましょう。

4-1. ボリュームタイプ(gp3, io2など)ごとの単価と性能バランス

EBSには、普段使いに適した「gp3」や、超高速な「io2」など、複数の種類(ボリュームタイプ)があります。 

以前の標準だった「gp2」を使っているなら、最新の「gp3」に切り替えるだけで、性能を維持したまま料金を20%も安くできる場合があります。 

自分のシステムが、どれくらいのスピードで読み書きをする必要があるのかを見極め、オーバースペック(過剰な性能)にならないタイプを選ぶことが重要です。 

まずは今使っているタイプを確認し、最新のものへ変更できるか検討してみましょう。

4-2. スナップショットの保存費用と世代管理による節約

「スナップショット」は、ある時点のデータを丸ごとバックアップする便利な機能ですが、これも保存量に応じた料金がかかります。 

安全のために毎日バックアップを取ることは大切ですが、1年前のデータをいつまでも残しておく必要はないかもしれません。 

「過去30日分だけ残す」といった世代管理を自動化することで、無駄な保存費用をカットすることができます。 

バックアップは「取る」ことと同じくらい、「古いものを整理する」ことがコスト管理においては重要です。

4-3. 未使用のEBSボリュームを放置しないための管理術

サーバーを削除(終了)した際、設定によってはデータの入ったストレージ(EBSボリューム)だけがそのまま残ってしまうことがあります。 

これは「誰にも使われていないのに料金が発生し続ける」という、最ももったいない状態です。 

こうした「孤立したボリューム」を定期的にチェックし、不要なら削除、あるいは安価なアーカイブ保存に回す習慣をつけましょう。 

管理画面から簡単に確認できるため、月に一度の棚卸しを行うだけで、数千円から数万円の節約に繋がることも珍しくありません。

5. データ転送量(ネットワーク)コストの落とし穴

多くのエンジニアが最も予測に苦労し、かつ高額になりがちなのが「データ転送量」の料金です。 

サーバーからインターネットへ、あるいは建物(AZ)の間でデータが動くたびに、見えない「送料」が発生しています。 

なぜ料金が跳ね上がっているのかを説明するためには、この通信の仕組みを正確に理解しておく必要があります。

5-1. インターネットへの送信(アウトバウンド)料金の仕組み

AWSでは、外部からAWSの中へデータを入れるのは無料ですが、AWSから外(インターネット)へデータを送り出す際に料金が発生します。 

これを「アウトバウンド転送量」と呼び、送ったデータの合計サイズが大きくなるほど、請求額も増えていきます。 

高画質な動画配信や、大容量のファイルを頻繁にダウンロードさせるようなサービスでは、サーバー代よりもこの通信費の方が高くなることもあります。 

どれくらいのデータが外へ出ているかを数字で把握することが、納得感のある予算管理の第一歩です。

5-2. 同一リージョン内・複数AZ間の通信で発生する隠れたコスト

東京リージョンの中にある「建物(AZ)A」と「建物B」の間でデータをやり取りする場合にも、実は通信料が発生します。 

システムの故障に強くするためにサーバーを複数の建物に分散させることは推奨されますが、その間で大量のデータを同期しすぎると、予想外の費用がかかります。 

「同一建物内での通信」であれば多くの場合無料になるため、コストと信頼性のバランスを考えた設計が求められます。 

どこからどこへデータが流れているのか、ネットワークの図を書き出してチェックしてみることが大切です。

5-3. CloudFront(CDN)を併用した転送効率化とコスト抑制

CloudFront(クラウドフロント)というサービスを使うと、よく使われるデータをユーザーに近い場所に一時保存(キャッシュ)してくれます。 

これにより、EC2から直接データを送る回数が減り、結果として全体の通信コストを下げられる場合があります。 

特に不特定多数のユーザーがアクセスするウェブサイトなどでは、このサービスを併用することが「高速化」と「節約」の両立に繋がります。 

通信費が高いと感じたら、サーバーの設定をいじる前に、こうした「配送ルート」の見直しを検討してみる価値があります。

6. 無料枠(Free Tier)の賢い活用方法と期限

AWSには、初めて利用する人や小規模なテストを行いたい人のために、一定期間無料で使える「無料枠」が用意されています。 

しかし、この無料枠には「期限」や「対象」が厳格に決まっており、それを知らないまま使い続けると、ある日突然、請求が発生して驚くことになります。 

ここでは、無料で使える範囲を正しく理解し、賢く使い切るためのポイントを解説します。

6-1. 12ヶ月間無料枠の対象インスタンスと制限事項

AWSのアカウントを新しく作成してから最初の12ヶ月間は、特定のインスタンス(例えばt2.microやt3.microなど)を毎月合計750時間分、無料で使うことができます。 

これは1台のサーバーを1ヶ月間ずっと動かしてもお釣りが来る時間ですが、2台を同時に動かせば半月で無料枠を使い切ってしまう計算になります。 

また、選べるサーバーの種類も一番パワーが小さいものに限られているため、重い作業には向きません。 

「何が、いつまで無料なのか」を常に意識して、学習や試作に役立てていきましょう。

6-2. 無期限無料枠でできること・できないこと

一部のサービスには、12ヶ月を過ぎてもずっと無料で使える「無期限無料枠」が設定されています。 

EC2そのものには無期限の無料枠はありませんが、管理機能やデータの保存を助けるサービスの中には、少量の利用ならずっと無料というものも含まれています。 

こうしたサービスを組み合わせることで、システムの周辺機能を低コストで維持することが可能です。 

ただし、無料枠の範囲を少しでも超えるとすぐに課金が始まるため、常に利用状況をモニターしておく姿勢が求められます。

6-3. 無料枠を使い切った後の急な請求を防ぐアラート設定

無料枠を使い切ってしまったり、誤って対象外のサービスを使ってしまったりした際、自分ですぐに気づくのは難しいものです。 

そこで、「無料枠を超えそうになったらメールを受け取る」という通知設定を必ず有効にしておきましょう。 

AWSの管理画面から数クリックで設定でき、万が一の設定ミスによる「高額請求の恐怖」を未然に防ぐことができます。 

安心して新しい技術を学ぶためにも、一番最初に行っておくべき、インフラエンジニアの「保険」のような設定です。

7. 運用でコストを削る「自動化」のテクニック

「サーバーを動かしっぱなしにしない」という当たり前のことを、人間の手で行うのは大変ですし、忘れがちです。 

そこで、クラウドの得意分野である「自動化」を取り入れて、機械に無駄なリソースを削らせる工夫をしましょう。 

ここでは、運用を工夫するだけで、誰の負担も増やさずにコストを下げる3つの具体的なテクニックを紹介します。

7-1. インスタンスの「自動スケジュール停止」で夜間・休日の無駄を省く

開発用のサーバーや、平日の日中しか使わない業務システムであれば、夜間や土日に動かしておく必要はありません。 

「毎日20時に自動で停止し、翌朝8時に自動で起動する」という設定をするだけで、単純計算で月間の料金を半分以下にすることができます。 

わざわざ手動でボタンを押す必要はなく、AWSの標準的な機能を使えば簡単にスケジュールの自動化が可能です。 

「使わない時は消す」という習慣をシステムに組み込むことが、最も確実な節約術となります。

7-2. Auto Scalingを用いた「必要最低限」の台数維持

Auto Scaling(オートスケーリング)は、アクセスの多さに合わせてサーバーの台数を勝手に増やしたり減らしたりしてくれる機能です。 

忙しいお昼時だけ3台にし、夜中や早朝は1台にする、といった「伸縮自在な」運用が可能です。 

これにより、常に最大負荷に合わせた高い料金を払う必要がなくなり、「その瞬間に必要な分だけ」の最小コストでサービスを維持できます。 

人間の判断を介さずに、データに基づいて台数を最適化してくれるため、コスト管理と安定性の両方を手に入れることができます。

7-3. AWS Trusted Advisorを活用した「遊休リソース」の発見

AWS Trusted Advisor(トラステッド・アドバイザー)は、あなたのAWS環境をスキャンして「無駄遣いはないか」をアドバイスしてくれる専属コンサルタントのようなツールです。 

「ほとんど使われていないサーバー」や「放置されたままのストレージ」を自動で見つけ出し、具体的にいくら節約できるかを教えてくれます。 

忙しくて隅々までチェックできない管理者にとって、このツールが提示する改善提案は非常に心強い味方になります。 

月に一度はこのアドバイスに目を通し、指摘された部分を修正するだけで、健全なコスト管理が続けられます。

8. 料金の見える化と予算管理ツールの使い方

「なぜ高くなったのか」を後から悩むのではなく、リアルタイムで把握し、未来を予測できる環境を整えましょう。 

AWSが公式に提供している強力な管理ツールを使いこなせば、社内への説明もスムーズになり、精神的なストレスも大幅に軽減されます。 

ここでは、プロのインフラ担当者が必ず使っている3つの必須ツールを紹介します。

8-1. AWS Cost Explorerによる過去分析と将来予測

Cost Explorer(コストエクスプローラー)は、過去の利用料金をグラフで美しく「見える化」してくれる分析ツールです。 

どのサービスが、どの日に、どの程度増えたのかを一目で把握できるため、原因調査の時間が劇的に短縮されます。 

さらに、過去の傾向から「今のままだと今月末はいくらになるか」という将来予測も出してくれるため、予算オーバーの予兆を早めに察知できます。 

会議資料に使えるような分かりやすい図も作成できるため、上層部への報告作業も格段に楽になります。

8-2. AWS Budgetsを設定して予算超過を即座に検知する

AWS Budgets(バジェット)は、あらかじめ決めた「予算」を守るための見張り番です。

「今月の利用料が5万円を超えたら通知する」だけでなく、「このままのペースだと月末に予算を超えそうだ」という予測の段階でもアラートを出すことができます。 

請求書が届いてから驚くのではなく、途中で気づいて対策を打つことができるため、精神的な安心感が全く違います。 

複数の予算ラインを作っておけば、プロジェクトごとの細かい管理も可能になり、より精度の高い財務管理が実現します。

8-3. タグ付け(コスト配分タグ)によるプロジェクト別費用管理

一台ごとのサーバーに「部署名」や「プロジェクト名」といった「タグ(荷札)」を付けておくと、後で費用をそれごとに集計することができます。 

これを「コスト配分タグ」と呼び、会社全体の請求額を各部署に正しく割り振る際に非常に役立ちます。 

「開発部がこれだけ使い、営業部がこれだけ使った」という内訳が明確になれば、誰がコストを意識すべきかが一目瞭然です。 

規模が大きくなるほどこの「タグ付け」の重要性は増していくため、初期段階からルールを作っておくことを強くお勧めします。

9. まとめ:EC2コスト最適化のための実践ロードマップ

AWS EC2の料金は、ただ支払うだけのものではなく、工夫次第でコントロールできる「変動費」です。 

一気にすべての最適化を行うのは大変ですが、ステップを追って進めていけば、必ず大きな成果が得られます。 

最後に、今日から何をすべきか、その実践的な手順をまとめてこの記事を締めくくります。

9-1. 導入初期・運用期・最適化期のステップ別アクション

まずは導入初期なら、無料枠の活用と予算アラートの設定を最優先で行いましょう。 

運用が安定してきたら、Cost Explorerでの分析とインスタンスの世代交代、さらに夜間の停止スケジュールの導入を検討してください。 

そして最終的な最適化期には、Savings Plansによる長期契約やスポットインスタンスの活用など、より踏み込んだ削減に挑戦します。 

自分のシステムが今どのステージにいるのかを把握し、できることから一歩ずつ着手していくことが、挫折しないコスト管理のコツです。

9-2. 性能とコストの「ちょうど良い」バランスを見極める判断基準

一番安いプランを選ぶことだけが正解ではありません。

コストを削りすぎてサービスが止まってしまっては、ビジネスに大きな損害を与えてしまいます。 

大切なのは、そのシステムに求められる「重要度」と「予算」の天秤をかけることです。 

絶対に止めてはいけない基幹システムならSavings Plansを、失敗しても良い実験ならスポットインスタンスを、といったように明確な判断基準を持ちましょう。 

技術的な視点だけでなく、「このシステムが会社にいくら利益をもたらしているか」というビジネス視点でコストを捉えることが重要です。

9-3. 定期的なコスト見直し(コストレビュー)の習慣化手順

コストの最適化は一度きりのイベントではなく、終わりのない「習慣」です。 

月に一度、30分で良いので請求の内訳を見直し、異常な増減がないかを確認する時間をカレンダーに確保しましょう。 

AWSは常に新しいサービスや安価なプランを発表し続けているため、定期的な情報のアップデートも欠かせません。 

こうした地道な改善を繰り返すことで、クラウドの恩恵を最大限に引き出し、より創造的な開発に予算と時間を割ける理想的な環境が築けるはずです。


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