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DX推進を阻む3つの課題とは? 解決のポイントも合わせて解説

DX推進を阻む3つの課題とは? 解決のポイントも合わせて解説
DXとは、デジタル技術の浸透によって人々の生活を豊かにするという考え方のこと。新型コロナウイルス感染拡大によって人々の行動が大きく変化しただけでなく、DXを新たな市場環境に適応するための重要な経営課題と捉える企業が増えてきました。 しかし、DXの推進には課題も多く、場当たり的な進め方ではかえって全社的なDX推進を後退させかねません。 ​この記事では、DX推進を阻む3つの課題としてそれぞれの内容と解決のポイントを紹介します。DX推進でお悩みの担当者の方はぜひ、ご覧ください。この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でDX支援に携わる泉川学が作成しました。

目次

DX推進における3つの課題

業務の生産性を高め、企業に変革をもたらすDXですが、推進には課題も見受けられます。ここからは、DX推進を阻む3つの課題についてそれぞれ解説します。

課題1:DX人材の確保が難航

DXに取り組むには、

  • プロダクトマネージャー:DX推進を主導するリーダーとなる
  • ビジネスデザイナー:デジタルを活用したビジネスやマーケティングの企画、立案、推進を担う
  • テックリード:システム設計〜実装をリーダーとして率いる

など「DX人材」の存在が不可欠です。しかし、このようなデジタル領域に精通した人材は市場に少なく、採用が難しいことも事実。そのため、DX推進に向けてなかなか動き出せずにいたり、単にツールを導入するのみの取り組みにとどまってしまったりするケースも少なくありません。

また、一般社団法人日本能率協会が公表している『日本企業の経営課題2021』では、約9割の88.5%が「DX推進に関わる人材が不足」と回答しており、日本企業全体で、DX人材が不足しているといえますね。

課題2:デジタル化に向けた既存システムが足かせに

他にも、DXに見られる課題としてせっかくツールを導入したにも関わらず、実際の業務プロセスの生産性やスタッフへの負担に変化が見られない、というケースが見られます。

経済産業省が発表している『デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討 〜ITシステムに関する課題を中心に〜』でも、短期的観点でのシステム改修を繰り返した結果、長期的に保守・運用費が高騰する「技術的負債」を抱えているとの課題も明らかになっています。加えて、上記のような運用を続けた結果としてシステムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化している企業も多く、実際に7割の企業が、老朽システムがDXの足かせになっていると回答しています。

このような既存システムの老朽化などに伴う課題は「2025年の崖」と呼ばれ、デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の試算では、2025年以降、経済損失は最大12兆円/年にものぼると考えられています。(出典:『D X レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』)

課題3:DX戦略やビジョンの不在で、組織的なDX推進体制がない

さらに、DX推進には、業務プロセスやサービスの提供方法などに少なからず変化が生じるため、各業務や部門の担当者レベルではなかなか取り組みを進めづらいもの。そのため、全社の取り組みとして経営層がDXを位置づけ率先した取り組みが必要不可欠です。

しかし、実際にはDXといっても業務プロセスのデジタル化が目的になってしまい、肝心のトランスフォーメーション(変革)につながらない場合も見られます。また、既存業務プロセスの変更に抵抗し、社内に軋轢が生じてしまう場合もあり、これがDX推進を阻んでいるといったこともあります。


DX推進に向けた課題解決のポイント

DX推進には課題があるものの、DXはデータの活用で業務効率を改善し、企業の成長を実現できる可能性を秘めています。ここからは、前見出しで掲げた3つの課題についてそれぞれ、解決のポイントを紹介します。

ポイント1:DX人材を採用しつつ、プロジェクトに着手する

「DX人材の確保が難しい」という課題に対して、まず取り組むことは、「プロジェクトの着手」です。なぜなら、DXは必ずしも磐石の体制を築いてからでなければ始められない訳ではないためです。むしろスモールスタートでプロジェクトを始めるほうが進捗に応じて柔軟に体制を組み替えられるため、コスト的にも、体制的にもDXに取り組むハードルを下げ、着実なプロジェクト進行が可能です。

そのため、プロジェクト初期は既存メンバーで業務の棚卸しをしつつ、中期以降で具体的な導入するシステム要件や文責基盤構築を検討する際に、DX人材の採用を進めましょう。

また、今後もDX人材不足は続くと考えられるため、自社内で企画・立案・推進を進めたいなら事業開発経験のある方やこれまでチームリーダーやプロジェクトマネジメントを経験してきた方を、業務効率化など目的が明確ならコンサルティング会社でクライアントの課題解決に貢献してきた方やWEBマーケティング業界出身などデータ活用経験のある方など、目的に応じた「採用」と「育成」を進めることで、中長期的なDX推進につなげることができます。

ポイント2:チーム単位でDXを進め、成功事例を横展開する

既存システムがDXの妨げになっているという課題に対して、まず取り組むのは「DX戦略を立案したうえで、チーム単位でDXを進める」という方法です。DX戦略とはDXを成長に導くロードマップのことで、何を目的にして、どんな手段を採用するかを策定することで、次に行う施策の方向性が明確になります。

コラム:DX戦略に必要な3つのポイントとは。立案のプロセスやポイント、事例を紹介

特に基幹システムのような「一貫性のあるシステム構築」にはかなりの時間とコストの投入が求められます。1事業部だけでなく他部署や経営陣を巻き込んでのプロジェクトになるため、準備に相当な時間を要します。

そのため、全社的なDX戦略を立案したうえで、まずはチーム単位、部署単位など比較的小さい単位でDXを推進することをおすすめします。デジタル化する業務も定常的に発生する業務から……など、1事業部の成功例を他部署に展開するなど、段階的にDXに取り組むことで全社的なDX推進に進みやすくなります。

ポイント3:キーパーソンを集め、社内に変革の機運を醸成する

とはいえ、1事業部の事例だけではDXの全社展開は難しく、社内の反対意見に対応することは難しいことも。そこで3つめに紹介するポイントは「キーパーソンの確保」です。

キーパーソンとは、具体的にCDO(チーフデジタルオフィサー)と呼ばれるような責任者のこと。CDOは経営者側の立場から、自社のデジタル活用や業務プロセスの改善などの役割を担います。近しい役職にCIO(チーフインフォメーションオフィサー)を設置する企業も存在しますが、こちらは既存業務の最適化や情報リスクマネジメントに重きを置く場合が多く、DXという文脈では「CDO」のほうが役割として的確です。

また、社内にDXの責任者を配置するだけでなく、各事業部におけるキーマンをDXプロジェクトにアサインすることも有効です。社内提案を通しやすくするだけでなく、現場の責任者の生の声を聞きやすくなるといった効果も期待できるため、会議のオブザーバーとして招待したり、社内チャットのスレッドに招待したりと、プロジェクトの進捗を随時、共有し、社内にデジタル変革の機運の醸成を進めましょう。

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まとめ

DXの推進には課題も多く、場当たり的な進め方ではかえって全社的なDX推進を後退させかねません。そのため、まずはDXの目的を明確化し「DX戦略」として言語化。最小の人数でプロジェクトを進め、徐々にメンバーを増員し、段階的にDXを進めるのが良いでしょう。

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