【2024年最新】DXに使える国と都道府県の補助金・助成金まとめ
目次
「DXを推進したいけれど資金がネックになっている。補助金・助成金は活用できる?」
「DXに使える補助金・助成金にはどのようなものがあるの?自社に合うものを選択したい」
DXを推進するときにコストがネックとなり、補助金や助成金は活用できないものか悩んでいる企業は多いのではないでしょうか?補助金・助成金が活用できれば資金の負担を軽減でき、自社の課題に応じた設備投資、人材育成が検討しやすくなりますよね。
DX推進時に活用できる代表的な補助金・助成金には次の6つがあります。補助金・助成金によって、DXを推進するためのソフトウェアや設備購入、事業転換など様々な目的に活用できます。
補助金・助成金名 | 補助金・助成金額 | 概要 |
IT導入補助金 | 450万円以内 (複数社連携IT導入類型を除く) | 主にITツール・ソフトウェアの導入に使える補助金 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 1,250万円以内 (デジタル枠の場合) | 中小企業が経営革新を行うために必要な設備投資などに使える補助金 |
事業再構築補助金 | 7,000万円以内 (企業規模により異なる) | 新分野展開や事業転換、事業再編など事業再構築に活用できる補助金 |
小規模事業者持続化補助金 (一般型) | 50万円以内 | 小規模事業者の販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みを支援する補助金 |
キャリアアップ助成金 | コースにより異なる | 非正規労働者の正社員化・処遇改善の取り組みを助成する助成金 |
人材確保等支援助成金 (テレワークコース) | 支給対象となる経費の20~30%(上限あり) | テレワーク環境を導入、実施するための助成金 |
DXに使える補助金・助成金は特徴や活用できる要件が大きく異なるため、自社にはどの補助金・助成金が向いているのか見極めることが大切です。
補助金・助成金名 | 向いているケース |
IT導入補助金 | DXを推進するためのITツールやソフトウェアを導入したい場合 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 本格的な設備投資をして利益拡大・生産性向上を目指す場合 |
事業再構築補助金 | DX推進を兼ねた事業再編や事業転換を検討している場合 |
小規模事業者持続化補助金 (一般型) | 小規模事業者ができる範囲からDX化を推進したい場合 |
キャリアアップ助成金 | DX人材の確保や育成をしたい場合 |
人材確保等支援助成金(テレワークコース) | テレワーク環境を整え多様な働き方に対応したい場合 |
そこでこの記事では、DXに使える最新の補助金・助成金を分かりやすく解説していきます。とくに47都道府県すべての補助金・助成金を一覧にしているので、地域で展開している補助金・助成金を踏まえて検討できます。
【この記事を読むと分かること】 ・DX推進時に活用できる代表的な補助金・助成金一覧・【活用事例つき】DXで使える補助金 ・【人材育成・人材確保向き】DXで使える助成金 ・都道府県・市区町村が実施しているDXに使える助成金・補助金一覧 ・DXで使える補助金・助成金を活用するときの注意点 ・DXで使える補助金や助成金を申請する手順 |
この記事を最後まで読めば自社に合う補助金・助成金が分かり、申請に進めるようになります。自社の負担を軽減しながら効率よくDXを推進するためにも、ぜひ参考にしてみてください。この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でDX支援に携わる泉川学が作成しました。
1.DX推進時に活用できる代表的な補助金・助成金一覧
DX導入時に活用できる代表的な補助金・助成金には下記の6つがあります。この6つの補助金・助成金は経済産業省や中小企業庁、厚生労働省などの官公庁が実施しています。
補助金・助成金名 | 概要 | 補助金・助成金額 | 向いているケース |
IT導入補助金 | 主にITツール・ソフトウェアの導入に使える補助金 | 450万円以内 (複数社連携IT導入類型を除く) | DXを推進するためのITツールやソフトウェアを導入したい場合 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 中小企業が経営革新を行うために必要な設備投資等に使える補助金 | 1,250万円以内 (デジタル枠の場合) | 本格的な設備投資をして利益拡大・生産性向上に結びつけたい場合 |
事業再構築補助金 | 新分野展開や事業転換、事業再編など事業再構築に活用できる補助金 | 7,000万円以内 (企業規模により異なる) | DX推進を兼ねた事業再編や事業転換を検討している場合 |
小規模事業者 持続化補助金 (一般型) | 小規模事業者の販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みを支援する補助金 | 50万円以内 | できる範囲からDX化を推進したい場合 |
キャリアアップ助成金 | 非正規労働者の正社員化・処遇改善の取り組みを助成する制度 | コースにより異なる | DX人材の確保や育成をしたい場合 |
人材確保等支援助成金(テレワークコース) | テレワーク環境を導入、実施するための助成金 | 支給対象となる経費の20~30%(上限あり) | テレワーク環境を整え多様な働き方に対応したい場合 |
※2023年11月時点の情報です
DXを推進するときに使える補助金・助成金には様々な種類があり、ソフトウェアや機材の導入、人材育成など幅広い目的に活用できはます。DXを始めるときに補助金・助成金を活用するとコスト負担を軽減できるだけでなく、短期間で効率よくDXが推進できるところもメリットです。
【DXを推進するときに補助金・助成金を活用するメリット】 ・コスト負担を軽減できる |
補助金・助成金には様々な種類があり、それぞれ細かい条件が設定されています。とくに受給条件が細かく設定されているケースが多いので、細かい部分まで確認しながら比較検討することが大切です。
また、目的や企業規模により活用できる補助金は限られるので、2~5個程度の中から絞り込むことが多いです。自社に合う補助金・助成金を見つけるには下記のチェックシートを活用しながら、補助金・助成金を確認していくことがおすすめです。
補助金・助成金の比較チェックシート | ||
☐ | 対象者 | 補助金・助成金の対象となる企業規模・業種・地域・組織などを確認する |
☐ | 利用目的 | 何に対して活用できる補助金・助成金か確認する 例:DXを推進するソフトウェアの購入に活用できる |
☐ | 必須要件 | 満たす必要がある条件を確認する 例:一定期間内に雇用促進する・売上拡大するなど |
☐ | 補助金・助成金の金額 | 受給できる補助金・助成金の最大額と補助率を確認する ※必ずしも最大額を受け取れるわけではない |
☐ | 申請の締め切り | 申請書類を作成し提出する締め切り期限を確認する |
☐ | 採択後のスケジュール | 補助金・助成金が採択された場合のスケジュールを拡大する 例:いつまでに対象事業を終えて成果を出す必要があるかなど |
☐ | 補助金・助成金の受給方法 | 補助金・助成金の受給方法を確認する |
☐ | 注意点 | 補助金・助成金を申請するときの注意点を確認する 例:補助金・助成金を複数申し込むことはできないなど |
次の章からはDX推進に活用できる補助金・助成金を詳しく解説していくので、チェックシートを見ながら自社に合う補助金・助成金を探してみましょう。
2.【活用事例つき】DXで使える補助金
まずは、DXを推進するときに使える代表的な補助金をご紹介します。補助金とは、事業者の様々な取り組みや課題解決を支援するために資金の一部を給付するものです。申請すれば必ず給付されるものではなく、審査を通過し採択された場合のみ給付対象になります。
補助金 | 概要 | 補助金・助成金額 |
IT導入補助金 | 主にITツール・ソフトウェアの導入に使える補助金 | 450万円以内 (複数社連携IT導入類型を除く) |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 中小企業が経営革新を行うために必要な設備投資等に使える補助金 | 1,250万円以内 (デジタル枠の場合) |
事業再構築補助金 | 新分野展開や事業転換、事業再編など事業再構築に活用できる補助金 | 7,000万円以内 (企業規模により異なる) |
小規模事業者 持続化補助金 (一般型) | 小規模事業者の販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みを支援する補助金 | 50万円以内 |
DXに活用できる補助金にはどのようなものがあるのか、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業などが経営課題解決を目的にITツールを導入するときに使用できる補助金です。以下の5つの枠組みに分かれており、補助金を使用する目的に応じて選択します。
枠組み | 補助金の対象 | 補助金額 |
通常枠(A・B類型) | ・対象ソフトウェアの購入 ・拡張機能やセキュリティ機能などIT導入の関連費 ・IT導入のためのコンサルティングやマニュアル作成などの導入関連費 | A類枠:5万円以上150万円未満 B類枠:150万円以上450万円以下 (補助率1/2以内) |
セキュリティ対策推進枠 | ・サイバーインシデントのリスクを軽減するITツールの導入費 ・ITツールのサービス利用料(最大2年分) | 5万円以上100万円以下 (補助率1/2以内) |
デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型) | 会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの4つのいずれかのソフトを生産性向上を目的に導入する場合の費用 | ソフトウェア等:該当機能を1機能以上有する場合は50万円以下(補助率3/4以内) 該当機能を2機能以上有する場合は50万円超350万円以下(補助率2/3以内) パソコン・タブレット等: 10万円以下(補助率1/2以内) レジ・販売機等:20万円以下(補助率1/2以内) |
デジタル化基盤導入枠 (商流一括インボイス対応類型) | インボイス制度に対応した受発注システム費用(インボイス制度対応のITツールを導入したときに受注者である中小企業・小規模事業者等に無償でアカウントを供与するときの導入費用) | 350万円以下 (中小企業・小規模事業者等が申請する場合:補助率2/3以内 その他の事業者の場合:補助率1/2以内) |
デジタル化基盤導入枠 (複数社連携IT導入類型) | 複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る場合の基盤導入費 ・事務費や専門家の費用 ※商工団体や複数の企業により形成されたコンソーシアムなどが対象 | 基盤導入経費:3,000万円以内 (50万円以下の部分:補助率3/4以内 50万円超~350万円の部分:補助率2/3以内) 専門家・事務費:200万円以下(補助率2/3以内) |
参考:IT導入補助金
5つの枠組みの中で最もオーソドックスに活用できるのが「通常枠(A・B類型)」で、下記のようなソフトウェア導入を目的に活用できます。
①顧客対応・販売支援のソフトウェア ・A類型:1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する |
「通常枠(A・B類型)」を活用すると、下記のようなDXを実現できます。
・店舗の顧客来店状況や予約状況をリアルタイムで更新、管理できるようにして業務効率化を図る
・商品の発送業務(伝票作成・伝票発行など)を効率化し利益拡大を目指す
・林業のデジタル化を進めるためのソフトウェアを導入し人件費削減、業務効率化を目指す
また、DX化を進めるうえでセキュリティ対策が課題となっている場合は「セキュリティ対策推進枠」が、DXを促進するために会計・受発注業務を効率化したい場合は「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」も検討できます。
IT導入補助金 | |
対象者 | 中小企業・小規模事業者等 (中小企業・小規模事業者等の定義は各規定を確認してください) (デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)のみ商工団体や複数の企業により形成されたコンソーシアム等が対象) |
スケジュール | 事業スケジュールを確認してください (申請する枠組みによりスケジュールが異なります) 申請フローはこちら:新規申請・手続きフロー |
注意点 | ・申請前にIT導入支援事業者の選定とITツールの選択が必要 ・申請前にみらデジ経営チェックが必要 |
公式サイト |
2-1-1.向いているケース
IT導入補助金は、DXを推進するためのITツールやソフトウェアを購入したい場合に向いています。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」や「事業再構築補助金」と比較すると要件も少ないため、検討しやすいところが大きな魅力でしょう。
・DXを推進するために会計管理や在庫管理システムなどのソフトウェアを導入したい
・DXを推進するためのセキュリティ対策がしたい
などの場合には、活用を検討してみてください。
2-1-2.活用事例「IT導入補助金の活用で属人化していた運行管理業務をデジタル化できた」
「コミタクモビリティサービス株式会社」は、地域の乗合バス事業と学校や企業の送迎バス事業を展開している企業です。多忙を極める管理スタッフの仕事を効率化するため、運行管理業務をDX化する課題を抱えていました。
日々の運行指示書や運行日報などの書類は、管理スタッフやドライバーによる手書きです。バスの帰着後に2~3時間かけて運行実績を手作業で入力する業務も負担となっていました。そこで、IT補助金を活用し、「バス運行管理支援システム」を導入。
・アナログで行っていた業務を全てDX化できる
・データをクラウドで一元管理できる
・運行中に何かトラブルがあったときにGPS機能ですぐに通知できる
などの機能が搭載されており、大幅にDX化が進みました。課題となっていた運行管理業務は激的に効率化し、属人化していた運行ルート作成も不要となりました。毎月の月次報告も自動で反映されるため、入力に時間がかかっていた作業が2~3分で出力できるようになりました。
また、1日30枚ほどあった紙面の運行日報をデジタル化したことで、月間約3,000枚もあった書類を削減することも実現できました。DXを促進できたことで煩雑な日常業務から開放されて、コア業務に集中できるようになったとのことです。
IT導入補助金の導入事例は下記からも確認できるので、どのようなことに活用できるのか参考にしてみてください。
2-2.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業が経営革新を行うために必要な設備投資などに使える補助金です。5つの枠組みがありますが、DXの推進に活用できるのは主に下記の3つです。
枠組み | 補助金の対象 | 補助金額 |
通常枠 | 革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資 | 従業員数5人以下:100万円~750万円 6人~20人:100万円~1,000万円 21人以上:100万円~1,250万円 (補助率:小規模事業者、再生事業者は2/3・小規模企業者は1/2) |
回復型賃上げ・ 雇用拡大枠 | 業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者を対象に革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資 | 従業員数5人以下:100万円~750万円 6人~20人:100万円~1,000万円 21人以上:100万円~1,250万円 (補助率:2/3) |
デジタル枠 | DXに関する革新的な製品・サービス開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供に必要な設備・システム投資 | 従業員数5人以下:100万円~750万円 6人~20人:100万円~1,000万円 21人以上:100万円~1,250万円 (補助率:2/3) |
参考:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分)」
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」にはDXを推進するための「デジタル枠」があり、下記のようなケースに活用できます。ソフトウェアの購入だけでなく、設備投資の費用や外注、専門家への依頼費用なども対象となるところが特徴です。
・DX化を推進するためにソフトウェアや機器、装置などを購入したい
・DX化を推進するために現状の設備を改良した
・DX化を推進するためにアプリ開発などを外注したい
ただし、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」には基本要件があり、下記の3つ全てを満たす3~5年間の事業計画を策定する必要があります。
【ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の基本要件】 ①事業計画期間の与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること(一部適用条件に該当する場合は年 率平均1%以上増加) ②事業計画期間の事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)が毎年地域別最低賃金+30円以上の水準であること ③事業計画期間の事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させること |
参考:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分)」
これに加えて、回復型賃上げ・ 雇用拡大枠やデジタル枠では個別の要件があります。例えば、デジタル枠では独立行政法人情報処理推進機構にDX推進のための自己診断結果を提出するなどの要件も追加されます。
【デジタル枠での追加要件の一部】 ・経済産業省が公開しているDX推進指標を活用して自己診断を実施するとともに自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構に提出していること ・独立行政法人情報処理推進機構が実施する「SECURITY ACTION」の「一つ星」または「二つ星」いずれかの宣言をしていること |
参考:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分)」
基本要件未達の内容によっては補助金の返還を求められることもあるため、基本要件を満たしながらDXを促進していくことが求められます。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | |
対象者 | ・中小企業者 ・特定事業者の一部 ・特定非営利活動法人 ・社会福祉法人 (各定義は募集要項で確認してください) |
スケジュール | 公募期間を確認してください 申請のための公募要領はこちら:公募要領 |
注意点 | ・基本要件を満たす長期的な計画の策定が必要 ・各枠組みの要件を満たす必要がある |
公式サイト | 過去の募集要項:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) 募集要項の概要資料:ものづくり・商業・サービス補助金 |
2-2-1.向いているケース
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、DXの推進に本格的な設備投資をして利益拡大や業務効率化に結びつけたい場合に向いています。従業員数により補助金の上限額は異なるものの比較的大きな額の補助金が給付されるので、基本要件を満たすことができれば幅広い施策に活用できるでしょう。
・本格的に設備投資をして業務効率化や利益拡大につながる環境を整えたい
・現状の設備やソフトウェアを一新してDX化を進めたい
など、高額なコストが懸念点となりDX化が進まない場合に検討してみてください。
2-2-2.活用事例「研削・研磨作業を担うロボット・システム導入」
「三星刃物株式会社」は、140年以上の歴史がある刃物の製造・販売企業です。自社ブランド「和 NAGOMI」の国内販売を開始し関市のふるさと納税の返礼品として採用されたことなどを機に、受注量が大きく伸びました。しかし、持ち手部分の研削・研磨作業を手作業で行っているため時間がかかり、作業工程上の大きなネックとなっていました。
この課題を解決するために「ものづくり補助金」を活用し、研削・研磨作業を担うロボット・システムを導入することにしました。社内で事前の座学や実技の講習を経て運用、評価検証を行いましたが、想定を上回る成果を得られました。本稼働では
・残業を減らすことができた
・効率化によりベテラン技能者が若手の指導に十分な時間を充てられるようになった
・若手陣が自主的にシステム機能の理解を深めたことにより作業における「手の感覚」のデータ化が進み主要現場作業のシミュレーションもできるようになった
など、様々なメリットを生み出せたそうです。ものづくり補助金の申請を通じて自社の置かれた状況を客観的に理解・分析して理論的に改善すべき事象を整理できたことは、非常に有意義な経験となったとも語っています。DXの促進が若手社員の著しい成長にもつながり、好循環も生まれたとのことです。ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の他の事例は、下記からも確認できます。
ものづくり・商業・サービス補助金成果活用グッドプラクティス集
2-3.事業再構築補助金
事業再構築補助金とは新分野展開や事業転換、事業再編など事業再構築に活用できる補助金です。6つの枠組みが用意されていますが、DXで活用できる主な枠組みは下記の2つです。
枠組み | 補助金の対象 | 補助金額 |
成長枠 | 成長分野への大胆な事業再構築への投資(システムや設備の購入費・建物費・外注費など) | 従業員数20人以下:2,000万円以内 従業員数21~50人:4,000万円以内 従業員数51~100人:5,000万円以内 従業員数101人以上:7,000万円以内 (補助率:中小企業1/2・大規模な賃上げを行う場合は2/3 中堅企業1/3・大規模な賃上げを行う場合は1/2) |
産業構造転換枠 | 国内市場縮小等の構造的な課題 に直面している業種・業態が産業構造を転換するための費用(システムや設備の購入費・建物費・外注費など) | 従業員数20人以下:2,000万円以内 従業員数21~50人:4,000万円以内 従業員数51~100人:5,000万円以内 従業員数101人以上 :7,000万円以内 (補助率:中小企業2/3・中堅企業1/2) |
事業再構築補助金は事業再編や事業転換をして、DXを推進したい場合に活用できます。従業員数により受け取れる補助金額に差はあるものの、他の補助金よりも金額が高く設定されています。コンセプト通り、大胆な事業再構築ができるところがメリットです。一例としては、下記のようなケースが該当するでしょう。
・カフェやレストランを行っていたが全国を商圏としてWebサイトで商品販売ができるように事業再編する
・卸売業から一般消費者向けのネット体験型販売サービスに事業転換する
・店舗販売だけでなく全国を商圏としたレンタルサービスを開始する
ただし、事業再構築補助金にも必須要件があり、下記の2つを満たす必要があります。
【事業再構築補助金の必須要件】 ①事業計画を作成して認定経営革新等支援機関の確認を受けること②補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上の増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させること |
この必須要件に加えて、申請枠ごとに追加条件が設けられています。
成長枠 | ①取り組む事業が過去~今後のいずれか10年間で市場規模が10%以上拡大する業種・業態であること ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること | |
産業構造転換枠 | ①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること ②地域における基幹大企業が撤退し市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること |
成長枠も産業構造転換枠も業種・業態の指定があるため、どの業種・業態でも必ず申請できるものではありません。市場動向や補助事業終了後の目標なども細かく設定されているので、事前に確認をしておくようにしましょう。
事業再構築補助金 | |
対象者 | 中小企業 中堅企業 (各定義は募集要項で確認してください) |
スケジュール | 公募スケジュールを確認してください 応募手順はこちら:応募申請 |
注意点 | ・事業計画の承諾など必須要件を満たす必要がある ・各枠組みの要件を満たす必要がある |
公式サイト | 成長枠ページ |
2-3-1.向いているケース
事業再構築補助金は事業再編や事業転換を目的とした補助金です。活用できる条件や業種、業態に制限があるので活用できるケースは限定されますが、補助金額が大きく従業員数が多い企業も対象となっているところが特徴です。
・DXを推進するために新しい事業に取り組みたいと考えている
・業績が縮小しているがDXに取り組みながら事業再編をしたいと考えている
という場合には、活用を検討できるでしょう。
2-3-2.活用事例
「有限会社西部トラベル」は、団体旅行を中心としたオリジナル国内ツアーの企画販売をしている企業です。コロナ渦に団体旅行が減りオンラインツアーを実施したところ参加者の反応がよく、社内にノウハウが蓄積できたそうです。
そこで、県内の祭りの減少や伝統文化の継承の危機などの背景もあり、地域の祭りをテーマにしたオンラインツアーの事業化を開始しました。4K対応カメラやVRなどの最新デジタル技術と、地域の人たちとの交流する機会の双方を提供することで、オンラインでも魅力を感じられるツアーする予定です。
事業再構築補助金を活用しながら、補助事業終了後5年目で新規事業の売上比率30%を目指します。他の事例は下記より参考にできます。幅広い業種が事業再構築補助金を活用しているので、ぜひチェックしてみてください。
2-4.小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みを支援するための補助金です。DXの促進は、主に通常枠が該当します。
枠組み | 補助金の対象 | 補助金額 |
通常枠 | 販路開拓や販路開拓を伴う業務効率化を目的とした取り組みのための費用 (機械装置費や広報費、新商品開発費など) | 50万円 (補助率:2/3) |
参考:小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領」
通常枠は販路開拓や販路開拓を伴う業務効率化など、下記のような目的で活用できます。
・DXを促進するためにネット販売環境を構築する
・倉庫管理システムを導入し業務効率化を図る
・経理・会計ソフトウェアを効率して事務作業の工程削減を図る
補助金の上限額は50万円と少なめではありますが、比較的様々なDXを推進する施策に活用できるところがメリットです。ただし、小規模事業者持続化補助金は小規模事業者を対象としているので、個人事業主や従業員の少ない企業しか活用できません。
【小規模事業者持続化補助金の対象者】 下記に該当する法人または個人事業主商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時雇用する従業員は5人以下 サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時雇用する従業員は20人以下 その他:常時雇用する従業員は20人以下 ※細かな定義は「公募要領」を確認してください |
参考:小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領」
小規模事業者持続化補助金(一般型) | |
対象者 | 小規模事業者に該当する法人または個人事業主 (定義は「公募要領」を確認してください) |
スケジュール | 第14回受付締切:2023年12月12日(火) |
注意点 | ・商工会議所の支援を受けながら取り組む必要がある ・策定した経営計画に基づいて実施する必要がある |
公式サイト |
2-4-1.向いているケース
小規模事業者持続化補助金(一般型)は、業務効率化につながる設備投資に向いている補助金です。小規模事業者のみが対象で補助金額が少なめなので大きな施策はできませんが、業務効率化をスモールスタートしたい場合やできる範囲からDX化を推進したい場合にもおすすめです。
・バックオフィスの業務効率化に取り組むためにソフトウェアを購入したい
・ペーパーレス化を推進するために新しい設備を導入したい
など、DXを推進するうえで業務効率化に関連する設備投資が必要な場合は活用してみるといいでしょう。
2-4-2.活用事例
家具装備品製造業をしている「⻑⼭⼯芸」は、小規模事業者持続化補助金を活用してホームページ制作をしました。住宅や店舗で製品を使⽤しているイメージが流れるホームページの作成とともに、インターネットによる情報発信を強化したそうです。
その結果、デジタル化を推進し新たな販路の開拓へとつなげました。他の事例は下記でも紹介しているので、参考にしてみてください。
3.【人材育成・人材確保向き】DXで使える助成金
続いて、DXを推進するときに活用できる主な助成金をご紹介します。助成金とは、主に雇用に関する費用の一部を給付するための制度です。補助金と比較すると要件をしっかりと満たせば、受給できる可能性が高いです。
補助金・助成金名 | 概要 | 補助金・助成金額 |
キャリアアップ助成金 | 非正規労働者の正社員化・処遇改善の取り組みを助成する制度 | コースにより異なる |
人材確保等支援助成金 (テレワークコース) | テレワーク環境を導入、実施するための助成金 | 支給対象となる経費の20~30%(上限あり) |
DX人材の育成やDX人材の確保に課題がある場合に検討しやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などの非正規労働者のキャリアアップを実現するために、正社員化・処遇改善の取り組みを助成する制度です。7つのコースがあり、それぞれ一定の条件を満たすことで助成金を受け取れます。
キャリアアップ助成金のコース | |
正社員化コース | 有期労働者などを正社員として雇用する |
障害者正社員化コース | 障害のある有期労働者を正社員として雇用する |
賃金規定等改定コース | 有期労働者などの基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額する |
賃金規定等共通化コース | 有期雇用労働者と正規雇用労働者と共通の賃金規定等を 新たに規定して適用する |
賞与・退職金制度導入コース | 有期雇用労働者などを対象に賞与・退職金制度を導入し支給または積立てを実施する |
短時間労働者労働時間延長コース | 有期雇用労働者などの週所定労働時間を延長し、社会保険を適用する |
社会保険適用時処遇改善コース | 有期雇用労働者に社会保険を適用されるのとともに収入をアップさせる |
例えば、正社員化コースは、現在派遣社員や契約社員の労働者を一定の条件を満たして正社員雇用するコースです。中小企業が有期雇用非正規労働者を正社員にした場合、1人当たり57万円(加算ポイントが別途あり)を助成金として受け取れます。
キャリアアップ助成金を活用するには、実施日の前日までにキャリアアップ計画を策定して提出する必要があります。また、正社員として雇用すると同時に助成金を受け取れるのではなく、正社員雇用6ヶ月後の支給審査に合格した場合に支給が決定されるので注意してください。
キャリアアップ助成金 | |
対象者 | 雇用保険適用事業所の事業主など (細かい定義は助成金の案内を確認してください) |
スケジュール | 随時申請受付中 |
注意点 | ・実施日の前日までにキャリアアップ計画を策定して提出しなければならない ・各コースの要件を満たしたうえで実施する必要がある |
公式サイト |
3-1-1.向いているケース
キャリアアップ助成金は、DX人材の確保に活用できる助成金です。例えば、正社員化コースを活用すると、社内で活躍している非正規のDX人材のスキルアップを促しながら正社員として雇用できます。
また、賃金規定等共通化コースや賞与・退職金制度導入コースを活用し労働環境を改善することで、DX人材を確保しやすい基盤を整えることも可能です。
・DX人材が不足しており確保に困っている
・社内の優秀なDX人材を正社員として雇用したいと考えている
という場合には、活用を検討できるでしょう。
3-2.人材確保等支援助成金(テレワークコース)
人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、労働環境の改善や人材確保を目的としてテレワーク環境を導入、実施するための助成金です。テレワークに必要な設備や機器の導入を目的とした「機器等導入助成」とテレワーク導入後の成果を求める「目標達成助成」の2つのタイプがあります。
タイプ | 補助金の対象 | 補助金額 |
機器等導入助成 | テレワークに必要な設備や機器の導入費用 | 支給対象となる経費の30% ※以下の低いほうの金額を上限とする ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円 |
目標達成助成 | ①テレワーク環境を整備した結果評価時離職率が計画時離職率以下である ②評価時離職率が30%以下である (別途評価期間の設定あり) | 支給対象となる経費の20%(賃金要件を満たす場合35%) ※以下の低いほうの金額を上限とする ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円 |
参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」
人材確保等支援助成金(テレワークコース)はテレワークに必要な設備だけでなく、サービスの利用料やレンタル費用、テレワーク研修費用なども対象です。テレワークに関する幅広い投資に活用できるところが特徴です。
一方で、人材確保等支援助成金(テレワークコース)を活用するには、事前にテレワーク実施計画を作成し管轄の労働局の認定を受ける必要があります。また、テレワークの実施頻度やテレワーク促進の取り組みなど評価期間内の条件もあるので事前に実施可能か確認しておくことが大切です。
人材確保等支援助成金(テレワークコース) | |
対象者 | テレワークを新規に導入する事業主 テレワークを試行的に導入している事業主 テレワークを過去に導入していた事業主 (細かい定義は助成金の案内を確認してください) |
スケジュール | 随時申請受付中 |
注意点 | ・事前にテレワーク実施計画を作成し管轄の労働局の認定を受ける必要がある ・各コースの要件を満たしたうえで実施する必要がある |
公式サイト |
3-2-1.向いているケース
人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、多様な働き方に対応できる環境を整えてDX人材が働きやすい環境を整えたい場合に向いています。
例えば、DX人材が業務のできる環境を社内に整えることは難しいかもしれませんが、在宅ワークを受け入れることができればプログラミングやデザイナーなど様々な業種の人材とDXを推進できる可能性があります。
・テレワーク環境を整えてDX人材の雇用を促進したい
・多様な働き方に対応できるようにすることで人材確保につなげたい
という場合は、活用を検討してみるといいでしょう。
4.都道府県・市区町村が実施しているDXに使える助成金・補助金一覧
ここからは、都道府県や市区町村が実施しているDXに使える補助金・助成金を一覧でご紹介します。都道府県や市町村の補助金・助成金には下記のような特徴があり、条件に該当すれば有効活用できます。
【都道府県や市町村の補助金・助成金の特徴】 ・建設業や製造業、小売業など業種に特化した補助金・助成金がある ・都道府県や市区町村の役所や団体などが窓口なので相談しやすい ・国の補助金や助成金と比較すると応募者数が少ない補助金や助成金もあり給付確率が上がる |
事業をしている地域ではどのような助成金があるのか確認して、活用を検討してみてください。
※2023年11月時点での情報です。2023年度の公募は終了している助成金もありますが、来年度も公募がある可能性があるため参考にしてみてください。
都道府県 | 補助金・助成金名 | 概要 |
北海道 | ・中小企業のDXのモデルケースとなる事業を支援する補助金 ・補助金額:700万円以内(補助対象経費の3分の2以内) ※2023年度公募終了 | |
青森県 | ・新商品・新技術・サービスの開発や販路開拓を行う事業への補助金 ・3,000万円が限度(補助率:通常枠1/2・特別枠2/3) | |
・県内産業のDXを牽引する先行モデルを創出するために企業価値を高める新商品・サービス開発やデジタルマーケティング活用費用を支援する補助金 ・補助金額:2件で1,500万円以内(補助対象経費の1/2に相当する額または750万円のいずれか低い額以内の額) ※2023年度公募終了 | ||
秋田県 | ・建設DXの加速化に取り組むことを目的とした該当事業に取り組むための補助金 ・補助金額:上限100万円(補助率:1/2以内) | |
岩手県 | ・水産加工事業者のDX推進による付加価値と給与水準の向上を目的とした補助金 ・補助金額:1,000万円以内(補助率:1/2~1/4) | |
・建築業でデジタル技術を活用できる人材を育成する企業を対象にICT建機の操作研修や講習会の費用支援を目的とした支援事業 ・補助金額:100万円以内※2023年度公募終了 | ||
宮城県 | ・デジタル化に向けた相談対応や生産性向上を目的としたデジタル化の取り組みを支援する事業 ・補助金額:最大250万円(コースにより異なる) | |
山形県 | ・中小企業のDXの推進による生産性向上やインボイス制度への対応を目的とした補助金 ・補助金額:10~200万円以内(補助率:1/2以内) ※2023年第二次公募終了 | |
・農林漁業者などがECモールに出店するための支援を目的とした補助金 ・補助金額:20万円以内(補助対象経費の1/2以内) | ||
福島県 | ・デジタルツールやシステム等の導入経費などDX推進に必要な経費の一部を負担する補助金 ・補助金額:50万円以内(補助対象経費の2/3以内) | |
・建設DXを進めるためにデジタル技術を活用できる人材育成、定着を目的とした補助金 ・補助金額:50万円以内(補助対象経費の1/2以内) | ||
栃木県 | ・事業戦略の策定やマーケティング戦略の見直しを目的としたデータ利活用に関する補助金 ・補助金額:100万円以内(補助対象経費の1/2以内)※2023年度公募終了 | |
茨城県 | ・資格取得やスキルアップのための教育研修費を目的とした補助金 ・補助金額:10万円(補助率:1/2) | |
・常陸太田市内に事業所を有する中小企業者を対象にデジタル技術を活用した販路開拓や生産性向上などを支援する補助金 ・補助金額:20万円以内(例外あり)(補助対象経費の2/3) | ||
・従業員がITパスポートなどの試験を受けるための費用を支援する補助金 ・補助金額:従業員1名の上限額は下記のとおり(その他制限あり)ITパスポート試験:27,500円 ・DS検定試験:51,000円 ・G検定試験:73,200円 | ||
群馬県 | ・DXを推進する革新的な技術・製品開発などの支援を行う補助金 ・補助金額:500万円以内(補助対象経費の1/2以内) | |
埼玉県 | ・デジタル技術を活用しての利便性向上や活性化を目指す商店街を対象にDXを推進する取り組みを支援する補助金 ・補助金額:500万円以内(補助率:2/3以内) | |
・デジタル技術を活用したサービスや製品の開発などにかかる費用を支援する補助金 ・補助金額:50~150万円(補助対象経費の1/2以内)※第7回公募終了 | ||
・即戦力となるデジタル人材を確保する費用の一部支援を目的とした補助金 ・補助金額:150万円以内(補助率:人材紹介手数料の1/2以内) | ||
東京都 | ・都内中小企業が従業員を対象に実施するDXに関する職業訓練を支援する助成金 ・助成金額:64万円以内(助成対象経費の2/3) | |
今後市場拡大が期待される産業分野を対象にDX推進などに必要な機械設備などを購入するための助成金 ・助成金額:企業規模や事業内容により変動する | ||
千葉県 | ・県内中小企業のデジタル技術を活用した取り組みを対象とした補助金 ・補助金額:1,500万円以内(下限額100万円)(補助対象経費の4/5以内)※2023年公募終了 | |
神奈川県 | ・県内製造業などのDX促進を目的にデータとデジタル技術を活用した開発プロジェクト・改良プロジェクトへの補助金 ・補助金額開発プロジェクト:1,000万円以内 改良プロジェクト:500万円以内 ※2023年公募終了 | |
・中小企業が生産性向上を目的としたデジタル化を行うために必要な費用を対象とした補助金 ・補助金額:100万円以内(下限額30万円)(補助率:1/2)※2023年公募終了 | ||
新潟県 | ・バックオフィス業務のDXを推進する建設業者の取り組みを支援する補助金 ・補助金額:50万円(補助対象経費の1/2以内) | |
・企業がデジタル化を推進するための製品やサービスの開発・実証事業に必要な費用を対象とした助成金 ・助成金額:500万円以内(助成対象経費の1/2以内)※2023年公募終了 | ||
長野県 | ・DX推進計画の推進に必要なシステムの導入費用などの支援を目的とした補助金 ・補助金額:500万円以内(補助対象経費の1/2以内)※2023年公募終了 | |
・市内製造業が生産性向上や受注開拓、人手不足の解消などを目的にITツールの導入をする費用を対象とした補助金 ・補助金額:30万円以内(補助率:1/2以内) | ||
山梨県 | ・宿泊施設の業務効率化や生産性向上を目的にDXを推進するための費用を対象とした補助金 ・補助金額:100万円以内(補助対象経費の2/3)※2023年公募終了 | |
静岡県 | ・中小企業が経営の効率化または生産性の向上を目的にデジタル活用をするときの費用を対象とした補助金 ・補助金額:50万円以内(補助対象経費の2/3)※2023年公募終了 | |
・市内の中小企業などのDX促進を目的とした補助金 ・補助金額:250万円以内(設備備品費のうち購入に要する経費:150万円以内・それ以外の経費:100万円以内)(補助対象経費の1/2) | ||
富山県 | ・建設産業の働き方改革や生産性向上の取り組みを推進するための費用を対象とした補助金 ・補助金額:50万円以内(補助対象経費の1/2以内) | |
石川県 | ・DX(デジタル化)に向けた設備・システム投資の支援を目的とした補助金 ・補助金額 FS調査枠:100万円以内(下限額30万円) 連携枠:1,000万円以内 個別枠:600万円以内(下限額200万円) (補助率は枠組みにより異なる) | |
福井県 | ・デジタルツールを活用した業務効率化や生産性向上、業務等の変革を図り業務上の優位性を確立する取り組みを支援する補助金 ・補助金額一般枠:400万円以内 トライアル枠:100万円以内 (補助率:1/2・小規模事業者は2/3) ※2023年公募終了 | |
岐阜県 | ・DX人材の獲得や活用にかかる費用を対象とした補助金 ・補助金額・DX人材獲得事業:1人につき100~200万円 ・DX人材活用事業:1人につき50~100万円 | |
・商店街のオンライン事業やキャッシュレス化などDX促進を目的とした補助金 ・補助金額:1,000万円(下限額100万円)(補助対象経費の2/3以内) | ||
愛知県 | ・DXを推進するためのデジタルツールやサービスの導入などを対象とした補助金 ・補助金額:100万円以内(下限額30万円)(補助率:中小企業:1/2以内・小規模事業者:2/3以内) ※2023年公募終了 | |
・デジタル技術を活用した販路開拓や生産性向上を実現するための費用を対象とした補助金 ・補助金額通常枠:100万円以内(下限額10万円・補助率:1/2以内) ロボット枠:500万円以内(下限額10万円・補助率:1/4以内) | ||
三重県 | ・情報処理に関する基礎知識を習得していることを証明するITパスポート試験に合格するための費用を一部負担する補助金 ・補助金額:5,000円以内(補助対象経費の2/3) | |
滋賀県 | ・DXを推進するための設備投資や人材育成の費用を対象とした補助金 ・補助金額:環境整備・人材育成:100万円以内(補助対象経費の1/2)※2023年公募終了 | |
・DXを推進する中小企業が設備投資や人材育成などの費用を対象とした補助金 ・補助金額:50万円以内(補助対象経費の10/10)※2023年公募終了 | ||
京都府 | ・産業競争力強化やDXなどの成長促進につながる取り組みを支援することを目的とした補助金 ・補助金額:事業内容に応じて10~50万円以内 | |
・市内の商店街や団体などのキャッシュレス化・デジタル化の普及・促進につながる取り組みを支援する補助金 ・補助金額専門家による研修事業:30万円以内(補助率:2/3) それ以外の該当事業:100万円以内(補助率:1/2) ※2023年公募終了 | ||
和歌山県 | ・Webサイトなどの作成・改良などを支援する補助金 ・補助金額:50万円以内 (補助率:1/2以内) | |
・業務効率化や経営管理体制の強化を目的としたシステム導入を支援する補助金 ・補助金額:500万円以内(補助対象経費の1/2)※2023年公募終了 | ||
奈良県 | ・建設業者がDX促進を目的とした機器を導入するための費用を支援する補助金 ・補助金額:50万円(補助率:1/2以内) | |
大阪府 | (八尾市・新事業展開、IT・DX化推進枠) | ・IT化やDX化を推進するための費用を支援する補助金 ・補助金額:区分1:10万円以内 区分2:250万円以内 (補助対象経費の1/2) |
兵庫県 | 中小企業新事業展開応援事業(デジタル化・省人化枠) | ・デジタル化・省人化を目的とした設備投資を支援する補助金 ・補助金額:補助対象経費区分に応じて35~75万円以内 ※2023年公募終了 |
・電子商取引やキャッシュレス決済などのデジタル技術を活用した設備投資を支援する補助金 ・補助金額:1メニューにつき10万円以内(補助率:2/3) | ||
鳥取県 | ・IoTやビッグデータ分析、5Gなどの先端技術を活用した事業を支援する補助金 ・補助金額:1,000万円以内(補助率:1/2)※2023年公募終了 | |
・新たな製品・技術・サービスの開発や技術革新にかかる費用を支援する補助金 ・補助金額:支援コースによって異なり100~500万円以内 | ||
岡山県 | ・IoTやAI、ロボットなどの先端技術を活用のための費用を支援する補助金 ・補助金額:150万円以内(補助率:1/2) | |
島根県 | ・県内産業のデジタル導入の促進を目的にハードウェアやソフトウェアの導入を支援する補助金 ・補助金額:ハードウェア・ソフトウェアの合計が150万円以内(下限額15万円)(補助率:ハードウェア1/3・ソフトウェア1/2以内) ※2023年公募終了 | |
・県内の中小企業者のモデルとなるデジタル技術を導入・実証する事業の取り組みを支援する補助金 ・補助金額 導入型:5,000万円以内(下限額1,000万円)実証型:1,000万円以内(下限額100万円) (補助率:ハードウェア1/3・ソフトウェア1/2以内) | ||
広島県 | ・デジタル技術活用して生産性の向上などを行い観光産業におけるDX推進の基盤を整備するための費用を支援する補助金 ・補助金額:300万円以内(補助対象経費の4/5) ※2023年公募終了 | |
・デジタル技術によりサービスの自動化や作業の効率化を目指す設備投資の費用を支援する補助金 ・補助金額:100万円以内(補助対象経費の1/2) | ||
山口県 | ・デジタル技術を活用した生産性向上や既存ビジネスの変革などを行うための設備投資を支援する補助金 ・補助金額:50万円以内(補助率:1/2) | |
・DX推進を目的とした研修などの費用の一部を負担する補助金 ・補助金額:一般型・外部講師招へい型:1社につき150万円以内(補助率:3/10以内) | ||
香川県 | ・かがわDX Lab会員が実施する実証研究に要する経費の一部を支援する補助金 ・補助金額:1,000万円 | |
徳島県 | ・生産工程自動化やITツール導入による生産性向上や収益構造の強化を目指す取り組みを支援する補助金 ・補助金額コスト削減枠:50万円以内(補助率:1/2) 価値創出枠:200万円以内(補助率:2/3) ※2023年公募終了 | |
高知県 | ・生産性向上につながるITツール導入や新しい価値を創出するデジタル化事業を支援する補助金 ・補助金額: 一般枠:450万円以内(下限額5万円・補助率:1/2以内) デジタル化加速枠:1,000万円以内(下限額100万円・補助率:2/3以内) ※2023年公募終了 | |
愛媛県 | ・DX実践に向けた知識、技能の習得やデジタルリテラシーの向上など社員のリスキリングを目的とした経費を支援する補助金 ・補助金額:1社につき45万円以内(補助対象経費の1/2) | |
・県内のDX推進を図るためにDXを牽引する先行モデルを創出する目的で設備投資などを支援する補助金 ・補助金額:1,500万円以内(補助対象経費の2/3)※2023年公募終了 | ||
福岡県 | ・デジタル技術の活用、促進による生産性向上を目的とした取り組みを支援する補助金 ・補助金額大規模支援:1,000万円以内(補助率:1/2) 小規模支援:150万円以内(補助率:1/2) | |
(久留米市) | ・久留米市中小企業DX促進診断事業で提案を受けて実施する取り組みを支援する補助金 ・補助金額:20万円以内(機器購入費は補助上限額10万円)(補助率:1/2) | |
大分県 | ・ICT建設機械の施工に必要な機器導入を支援する補助金 ・補助金額:100万円以内(補助率:1/2) | |
・県内中小製造業の生産性や付加価値の向上のためにデジタル技術を活用したシステム・機器などの導入を支援する補助金 ・補助金額IoT化に向けた取り組み:250万円以内 AI化、ロボット化に向けた取り組み:500万円以内 (補助率:1/2)※2023年公募終了 | ||
佐賀県 | ・建設現場の生産性向上を目指しICT活用工事に必要な機器を導入する費用を支援する補助金 ・補助金額ICT建設機械等の購入に要する経費:対象経費に応じて200~300万円以内(補助率:2/3) 操作研修に要する経費:5万円以内(補助率:2/3) ※2023年公募終了 | |
宮崎県 | ・効率化や省力化などの生産性向上につながるデジタル技術等の導入や、経営の変革につながる先駆的なDXの取組を支援する補助金 ・補助金額:補助対象事業により異なる(補助率:1/2)※2023年公募終了 | |
・産業DXサポートセンターの支援を受けている県内事業者のDX推進に向けた取り組みを支援する補助金 ・補助金額:50万円以内(補助率:2/3) | ||
熊本県 | ・「くまもとDX推進コンソーシアム」の参加企業のデジタル技術を活用した取り組みを支援する補助金 ・補助金額:500万円以内※2023年公募終了 | |
鹿児島県 | ・DXの推進に向けたITツール導入や社内デジタル人材の育成などの支援を目的とした補助金 ・補助金額:補助金額:補助対象事業により異なる※2023年公募終了 | |
長崎県 | ・生産性向上や業務効率化に向けたデジタル人材育成やITツール導入を支援する補助金 ・補助金額:10~100万円以内(補助率:2/3以内)※2023年公募終了 | |
沖縄県 | ・生産性向上を目指すDXの取り組みを支援する補助金 ・補助金額:1,000万円以内(補助率:9/10)※2023年公募終了 |
5.DXで使える補助金・助成金を活用するときの注意点
ここまで見てきたように、DXを推進するときに活用できる補助金は幅広く用意されています。補助金・助成金を活用したいと思ったら、まずは下記の3つの注意点を理解しておきましょう。
注意点を知らずに補助金・助成金の申請に進むと、思ったような資金繰りができなくなる可能性があります。補助金・助成金のメリットを最大限活用するためにも、参考にしてみてください。
DXで使える補助金・助成金を活用するときの注意点 |
・基本的には該当事業完了後にしか補助金・助成金を受け取れない ・申請時の事業にしか使用できない ・補助金・助成金の採択に向けて計画的に進める |
5-1.基本的には該当事業完了後にしか補助金・助成金を受け取れない
補助金や助成金は、基本的には該当事業が終了し適正な事務処理を行った後にしか受け取ることができません。例えば、300万円の補助金の受給対象になった場合、300万円を受け取れるのは該当事業が適正に行われて問題なく完了し報告書などの提出を終えた後です。事業を実施するタイミングでは手元に300万円はないので、企業側で用意しなければならないことを把握しておきましょう。
補助金や助成金により受け取りができるタイミングや時期は大きく異なりますが、一例として「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の補助金を受け取るまでの流れは下記のとおりです。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の補助金を受け取るまでの基本的な流れ | |
---|---|
①交付申請 | 交候補に選定された後に補助金の使い道が明確に分かる見積書や事業計画を送付する |
②補助事業開始 | 補助金を使用する事業を開始する |
③遂行状況報告 | 決められた期間まで経費明細書や報告書を作成し途中経過を報告する 遂行状況報告とは別に現地調査をする中間監査を受けることもある |
④実績報告 | 補助事業終了時に指定のフォーマットで報告書を提出する |
⑤確定監査 | 担当者が事業者を訪問し設備や書類の確認をする(中間監査がある場合は省略するケースもある) 確定検査で承認されると補助金の振り込み手続きに進める |
⑥精算払請求 | 補助金の振り込み手続きに進めた場合は事務局へ振り込みの依頼をする 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の場合は補助金を受け取った後も5年間「事業化状況・知的財産権等報告書」を提出しなければならない |
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の場合は、補助事業終了後に報告書や監査を実施し、問題がなければ補助金の振り込み手続きへと進めます。補助事業の内容によっては数年間かけて実施するケースもあるので、事前に補助金や情報の支払いのタイミングや手順を確認しておきましょう。
5-2.申請時の事業にしか使用できない
補助金や助成金は、申請時に記載した事業内容にしか使用できません。例えば、小規模事業者持続化補助金を「ECサイトの構築」を目的として申請したのにも関わらず、他の設備購入や広告宣伝などの費用に使用することはできません。
どうしても申請後に補助金や助成金の使い方を変更したい場合は補助金や助成金の事務局などに相談をして承諾を受ければ可能となるケースもあるため、自己判断しないで相談をするようにしましょう。
また、補助金や助成金によっては、必須要件を用意していることがあります。例えば、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の場合は、あらかじめ設定されている要件を守れないと補助金の返還が求められるケースがあります。
【基本要件未達の場合の返還義務】 <給与支給総額の増加目標が未達の場合> ・補助事業を完了した事業年度の翌年度以降、事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合は、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求めます。 |
出典:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分)」
申請時の要件や事業はしっかりと守り、補助金や助成金のルールに従って実施することが大切です。
5-3.補助金・助成金の採択に向けて計画的に進める
補助金や助成金の申請をするときには事業計画やDXを推進するための具体的な取り組み、必要な設備などを提出するケースが多いです。「補助金があるから活用したい」「助成金があるから何か取り組みを始めたい」と補助金や助成金ありきで、急いで準備をすることはなかなか難しく失敗につながる可能性があります。
【補助金や助成金の準備を急いで行い失敗するケースの一例】 ・DXを推進したときの全体像が掴めておらず資金投資するべき部分を誤った ・申請した費用だけではDXを推進することが難しかった ・無計画で開始したため採択されてから手間と労力がかかった |
自社の課題やDXを推進するためのポイントを理解したうえで補助金や助成金を活用できればいいですが、無計画の場合は補助金や助成金を最大限に活用できないことも考えられます。まずは、自社のDXの方向性や計画、課題を認識したうえで、必要な補助金や助成金を検討し計画的に進めることが重要です。
6.DXで使える補助金や助成金を申請する手順
最後に、DXを推進するときに活用できる補助金・助成金を申請する手順をご紹介します。補助金・助成金は国や都道府県、地方公共団体などが運営しており、運営先によって申請手順が大きく異なります。この記事で一般的な流れを掴み、細かなスケジュール・要件は各補助金・助成金の内容に従ってください。
6-1.自社に合う補助金・助成金を選択する
まずは、募集要項や必要書類を確認しながら申請したい補助金・助成金を選択します。「1.DX導入時に活用できる代表的な補助金・助成金一覧」や「4.都道府県が実施しているDXに使える助成金・補助金一覧」で触れたように、補助金や助成金には様々な種類があります。主に下記のポイントを確認しながら、自社に合う補助金・助成金を選択しましょう。
【補助金・助成金のチェックポイント】 ・対象者(企業の規模や業種、業態など) |
特に見落としがちなのは、採択後のスケジュールです。補助金によっては、採択後一定期間内で事業を開始し成果を出す必要があります。実現可能なスケジュールか確認しながら、選択するようにしましょう。
【DXを推進する補助金・助成金は複数申請できる?】 DXを推進する補助金・助成金の複数申請ができるかどうかは、補助金・助成金のルールにより異なります。他の補助金と併用できない補助金や過去に採択されている場合は一定期間申請できない補助金などもあります。申請したい補助金・助成金の募集要項を確認して、進めるようにしましょう。 |
6-2.申請先に必要書類を提出する
申請したい補助金・助成金が決まったら、必要書類を作成して期日までに申請します。必要な書類は補助金・助成金により大きく異なるため、公式サイトや公募要領を確認しながら揃えるようにしてください。
補助金によっては申請前に指定機関の承諾や確認が必要なケースがあります。例えば、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」のデジタル枠は、応募締め切り日までに経済産業省が公開しているDX推進指標を活用した自己診断結果を独立行政法人情報処理推進機構に提出しなければなりません。
このように、助成金・補助金によっては必要書類の作成や必要な手続きに時間がかかる可能性があるので、ゆとりを持って準備するといいでしょう。
6-3.採択事業者が決定する
補助金・助成金の申請をすると、採択事業者が決定します。採択までの期間は補助金・助成金により大きく異なるため一概には言えません。公式サイトや募集要項のスケジュールを見て、決定期間を把握しておくといいでしょう。
採択事業者に選ばれた場合は、補助金・助成金のスケジュールに沿って事業を進めていきます。不採択の場合は、補助金・助成金を受け取れません。他の補助金・助成金にチャレンジするなど、他の方法を検討しましょう。
6-4.補助金・助成金の受給申請をする
補助金・助成金の対象となる事業が完了したら、完了報告書や経費明細書などの指定書類を提出します。補助金・助成金の事務局が書類を確認し承諾されると、受給手続きに進みます。金銭の受け取り方法や申請方法は補助金・助成金により大きく異なるので、確認しながら進めるといいでしょう。
また、補助金の対象となった領収書などの証拠書類は、補助事業の終了後5年間保管しておく必要があるので注意してください。
今回ご紹介した補助金・助成金の流れは、あくまでも一例です。補助金・助成金は実施している機関や団体、実施内容により手続き手順が大きく変わるため、募集要項を確認して進めるようにしてください。
7.まとめ
いかがでしたか?DXを推進するときに活用できる補助金・助成金が分かり、現状に応じて使えそうな補助金・助成金が見つかったかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇2023年時点でDXの推進に使える代表的な補助金は次の4つ
補助金・助成金名 | 概要 |
IT導入補助金 | 主にITツール・ソフトウェアの導入に使える補助金 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 中小企業が経営革新を行うために必要な設備投資等に使える補助金 |
事業再構築補助金 | 新分野展開や事業転換、事業再編など事業再構築に活用できる補助金 |
小規模事業者 持続化補助金 (一般型) | 小規模事業者の販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みを支援する補助金 |
〇2023年時点でDXの推進に使える代表的な助成金は次の2つ
補助金・助成金名 | 概要 |
キャリアアップ助成金 | 非正規労働者の正社員化・処遇改善の取り組みを助成する制度 |
人材確保等支援助成金 (テレワークコース) | テレワーク環境を導入、実施するための助成金 |
〇DXで使える補助金・助成金を活用するときの注意点は次の3つ
・基本的には該当事業完了後にしか補助金・助成金を受け取れない
・申請時の事業にしか使用できない
・補助金・助成金の採択に向けて計画的に進める
DXは国や各都道府県も力を入れている取り組みなので、様々な補助金・助成金が用意されています。DXを推進するためにも、自社に合う補助金・助成金の活用が検討できるようになることを願っています。