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【2024年最新】DX人材5つの役割と必要なスキル・獲得する方法

【2024年最新】DX人材5つの役割と必要なスキル・獲得する方法

目次

「DXを推進するときに必要なDX人材は?どのような業務を担う人材なのか知りたい」

「DX人材はどのように獲得するの?DX人材が不足していて困っている」


DXを推進するときに欠かせない「DX人材」。必要だとは思っていてもどのような業務を担うのか、どのように獲得するのか分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。


そもそもDX人材とはDXを推進するための技術や知識を持った人材のことで、下記の5つの役割を担います。


 

DX人材の役割

仕事の概要

マネジメント

目的設定や実現方法などを検討しながらDXを推進するプロジェクトを進行管理する人材

デザイン

ビジネスの視点とユーザーの視点を総合的に捉えてDXを推進するためのデザインを担当する人材

データの利活用

データの活用領域を中心にDXの推進を担う人材

ソフトウェア設計・実装

デジタル技術を活用した製品・サービスに必要なソフトウェアの設計・実装・運用を担当する人材

セキュリティ対策

DXを推進するうえでサイバーセキュリティ対策を担う人材


ビジネスアーキテクトはDXを推進するための目的設定やマネジメントを、デザイナーはDXのデザインに関する業務をといったように、それぞれのDX人材が専門性の高いスキルを持っているところが特徴です。DX人材を獲得するには下記の4つの方法があり、DXの計画やコスト、獲得したいDX人材により適切な方法を選択できます。


 

DX人材を獲得する方法

社内で育成する

社内で研修や講座を行う・配置転換を行うなどをして社内の人材からDX人材を輩出する方法

新卒採用する

新卒採用でDX人材を獲得する方法

将来的に自社のDXをリードする人材を確保したいときに向いている

中途採用する

中途採用でDX人材を獲得する方法

DXを推進ための即戦力を探している場合に向いている

外注する

パートナー企業やフリーランスなどに依頼してDXを推進する方法

DX人材の業務内容や必要なスキル、獲得方法を理解して、自社のDX推進にはどのようなDXが必要なのか明確にすることが大切です。そこでこの記事では、DX人材の役割や必要なスキル、獲得方法をまとめて解説していきます。とくにDX人材については必要なケースを踏まえて解説しているので、自社に必要なDX人材かどうかを判断できます。


【この記事を読むと分かること】

・DX人材とは

・【デジタルスキル標準】DXを推進する人材の役割

・DX人材に必要な6つのスキル

・DX人材を獲得する4つの方法

・DX人材育成の取り組み事例

・【資料から読み解く】DX人材を獲得するときの3つのポイント


この記事を最後まで読めばDX人材の役割や獲得方法が理解でき、自社のDX推進に必要な人材の獲得を検討できるようになります。DXを推進するうえで人材は要となる部分なので、ぜひ参考にしてみてください。


1.【DX人材とは?】DXを推進する人材の役割

DX人材とは、DXを推進するために必要なスキルと技術がある人材を指します。DXを推進するときには、基本的には全社員がDXに関する理解と基礎知識を習得している必要があります。そのうえで自社の目的や課題を解決するために、データ利活用やソフトウェアの開発など専門性の高いスキルを持った人材を獲得しなければなりません。


独立行政法人情報処理推進機構では、DXを推進するための人材として下記の5つの役割を定義しています。


出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX推進スキル標準(DSS-P)概要」


   

DX人材

主な役割

重要度

概要

ビジネス

アーキテクト

マネジメント

必ず必要

目的設定や実現方法などを検討しながらDXを推進するプロジェクトを進行管理する人材

デザイナー

デザイン

プロジェクト内容に応じて必要

ビジネスの視点とユーザーの視点を総合的に捉えてDXを推進するためのデザインを担当する人材

データサイエンティスト

データの利活用

プロジェクト内容に応じて必要

データの活用領域を中心にDXの推進を担う人材

ソフトウェア

エンジニア

ソフトウェア設計・実装

プロジェクト内容に応じて必要

デジタル技術を活用した製品・サービスに必要なソフトウェアの設計・実装・運用を担当する人材

サイバー

セキュリティ

セキュリティ対策

必ず必要

DXを推進するうえでサイバーセキュリティ対策を担う人材


例えば、DXを推進するときに下記のようにDX人材を配置します。


【データの利活用をするためのソフトウェアの開発をする場合】

・ビジネスアーキテクト:目的設定や進行管理などのプロジェクトのマネジメントを行う

・データサイエンティスト:データを利活用するための具体的な戦略の策定を行雨天現在社内にあるデータの収集や解析を行う

・ソフトウェアエンジニア:目的設定に沿ったソフトウェアの設計や実装、運用を行う

・セキュリティ対策:ソフトウェアを運用するうえでのセキュリティ対策を行う


【顧客に新しい価値を提供するアプリケーションの開発をする場合】

・ビジネスアーキテクト:目的設定や進行管理などのプロジェクトのマネジメントを行う

・データサイエンティスト:社内のデータを収集・解析してユーザーのニーズを明確にする

・デザイナー:ユーザー理解をしたうえで新しい価値の創出につながるアプリケーションのデザインを行う

・ソフトウェアエンジニア:目的設定に沿ったアプリケーションの設計や実装、運用を行う

・セキュリティ対策:アプリケーションを運用するうえでのセキュリティ対策を行う


例えば、DXを推進するためにデータの利活用ができるソフトウェアの開発を行うとしましょう。まずは、DXを推進するプロジェクトのマネジメントを行う人材としてビジネスアーキテクトが必要です。そして、データの利活用のプロフェッショナルであるデータサイエンティストとソフトウェアの開発、設計を担当するソフトウェアエンジニアもアサインする必要があります。


このように、5つの領域のDX人材をベースに、取り組み内容に応じたDX人材をアサインしてチームを組みDXを推進していくことが一般的です。


まずは、独立行政法人情報処理推進機構が公表している「デジタルスキル標準」に沿って、DX人材の5つの役割と業務内容を詳しく解説していきます。DX人材にはどのような業務を任せられるのか把握できるので、ぜひ参考にしてみてください。


【DX人材不足は深刻化している!今こそDX人材の獲得が必要】

現在、日本ではDXを推進するDX人材不足が深刻化しています。独立行政法人情報処理推進機構が調査している「DX白書2023」を見ると、DX人材が大幅に不足していると回答している企業は49.6%にのぼります(2022年度調査)。つまり、DXを推進している約2社に1社がDX人材不足に陥っているのです。

DXを推進するには専門的な知識を持ったDX人材の力が必要不可欠です。DX人材の定義を理解して、自社に必要なDX人材を獲得できるようにしましょう。


参考:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023」

1-1.ビジネスアーキテクト

ビジネスアーキテクトは、目的設定や実現方法などを検討しながらDXを推進するプロジェクトを管理進行する人材のことです。アーキテクトとには「設計者」という意味があり、DXを推進するビジネスを設計し責任を持って進める人物像を指しています。


【ビジネスアーキテクトの定義】

DXの取組み(新規事業開発/既存事業の高度化/社内業務の高度化・効率化)において、ビジネスや業務の変革を 通じて実現したいことを設定したうえで、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する人材 

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


DXを推進するには課題に応じて、専門的な技術やスキルを持つ人材が必要です。しかし、技術者が足並みを揃えながらプロジェクトを達成するには、協働関係の構築やタスク管理、ルールの策定など全体を管理する人材が必要です。ビジネスアーキテクトは目的の実現に責任を持ち、リーダーシップを発揮しながら全体をまとめる役割を担います。


ビジネスアーキテクトに求められる主なスキルは、マネジメント力とビジネスモデルの設計力です。例えば、DXの目的や事業計画を策定し、必要な人材をアサインするマネジメント力は欠かせません。また、DXを推進するに必要な製品やツールを見極め、要件定義やルールを作成するビジネスモデルの設計力も問われます。


ビジネスアーキテクトが活躍するシーンはDXの推進方法により大きく異なりますが、一例として下記のような業務を担いDXの推進をサポートします。


 

業務内容

ビジネスアーキテクトが行う業務の一例

新規事業開発

・目的を定義したうえでビジネスモデルやビジネスプロセスを設計する

・活用する技術や手法・ツールの選定を行う

・導入する手法・ツールの検証を行いながら、要件の詳細化やルール設定を行う

・ツール導入後のフィードバックを参考にしながら収益性を向上する施策を継続して行う

・関係者全体の進行管理(必要な人材のアサイン・チームの組成・タスクの割り振りなど)を行う

既存事業の高度化

・現状を分析し目的を実現するためのビジネスプロセスの設計・ツール選定などを行う

・既存事業で使用しているツールや手法の有効性を検証して事業計画を見直す

・既存事業を高度化した後の状況をモニタリングして収益性を向上する施策を継続して行う

・関係者全体の進行管理(必要な人材のアサイン・チームの組成・タスクの割り振りなど)を行う


DXを推進するための新規事業を行う場合は、ビジネスアーキテクトが中心となりビジネス戦略を策定します。そして、必要な人材のアサインや進行管理、タスクの割り振りなどを通じて協働関係の構築を行い、DXを推進する事業開発を進めます。


新しいツールやシステムの導入後にはモニタリングを実施し、目的を達成できるように改善を重ねます。

このように、ビジネスアーキテクトはDX推進全体を管理するマネージャーとしてなくてはならない人材です。


 

ビジネスアーキテクト

定義

目的設定や実現方法などを検討しながらDXを推進するプロジェクトを管理進行する人材

主な業務

・DXの目的を定義してビジネスモデルやビジネスプロセスを設計する

・DXを推進するプロジェクトの進行管理をする

・必要な人材のアサイン・チームの組成・タスクの割り振りなどのマネジメント業務を行う

とくに必要なスキル

・マネジメント力

・ビジネスモデルの設計力

・データ活用力

・マーケティング・ブランディング力

1-1-1.ビジネスアーキテクトが必要なケース

ビジネスアーキテクトはDXを推進するプロジェクト全体の進行管理を担うので、DXに取り組むときにはなくてはならない人材です。とくに社内にDXのビジネスプロセス設計に詳しい人材やDXの推進に携わったことがある人材がいない場合は、ビジネスアーキテクトの力が必要です。


・DXをどのように推進すればいいのか分からない

・DXを推進したいプロジェクトの進行管理を任せられる人材がいない

・DXを推進したいプロジェクトに携わる人材との連携がうまくできない


という場合は、ビジネスアーキテクトの力を借りながらDXを推進するといいでしょう。

1-2.デザイナー

デザイナーは、ビジネスの視点とユーザーの視点を総合的に捉えてDXを推進するためのデザインを担当する人材です。


【デザイナーの定義】

ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点等を総合的にとらえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを策定し、それらに沿った製品・サービスのありかたのデザインを担う人材

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


デザインに求められる役割はおしゃれなデザインだけでなく、新しい価値の創造や問題解決の手段に変化しつつあります。DXを推進するうえではデザインを通じてビジネスの変革をサポートする役割を担います。


例えば、アプリケーションを開発するときに企業の視点を重視し過ぎると、コストや収益性を意識したデザインになりがちです。デザイナーはユーザーの視点や使いやすさなどを踏まえてビジネスの変革につながるデザインを行います。DXを推進するときには目的に応じて、下記の3つのタイプのデザイナーが必要です。

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


  

種類

とくに必要なスキル

業務内容

サービスデザイナー

・ビジネス戦略の策定力

・ユーザー理解

・デザイン設計・定義

・ユーザー視点での検証力

・市場調査やユーザー調査を踏まえて自社のサービスや商品の課題を見つけて顧客に提供する価値を定義する

・顧客に提供する価値に基づいたデザインを行う

・仮説検証や導入を経て改善を重ねて顧客に価値提供ができているか確認する

UX/UIデザイナー

・ユーザー理解

・デザイン設計・定義

・ユーザー視点での検証力

・デザイン技術

・顧客に提供する価値に基づきユーザーの行動や考え、感情をデザインに落とし込む

・製品やサービスのコンセプトをもとに仕様やガイドラインを作成しユーザーにとって心地よい体験につながるデザインを行う

・導入検証やマーケティング施策と連携しながら改善を行う

グラフィックデザイナー

・デザイン技術

・マーケティング

・ブランディング

・ブランドのイメージを具現化できるデザインを行う


例えば、DXを推進するうえでアプリケーションの開発をするとしましょう。サービスデザイナーは市場調査やユーザー調査を踏まえて、顧客に提供するデザインを行います。UX/UIデザイナーは、顧客の使いやすさやアプリケーションのコンパクトを踏まえて、DXを推進できるデザインを行います。デザイン内容によってはグラフィックデザイナーも関わりながら、価値創造や問題解決の手段となるデザインに仕上げていきます。


このように、DXを推進するうえでデザイナーは、ユーザーと企業の意図を汲みながらデザインを通して新しい価値の創出や課題の解消を担います。


 

デザイナー

定義

ビジネスの視点とユーザーの視点を総合的に捉えてDXを推進するためのデザインを担当する人材

主な業務

・サービスデザイナー:顧客に提供する価値に基づいたデザイン作成・検証

・UX/UIデザイナー:顧客に提供する価値に基づいたデザインの作成

・グラフィックデザイナー:ブランドのイメージを具現化できるデザインの作成

とくに必要なスキル

・デザイン技術

・ユーザー理解

・デザイン設計・定義

1-2-1.デザイナーが必要なケース

デザイナーは、DXを推進するうえで必要なツール・アプリケーションなど開発するときに欠かせない人材です。例えば、DXを推進するうえでWebサイトとアプリケーションを導入することになったとしましょう。デザイナーが不在の状況では、顧客に価値を提供できるデザインが難しくなります。


【顧客に価値を提供できるデザインの一例】

・視覚的に見やすくブランドイメージや企業イメージが直感的に伝わる

・分かりやすいデザインで顧客が迷うことなく操作できる

・子どもからお年寄りまで理解しやすい(ユニバーサルデザイン)


そこで、知識や経験のあるデザイナーが携わることで、専門的な視点を踏まえながらDX推進につながるデザインができます。


・アプリケーションやWebサイトなどデザインが必要となるプロジェクトを推進したい

・社内にDXを推進するデザインに特化した人材がいない


という場合には、デザイナーが必要となるでしょう。

1-3.データサイエンティスト

データサイエンティストとは、データの活用領域を中心にDXの推進を担う人材です。


【データサイエンティストの定義】

DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


デジタル化が進む社会の中で、企業や組織が保有するデータの整備や効果的な活用は競争力を身につけるときに避けて通れない部分です。DXを推進するうえでも、適切なデータ活用ができるかどうかで成果に差が生じます。


そこでデータサイエンティストがデータの発掘や活用を行い、競争力の向上や新しい価値の提供ができるように分析・提案を行います。データサイエンティストは業務内容によって、下記の3つのタイプに分かれています。


  

種類

とくに必要なスキル

業務内容

データビジネスストラテジスト 

・プロジェクトマネジメント力

・データ理解・活用

・データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価 

データ活用戦略を策定し主導権を握り戦略の実現を進める人材


・DX推進時のデータの活用の判断やデータ活用戦略を策定する 

・ データを活用するための進行管理を行い、他の人材との連携やデータ活用プロセスの管理をする

・現状のデータ活用を見直し新規事業の創出や現場業務の変革・改善を行う

データサイエンスプロフェッショナル

・数理統計・多変量解析

・データ可視化のスキル

・機械学習・深層学習スキル

・コンピュータサイエンス

データ活用のプロフェッショナルとしてビジネスの変革や新しい価値創出につながる提案をする人材


・AIやデータサイエンス領域の専門知識を駆使しデータの処理・解析を行う

・解析結果を基に新規事業の創出や現場業務の変革などにつながる知見を生み出し可視化する

・データ活用の仕組みづくりやエンドユーザーに対する教育・サポートを行う

データエンジニア

・データ活用基盤設計

・データ活用基盤実装・運用

・セキュリティ対策やインシデントに対応するスキル

効果的なデータ分析環境の設計・実装・運用を行う人材


・ データを目的に応じて収集・処理・解析等ができるシステム環境を整えるその実装を主導するとともに、最適な稼働を実現する

・データの処理・解析に必要なデータ加工やデータマートを作成する

・他の人材が適切にモニタリングできる環境を整える


データビジネスストラテジストは、データを活用するための戦略を策定し主導権を握りながら進めていく人材です。データ活用の方法やデータ活用をするための環境構築の進行管理などを担います。


データサイエンスプロフェッショナルは、データ活用のプロフェッショナルとしてデータの処理や解析を担当します。例えば、社内に膨大なデータがあり活用に困っている場合にデータサイエンスプロフェッショナルがデータを解析し、有効活用できるように可視化します。


データエンジニアは、データを活用するための基盤を整える人材です。データを収集するためのシステムやデータを管理するシステムなどを構築するときに活躍します。


このように、データサイエンティストはDXに欠かせないデータ活用の領域を専門的に扱い、自社の優位性や新しい価値の創出をサポートします。


 

データサイエンティスト

定義

データの活用領域を中心にDXの推進を担う人材

主な業務

・データビジネスストラテジスト:データを活用するための戦略を策定し主導権を握りながら進める

・データサイエンスプロフェッショナル:データ活用のプロフェッショナルとしてデータの処理や解析を行いデータを分かりやすく可視化する

・データエンジニア:データを活用するための基盤を整える

とくに必要なスキル

・データ理解・活用

・データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価 

1-3-1.データサイエンティストが必要なケース

データサイエンティストは、データを利活用してDXを推進する場合に欠かせない人材です。社内に膨大なデータがあっても、適切に解析し可視化できるスキルがなければ競争力の向上や新しい価値の創出に活用できません。


また、DXの取り組みがデータの活用のみである場合は、データサイエンティストのみで進められるケースもあります。例えば、自社の顧客データを管理する基盤を構築してマーケティングに活用して競争力の向上を目指す場合は、データサイエンティストがいればDXを推進できます。


・データの収集・解析をしてDXの推進につなげたい

・データの蓄積や管理ができる環境を整えてDXを推進したい


などの場合は、データサイエンティストが必要でしょう。

1-4.ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニアは、デジタル技術を活用した製品・サービスに必要なソフトウェアの設計・実装・運用を担当する人材です。


【ソフトウェアエンジニアの定義】

DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用 を担う人材

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


DXを推進するうえでハードウェアやデバイスは重要な役割を担いますが、今後はそれ以上にソフトウェアでの差別化が重要性を増すと考えられています。そこで、変化の激しいソフトウェア市場の中で柔軟に対応しながら競争力の向上を目指せるソフトウェアエンジニアが求められています。


ソフトウェアエンジニアは業務内容に応じて、下記の4つのタイプに分類されています。基本的には複数人のソフトウェアエンジニアでチームを組み、それぞれの専門領域を活かしながらソフトウェアの開発を進めます。


  

種類

とくに必要なスキル

業務内容

フロントエンジニア

・コンピュータサイエンス

・チーム開発 

・ソフトウェア設計手法

・ソフトウェア開発プロセス

・Webアプリケーションの基本技術

・フロントエンドシステム開発 

主にインターフェース(クライアント側)の機能の実現に責任を持つ人材


・顧客ニーズを理解したうえで顧客体験価値を向上させるためのソフトウェアを設計・実装する

・利用者からのフィードバックを踏まえた改善や改良を行う

バックエンドエンジニア

・コンピュータサイエンス

・チーム開発 

・ソフトウェア設計手法

・ソフトウェア開発プロセス

・Webアプリケーションの基本技術

・バックエンドシステム開発 

・クラウドインフラ活用

主にサーバーサイドの機能の実現に責任を持つ人材


・顧客ニーズを理解したうえで顧客体験価値を向上させるためのソフトウェアを設計する

・サーバーサイドのソフトウェア機能を実装する

・利用者からのフィードバックを踏まえた改善や改良を行う

クラウドエンジニア

・コンピュータサイエンス

・クラウドインフラ活用

・SREプロセス

ソフトウェアの開発・運用環境の最適化と信頼性の向上に責任を持つ人材


・顧客ニーズを理解したうえで顧客体験価値を向上させるためのソフトウェアの開発・運用環境を整える

・ソフトウェアエンジニアからのフィードバックを踏まえて運用環境を最適化する

・モニタリングの結果を踏まえてサービスの信頼性向上に必要な対応を行う

フィジカルコンピューティングエンジニア

・フィジカルコンピューティング

・コンピュータサイエンス

・チーム開発 

・ソフトウェア設計手法

・ソフトウェア開発プロセス

・Webアプリケーションの基本技術

物理領域のデジタル化を担いデバイスを含めたソフトウェア機能の実現に責任を持つ人材


・顧客ニーズを理解したうえで顧客体験価値を向上させるための各種デバイスを含むソフトウェアを設計・実装する

・物理的なデバイスを通じてデータの取得を行う

・利用者からのフィードバックを踏まえた改善や改良を行う


DXを推進するためにソフトウェアの開発を行うときには、フロントエンジニアとバックエンドエンジニアが設計と実装を行います。デバイスを含めた開発を行う場合は、フィジカルコンピューティングエンジニアも加わり開発を進めます。


ソフトウェア開発の環境の最適化や運用環境の構築は、クラウドエンジニアが行います。このように、ソフトウェアエンジニアは競争力や顧客満足度を向上させるソフトウェアを開発するときに欠かせない人材です。


 

ソフトウェアエンジニア

定義

デジタル技術を活用した製品・サービスに必要なソフトウェアの設計・実装・運用を担当する人材

主な業務

・フロントエンジニア:主にインターフェース(クライアント側)の機能の実現に責任を持ち設計・実装を行う

・バックエンドエンジニア:主にサーバーサイドの機能に責任を持ち設計・実装を行う

・クラウドエンジニア:ソフトウェアの開発・運用環境の最適化を行う

・フィジカルコンピューティングエンジニア:物理領域のデジタル化を担いデバイスを含めたソフトウェア機能の設計・実装を行う

とくに必要なスキル

・コンピュータサイエンス

・チーム開発 

・ソフトウェア設計手法

・ソフトウェア開発プロセス

・Webアプリケーションの基本技術

1-4-1.ソフトウェアエンジニアが必要なケース

ソフトウェアエンジニアは、ソフトウェアの開発や改善を行うときに必要不可欠な人材です。とくにソフトウェアの設計や開発はプログラミングの知識やコンピュータサイエンスなど専門性の高い知識を要するため、社内の人材では対応できない部分が多いです。


知識不足や技術不足だと思ったようにDXを推進できないので、先ほど触れた4つのタイプに該当するソフトウェアエンジニアがチームを組み設計や開発を行えることが理想です。


・自社の顧客管理をするソフトウェアを開発したい場合

・業務効率化につながるツールを開発したい場合


など、DXの推進をするときにソフトウェアの設計が必要となる場合はソフトウェアエンジニアの力を借りて進めましょう。

1-5.サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティとは、DXを推進するうえでサイバーセキュリティ対策を担う人材のことです。


【サイバーセキュリティの定義】

業務プロセスを支えるデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材

出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


DXを推進すると、デジタルツールやクラウドツールなどを扱う機会が増えます。社内の他のデジタル基盤を含めて一定のセキュリティ対策をしていないと、情報漏えいやウイルス感染などのリスクが高まります。万が一、情報漏えいを起こしてしまったら、DXを推進しても企業の価値を高めることができません。


そこで、サイバーセキュリティでは起こり得るリスクを想定して具体的な対策を実施し、安全にDXを推進できる状況を維持します。


サイバーセキュリティは業務内容に応じて、2つのタイプに分類されています。知識や技術がある場合は他の人材が兼務して、サイバーセキュリティを担当することも可能です。また、外部のセキュリティ企業と連携し業務内容を減らしたうえで兼務をする方法も検討できます。


  

種類

とくに必要なスキル

業務内容

サイバーセキュリティマネージャー

・セキュリティマネジメント

・プライバシー保護 

・セキュリティ体制構築

・インシデント対応と事業継続

サイバーセキュリティリスクを検討・評価してリスクを抑制するための対策の管理・統制を行う人材


・DXの推進によって起こり得るリスクを評価する

・サイバーセキュリティリスクを抑制するための戦略や対策を実施して管理・監査を行う 

・インシデントが発生したときの対応を行う

サイバーセキュリティエンジニア

・クラウドインフラ活用 

・SREプロセス

・セキュア設計・開発・構築

・セキュリティ運用・保守・監視

サイバーセキュリティリスクを抑制するサービスの導入・保守・運用を行う人材


・セキュリティ対策製品やサービスの導入・実装・保守を行う

・デジタル活用におけるパフォーマンス評価、脆弱性対応管理を行う


サイバーセキュリティマネージャーは、具体的なセキュリティ対策を検討して統制を行う人材です。サイバーセキュリティに関する幅広い知識と臨機応変な対応が求められます。


サイバーセキュリティエンジニアは、セキュリティ対策を行うための技術的な支援を行う人材です。セキュリティ対策製品やサービスの導入や管理、評価などを行います。DXを安心して推進するためには、適切なセキュリティ対策を実施できるサイバーセキュリティの存在が欠かせません。


 

サーバーセキュリティ

定義

DXを推進するうえでサイバーセキュリティ対策を担う人材

主な業務

サイバーセキュリティマネージャー:サイバーセキュリティリスクを検討・評価してリスクを抑制するための対策の管理・統制を行う人材

サイバーセキュリティエンジニア:サイバーセキュリティリスクを抑制するサービスの導入・保守・運用を行う人材

とくに必要なスキル

・セキュリティマネジメント

・プライバシー保護 

・セキュリティ体制構築

・インシデント対応と事業継続

(サイバーセキュリティマネージャーの場合)

1-5-1.サイバーセキュリティが必要なケース

サイバーセキュリティは、DXを推進するうえで必ず必要な人材です。先ほども触れましたが、DXを推進すると業務環境が変化しこれまでにないリスクが発生する可能性があります。リスクをそのまま放置すると、情報漏えいやサイバー攻撃などさまざまなリスクに晒されることになります。


企業として一定のセキュリティを担保しながら製品やサービスを展開していくためにも、サイバーセキュリティに知見のある人材は必要不可欠です。DXへの取り組みを開始するのと同時に、セキュリティを確保している状態を作れるように人材を確保しましょう。


【上位以外でDXを推進するために必要な人材】

ここまでDXを推進するうえで必要な人材を紹介してきましたが、プロジェクトによってはより高度な技術や知識を持つ下記のような人材の協力も必要です。

・生成AIを活用できる人材(プロンプトの作成・導入管理など)

・ビッグデータの解析やできる人材

・ブロックチェーンなど最新技術に対応できる人材

・ドローンやロボットを活用できる人材

DXを推進するためのプロジェクトに応じて専門性の高いスキルを持つ人材をアサインし、ビジネスアーキテクトの指示管理下で進めるようにしましょう。


2.DX人材に必要な6つのスキル


ここでは、DX人材に必要なスキルをご紹介します。基本的な6つのスキルは独立行政法人情報処理推進機構が実施した「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」より、DX人材に必要なスキルであることが分かってきたものを中心にまとめています。


DX人材ごとに必要となる専門性や技術などの知識的なスキルはもちろんのこと、加えてどのようなスキルが必要となるのか確認してみてください。

DX人材に必要な6つのスキル

課題設定力

課題に応じて取り組むべき領域を定め主体性を持ち取り組む姿勢

臨機応変な対応力

トラブルが起きたときに軌道修正をしながら目的達成を遂行する力

社外や異種の巻き込み力

互いの意見を尊重しながら共に目的達成に向けて奮闘できる巻き込み力

失敗したときに立ち上がる姿勢

失敗は成功のための過程だと考え、失敗を糧にして前を向ける姿勢

モチベーションを維持できる力

前向きに取り組む続ける姿勢や主体性や好奇心を持ち続ける姿勢

突破力

責任感を持ち何としても取り組みを成功させたいという強い思い

2-1.課題設定力

1つ目は、課題を設定する力です。DXを推進するためには現状の課題を適切に把握し、どのようにDXを推進するべきか方向性を決める必要があります。DXを推進するときによくある失敗は、自社の現状や課題を見極めずにデジタルツールを導入することです。


確かに新しいツールを導入することはできますが、DXの本質である企業の変革や競争力の向上、新しい価値の創出にはつながりません。つまり、DX人材には課題に応じて取り組むべき領域を定め主体性を持ち取り組む姿勢が求められるのです。


例えば、他者との差別化を図るためにデータの利活用をするところからDXを推進したいと考えていたとします。DX人材は


・現状のデータ利活用にどのような課題があるのか

・現状をどのように改善するとDXの推進につながるのか


など、課題を見つけて適切な施策を検討するところから始める必要があります。場合によってはDX人材の中で話し合いをして課題を設定し、足並みを揃えて進めるケースもあるでしょう。DXは単なるツールやシステムの導入ではないからこそ、課題を設定して取り組む姿勢が求められます。

2-2.臨機応変な対応力

2つ目は、臨機応変な対応力です。DXを推進していくうえで、予期せぬトラブルや計画の変更は起こり得ることです。企業が初めて取り組む施策がほとんどなので、想定できないことや予定通り進まないことがどうしても発生してしまうからです。


そのときに軌道修正をしながら、目的達成を遂行する力が求められます。例えば、当初予定していたツールの導入が難しくなり、代替案を検討しなければならなくなったとしましょう。大幅な予定変更にうろたえるのではなく、チームのメンバーと話し合いながら最善の方法を模索する姿勢が必要です。


また、臨機応変に対応するには、目的意識をしっかりと持ち何としても成し遂げる意志を持つことも欠かせません。多くの企業にとってDXの推進は新たな試みとなるからこそ、柔軟に考え粘り強く取り組むDX人材が求められます。

2-3.社外や異種の巻き込み力

3つ目は、社外の人材や異業種の人材を巻き込みながらDXを推進する力です。とくにビジネスアーキテクトを始め、マネジメントやディレクションをする立場の人に求められるスキルです。


DXを推進する取り組みは専門性が高く、各分野のプロフェッショナルが関わり進めるケースが多いです。例えば、新たなシステムやツールの導入では市場やユーザーニーズを分析したうえで、自社に適しているものを設計していきます。一人のDX人材が担える範囲ではないので、ビジネスアーキテクトやデータサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、デザイナーなど異業種のDX人材が連携する必要があるでしょう。


このときにDX人材間の意思疎通ができないと足並みが揃わず、計画的にDXを推進することが難しくなります。だからこそ、互いの意見を尊重しながら共に目的達成に向けて奮闘できる巻き込み力が求められます。

2-4.失敗したときに立ち上がる姿勢

4つ目は、失敗したときに立ち上がる姿勢です。繰り返しになりますがDXの取り組みでは初めてチャレンジすることが多く、検証を重ねたとしても成功するとは限りません。新しく導入したツールやシステムにトラブルが発生することや新しいシステムの導入過程で失敗してしまうこともあるでしょう。


そのときに失敗を重く捉えて「DXの推進は難しい」「DXの推進はこれ以上できない」など歩みを止める結果になってしまっては、DXを推進できなくなります。失敗は成功のための過程だと考え、失敗を糧にして前を向ける姿勢が求められます。


また、失敗をしたときに失敗の原因を的確に捉えて、次からは失敗しないように意識できる姿勢も大切だと言えるでしょう。

2-5.モチベーションを維持できる力

5つ目は、モチベーションを維持できる力です。DXは目的によりますが、中長期的な取り組みをすることが多いです。取り組み開始時はモチベーションが高くても時間経過とともにモチベーションが低下してしまっては目的を達成できない、もしくは目的達成に想定以上の時間がかかるでしょう。


そのため、DX人材には前向きに取り組む続ける姿勢や主体性や好奇心を持ち続ける姿勢が求められます。「何としてでもDXの取り組みを成功させたい」「この取り組みに携わっていることが楽しい」という気持ちを持ち続けることができれば、中長期的な取り組みであっても中弛みすることなく目的意識を持ち推進できます。


また、モチベーションが低下しそうになったときにはDX人材同士で励まし合い、同じ志を持って前向きに取り組めるチームの雰囲気づくりも大切でしょう。

2-6.突破力

6つ目は、壁にぶつかったときの突破力です。DXを推進する取り組みは社内で前例がないことが多いので、壁にぶつかることが多々あります。新しいツール導入に社内から批判的な声が出る、ツールの設計が想定以上に難しいなど想定外の事態が発生することも考えられます。


そのときに「批判的な意見があるから諦めよう」「難しそうだから辞めておこう」と諦めてしまうのではなく、様々な方法を模索して壁を乗り越える力が必要です。


例えば、社内から批判的な意見が出ても、しっかりと説明ができれば納得してもらえるかもしれません。想定以上に設計が難しければ、追加でDX人材をアサインすることも検討できるでしょう。責任感を持ち何としても取り組みを成功させたいという強い思いが求められます。

2-7.他に求められるスキル

ここまで、調査結果を基に分かったDX人材に必要な6つのスキルを紹介してきました。DX人材にはDXの推進に主体性・責任感を持ち、最後まで貫く姿勢が求められます。この他にも、場合によっては下記のようなスキルも備わっているといいでしょう。


・新しいスキルを学び続ける姿勢

・新しい価値を創出する創造性

・仮説を立てる力


DXの推進に必要な技術や知識は絶え間なく発展しているので、新しい情報を吸収し業務に活用する力が求められます。また、経験や勘だけに頼らず仮説や問いを立ててロジカルに考えるスキルも必要になるでしょう。


3.DX人材を獲得する4つの方法

ここまで読みDX人材の業務内容や必要なスキルが分かり、DXを推進するときに必要な人材がイメージできるようになったかと思います。次に気になるのは、DX人材を獲得する具体的な方法です。ここでは、DX人材を獲得するための具体的な4つの方法をご紹介します。

DX人材を獲得する方法

向いているケース

社内で育成する

・既にDXを推進するために必要な専門的な知識を持った人材がいる場合

・中長期的な視点で本格的にDX人材育成に取り組む場合

・DXの取り組みの進行管理を行うビジネスアーキテクトのみを社内で育成する場合

新卒採用する

・将来的に自社のDXをリードする人材を確保したい場合

・デザイナーやソフトウェアエンジニアなど専門性の高いDX人材を採用したい場合

中途採用する

・DXを推進ための即戦力を探している場合

・不足しているスキルが明確でスキルを補うDX人材を見つけられる場合

・自社でDX人材の育成をしている余裕がない場合

外注する

・社内に人材育成や採用をする余力がない場合

・社内では対応が難しい部分のみ外注したい場合


参考までに独立行政法人情報処理推進機構が実施した「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」では、DX人材ごとに下記のような手段でアサインされている傾向があります。

    

DX人材

社内育成

新卒採用

中途採用

外注

ビジネスアーキテクト

-

-

デザイナー

データサイエンティスト

ソフトウェアエンジニア


※ 〇:多い・△:少ない・-:ほとんどない

3-1.社内で育成する

1つ目は、DX人材を社内で育成する方法です。


・DX人材に必要なスキルを身につける研修を重ねる

・DX人材に必要な基礎的なスキルを持った人材の配置転換を行う

・DXを推進する部署や部門を立ち上げて取り組む


などの方法が検討できます。例えば、社内にソフトウェアエンジニアやデザイナーのような専門性の高いスキルを持った人材が既にいる場合は、研修や配置転換を行い短期間でDX人材を育成できるでしょう。ただし、DXに関する知識を持つ人材がいない場合は、基礎知識から習得する必要があります。中長期的な視点で知識を蓄積しなければならないため、すぐにDXに取り組むことは難しいでしょう。


DX人材を社内で育成するメリットは、安定して継続的にDX人材を確保できるところです。経済産業省が公表している「IT人材育成の状況等について」によると、IT人材は将来的に40~80万人規模で不足すると危惧されています。深刻なIT人材不足が起きると、外注や採用が不安定になることも考えられるでしょう。DX人材を社内で育成していれば市場に左右されることなく人材を確保でき、計画的にDXを推進できます。


デメリットとしては、人材の育成に時間と労力がかかることです。先ほども触れたように、基礎からDXの知識を身につけるには、一定の時間がかかります。研修するための設備やカリキュラムの用意、講師の選定などもしなければならないので、育成そのものに手間とコストがかかります。

参考:経済産業省「IT人材育成の状況等について」


 

メリット

・安定して継続的にDX人材を確保できる

・企業全体のDXリテラシー(DXに関する知識や正しい理解)が向上する

・自社の強みや特徴を踏まえた取り組みがしやすい

デメリット

・育成に時間と労力がかかる

・即戦力としての活用が難しい

3-1-1.社内での育成が向いているケース

社内でのDX人材の育成が向いているケースは、次の3つです。


①既にDXを推進するために必要な専門的な知識を持った人材がいる場合

②中長期的な視点で本格的にDX人材育成に取り組む場合

③DXの取り組みの進行管理を行うビジネスアーキテクトのみを社内で育成する場合


既にDXを推進するために必要な専門的な知識を持った人材がいる場合は、知識を補填する研修を実施するだけで即戦力としてDX人材に選定できる可能性があります。また、中長期的な視点でDXの人材育成に取り組むことも一つの方法です。すぐにDX人材として活躍することはできませんが、将来を見越してDX人材を確保したい場合に向いているでしょう。


他にも、DX推進のマネジメントや進行管理を行うビジネスアーキテクトのみを社内の人材から選定することも可能です。専門性の高いDX人材は外注をして、自社の考えや思いを伝え主導権を握るビジネスアーキテクトのみを育成することも検討できます。

3-2.新卒採用する

2つ目は、DX人材を新卒採用することです。IT人材を新卒採用する企業は増えています。例えば、「テルモ株式会社」では、新卒採用枠に社内のデジタル化を推進する「メディカルDXコース」を用意しています。また、みずほフィナンシャルグループでも「ITシステムコース」を設けて、IT・システムのプロフェッショナルの新卒採用を行っています。


新卒採用は他社での業務経験がない分、自社の思いや考えを反映した取り組みがしやすいところがメリットです。DXに対する考え方や計画の進め方なども、自社の方法をベースとしてスムーズに進められます。社内で実績積めば、将来的には自社のDX推進をリードしていく人材になる可能性もあります。


デメリットとしてはDXの推進に関わった実績や実務経験がないため、すぐにDX人材として活躍することが難しいところです。まずは社内で経験や実績を積む必要があるので、DX人材として活躍できるようになるまでには一定の時間がかかります。


参考:テルモ株式会社「メディカルDX採用サイト」

参考:みずほフィナンシャルグループ「ITシステムコース」


 

メリット

・自社の思いや考えを反映した取り組みがしやすい

・将来的に自社のDX推進をリードしていく人材になる可能性がある

デメリット

・DXの推進に関わった実績や実務経験がないので実績を積む必要がある

・新卒採用を行う時間と手間がかかる

3-2-1新卒採用が向いているケース

DX人材の新卒採用が向いているのは、下記のケースです。


①将来的に自社のDXをリードする人材を確保したい場合

②デザイナーやソフトウェアエンジニアなど専門性の高いDX人材を採用したい場合


DX人材の新卒採用は即戦力としては欠けますが、自社内で実績を積むことで将来的にDXをリードする人材に成長する可能性があります。将来を見越してDXを推進するリーダーを選出したい場合に向いています。


また、デザイナーやソフトウェアエンジニアなど専門性の高いDX人材は、新卒採用のタイミングだと自社の要件に合う人材を採用やすいです。中長期的にDXの推進に携わる専門性の高い領域のDX人材を採用したい場合にも新卒採用を検討できるでしょう。

3-3.中途採用する

3つ目は、中途採用をする方法です。予算や取り組み内容に応じて正社員や契約社員、派遣社員など様々な雇用形態を検討できます。


中途採用の対象者は既に実績やスキルがあるので、DXを推進する即戦力になるところが大きなメリットです。一例としてデザイナーの場合は、DXを推進するデザイン業務に携わった経験や幅広いデザイン業務に携わった実績があれば、すぐにDX人材としてアサインできます。


また、社内で不足しているスキルがある場合も中途採用ができれば、スキルを補いながらDXの取り組みを進めることが可能です。例えば、新しい取り組みにソフトウェア開発が必要となった場合は、実績のあるソフトウェアエンジニアを採用できれば問題なく取り組みを継続できます。


デメリットとしては、自社の要件に合う人材が見つかるとは限らないことです。中途採用の場合は実績やスキルが重要視されますが、IT人材不足が深刻化している中で思ったような人材が見つかるとは限りません。また、新卒採用と比較すると給与や待遇面での優遇が必要となるケースが多いので、費用対効果を念頭に置いて検討する必要があるでしょう。


 

メリット

・既にスキルや実績があるのでDXを推進する即戦力になる

・社内で不足しているスキルを補える

・自社で基礎から育成する手間が省ける

デメリット

・自社の要件に合う人材が見つかるとは限らない

・新卒採用よりも1人当たりを雇用するためのコストがかかる

3-3-1.中途採用が向いているケース

中途採用が向いているケースは、次の3つです。


①DXを推進ための即戦力を探している場合

②不足しているスキルが明確でスキルを補うDX人材を見つけられる場合

③自社でDX人材の育成をしている余裕がない場合


中途採用者は既に一定の実績やスキルがあるので、今すぐにでもDXを推進したい場合に向いています。自社の不足しているスキルに合う人材が見つかれば、即戦力としてDXを推進することができるでしょう。


また、自社でDX人材を育成する余裕やノウハウがない場合は、中途採用を活用することでDXを推進しやすくなります。

3-4.外注する

4つ目は、外部のDX人材に仕事を外注することです。社内での人材育成や新卒採用、中途採用はDX人材を内製化する方法ですが、外注は社内にDX人材を抱えず外部のDX人材を活用するところが大きな違いです(外注と社内のDX人材の双方を活用することも可能です)。


・専門的な知識やノウハウを持つフリーランスに仕事を委託する

・パートナー企業に仕事を依頼する


などの外注方法が検討できます。外注の大きなメリットは、DX人材の獲得や育成に関わるコスト、手間を省けるところです。既に必要な知識やスキルを持ったDX人材に業務を依頼するので、自社でDX人材の獲得や育成をする必要がありません。また、DXの取り組み内容に応じて必要な人材をアサインできるので、専門性の高い取り組みや難易度の高い取り組みにもチャレンジしやすいでしょう。


デメリットとしては、社内にDXに関する知識やノウハウが蓄積されないところです。外注をしてある程度DXを推進したところで社内で取り組んでみようと思ってもDX人材やDXの知識がなく、1から基盤を整えなければなりません。


メリット

・DX人材の獲得や育成に関わるコスト、手間を省ける

・社内にDXに関する知識が蓄積していなくてもDXを推進できる

・専門性の高い取り組みや難易度の高い取り組みにもチャレンジしやすい

デメリット

・社内にDXに関する知識やノウハウが蓄積されない

・外注を継続するコストがかかる


3-4-1.外注が向いているケース

外注が向いているケースは、下記の2つです。


①社内に人材育成や採用をする余力がない場合

②社内では対応が難しい部分のみ外注したい場合


社内に人材育成をする時間や採用にかけるコストがない場合は、まずは外注をしてDXを推進するのも一つの方法です。社内の環境が整ってからDXを推進しようとすると、競合他社と差が生まれてしまいます。確かなスキルと技術を持った外注先に依頼をすれば、自社の負担を増やすことなくDXを推進できます。


また「ソフトウェアの設計」「セキュリティ対策」など自社では人材が不足しており対応が難しい部分のみ外注をすることも可能です。


4.DX人材育成の取り組み事例


ここでは、DXを推進する企業を実施しているDX人材の育成・獲得事例をご紹介します。DXを推進している企業ではどのようにDX人材を獲得しているのか分かるので、参考にしてみてください。

4-1.アサヒグループホールディングス:外部採用と社内人材育成の2軸でDXを促進

「アサヒグループホールディングス」では、中長期経営方針のコア戦略に「DX」を取り入れて戦略的にDXに取り組んでいます。DX推進に必要なDX人材は、社内での育成と外部からの専門家採用の2つの軸で進めています。


【社内でのDX人材育成の取り組み内容】

・データ人材育成 集合研修(入門講座は6割が受講済み)

・社内eラーニングの活用

・アジャイル研修

・分析ワークショップの実施

・社内のデータ活用事例の共有


DXに必要な人材獲得と育成を行い、自主自律的にアイディアを実現できる 「デジタルネイティブ組織」を実現することを目指しています。


参考:アサヒグループホールディングス「中長期経営方針DX戦略」

4-2.富士フイルムホールディングス株式会社:レベルに応じたDX人材育成を実施

「富士フイルムホールディングス株式会社」では代表取締役CEOを議長、CDOを副議長とする「DX戦略会議」を設置してDXの推進に取り組んでいます。中でも「DXビジョン」を支えるDX基盤の1つに人材DXを掲げて、DX人材の育成をしています。


全DXの基礎教育やデータ活用研修、プログラミングAI実装強化研修など幅広いスキルを対象とした研修を実施しているところが特徴です。社員のレベルや役割に応じて研修・育成体制を構築し、自ら学ぶことができる環境を整えています。


【データ活用強化研修の内容】

・業務課題に応じて最適なツールを選択し使えるようになる

・機械学習

・数値分析

・自然言語解析など


また、選抜・実践型の短期集中講座(DXブートキャンプ)も実施し、社内で専門性の高いDX人材の育成を実施しています。


参考:富士フイルムホールディングス株式会社「DX推進体制」

4-3.東京地下鉄株式会社:

「東京地下鉄株式会社」では、技術開発の活用やデジタル化の促進などを行いDXを推進しています。DX人材育成では、データ分析ができる人材育成や基礎レベルの開発者の育成を行っています。


とくに、データ分析ができる人材は社内に専門講座を開設し、データ管理の方法などの知識を習得できるようにしています(データ分析の基礎知識を習得している社員が受講対象)。


今後は、機械学習に関わる資格の習得やデータ分析力を競う社外コンペティションへの参加も視野に入れて、より専門性の高いDX人材育成を行う予定です。


参考:日本経済新聞「東京メトロ、デジタル人材を育成 データ分析の専門講座」

参考:東京地下鉄株式会社「新たな時代を共に創る力を」


5.【資料から読み解く】DX人材を獲得するときの3つのポイント

最後に、DX人材を獲得するときの3つのポイントをご紹介します。自社に合う方法でDX人材を獲得するためにも、事前に下記の3つのポイントを把握しておきましょう。


DX人材を獲得するときの3つのポイント

・中長期のDXビジョンを持ち必要な人物像を明確にする

・専門性を評価する仕組みや研修の仕組みを導入する

・パートナー企業と協力してDXを推進する

5-1.中長期のDXビジョンを持ち必要な人物像を明確にする

DX人材を獲得するときは、中長期的なDXビジョンを持ち必要な人物像を明確にしましょう。「1.【DX人材とは?】DXを推進する人材の役割」でも触れたように、基本的にはビジネスアーキテクトやデザイナー、ソフトウェアエンジニアなど各専門領域のDX人材が必要です。しかし、これはあくまでも大枠であり、企業のDXの目的やプロジェクト、中長期的なビジョンにより求められる人物像が異なります。


例えば、一言で「デザイナー」といっても、紙面のデザインやWebサイトのデザイン、アプリケーションのデザインなど媒体により求められるスキルが異なります。アプリケーションのデザインをする場合は、アプリケーションに特化した知識や実績も含めて必要な人物像を定義する必要があるでしょう。


人物像の定義を誤ったままDX人材の採用や獲得をしてしまうと、思ったようにDXを推進できません。あらかじめ下記のようなポイントを確認しながら、自社に必要なDX人材の人物像を決めておきましょう。


【自社に必要なDX人材の人物像を決めるときのポイント】

・中長期的な取り組みに必要なスキル

・自社のDXの取り組み内容に応じたスキルや実績(外注・中途採用の場合)

・自社の考え方やDXの取り組みに貢献できるスキル

5-2.専門性を評価する仕組みや研修の仕組みを導入する

社内でDX人材を育成する場合は、DX人材に必要な専門性を評価する仕組みやDX人材のスキルを高める研修の仕組みを導入しましょう。「4.DX人材育成の取り組み事例」でも触れたように、社内でDX人材育成をしている企業は、社員のスキルに応じた研修制度を用意しています。


とくにDX人材は専門的な知識が必要となるので、段階的な人材育成ができるようにカリキュラムを作って取り組むといいでしょう。先ほど事例で紹介した富士フイルムホールディングス株式会社の場合は、基礎的な講座を実施した後に選抜研修を行い、より専門性の高いスキルを身につけられるようにしています。


また、自社のDXをリードするリーダーの輩出や人材の配置転換を念頭に置く場合は、専門性を評価する仕組みを整えておいたほうがいいでしょう。個人のDX人材としての適切なスキルを評価できるようにしておけば、適性な人材配置がしやすくなります。


DX人材ごとに必要とされるスキルは下記の「デジタルスキル標準」シート(Excel形式)に集約されているので、評価制度を策定するときの参考にしてみてください。

独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」


5-3.パートナー企業と協力してDXを推進する

DX人材を外注する場合は、パートナー企業と協力しながらDXを推進するといいでしょう。


【パートナー企業の一例】

・DXを推進するためのアドバイスをするコンサルティング企業

・DXを推進するためのツール・システム開発などを行う企業

・DXを推進するためのクラウドサービスやソリューションを提供している企業


DXのパートナー企業はDXに関する知識やノウハウがあるので、DXを推進するプロジェクト内容に沿ったサポートが受けられます。また、パートナー企業が実績やノウハウのあるDX人材を抱えているので、自社で人材を確保しなくてもスピード感を持ちDXを推進できます。


自社に合うパートナー企業はプロジェクトの規模や必要なDX人材、サポートにより大きく異なりますが、下記の視点に着目しながら選定するといいでしょう。


【DXのパートナー企業を選ぶときのポイント】

・企画から運用まで一貫して依頼できる

・依頼したい業務の実績やノウハウがある

・DXの推進力がある

・スムーズにコミュニケーションが取れる

・業務範囲や計画が明確になっている


とくに、企画から運用まで一貫して依頼できると、企業内にDX人材がいなくても問題なくDXを推進できます。DX人材不足をカバーできる外注のメリットを最大限に活用するためにも、企画から運用まで一貫して依頼できるかどうか確認してみてください。


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6.まとめ

いかがでしたか?DXを推進するために必要なDX人材とはどのような人材なのか理解して、自社に合う方法で獲得を検討できるようになったかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。


〇DX人材とはDXを推進するために必要なスキルと技術がある人材のこと。下記の5つの役割を担う。

 

DX人材

ビジネスアーキテクト

目的設定や実現方法などを検討しながらDXを推進するプロジェクトを進行管理する人材

デザイナー

ビジネスの視点とユーザーの視点を総合的に捉えてDXを推進するためのデザインを担当する人材

データサイエンティスト

データの活用領域を中心にDXの推進を担う人材

ソフトウェアエンジニア

デジタル技術を活用した製品・サービスに必要なソフトウェアの設計・実装・運用を担当する人材

サイバーセキュリティ

DXを推進するうえでサイバーセキュリティ対策を担う人材


〇DX人材に必要な主なスキルは次の6つ


 

DX人材に必要な6つのスキル

課題設定力

課題に応じて取り組むべき領域を定め主体性を持ち取り組む姿勢

臨機応変な対応力

トラブルが起きたときに軌道修正をしながら目的達成を遂行する力

社外や異種の巻き込み力

互いの意見を尊重しながら共に目的達成に向けて奮闘できる巻き込み力

失敗したときに立ち上がる姿勢

失敗は成功のための過程だと考え、失敗を糧にして前を向ける姿勢

モチベーションを維持できる力

前向きに取り組む続ける姿勢や主体性や好奇心を持ち続ける姿勢

突破力

責任感を持ち何としても取り組みを成功させたいという強い思い


〇DX人材の獲得方法は次の4つ

①自社で育成する

②新卒採用をする

③中途採用をする

④パートナー企業などの外注を利用する


〇DX人材を獲得するときのポイントは次の3つ

①中長期のDXビジョンを持ち必要な人物像を明確にする

②専門性を評価する仕組みや研修の仕組みを導入する

③パートナー企業と協力してDXを推進する


DXを推進するには、自社のプロジェクトに合うDX人材のアサインが必要不可欠です。この記事を参考にしながら、DX人材の獲得や育成を検討できることを願っています。



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