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新規事業計画書のテンプレートを紹介 経営層を説得するネタの仕込み方

新規事業計画書のテンプレートを紹介 経営層を説得するネタの仕込み方
新規事業をアイデアから実現性・再現性の高い新規事業企画に落とし込む際に必要となるのが、事業計画書です。ただ、新規事業計画書の書き方に明確な決まりはないため、「書き方がわからない」とお困りの方もいるでしょう。 今回は、新規事業計画書を作成したい方へ向けて、テンプレート例を紹介しています。計画書に必須の項目や、経営層を説得するコツについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。 この記事は、システム・アプリ開発を行っているデザインワン・ジャパンDX事業本部の事業責任者・泉川学の監修のもと作成しています。

目次

新規事業計画書に役立つテンプレート集については、こちらから無料ダウンロードできます。

新規事業で計画書が必要な理由とは

新規事業を思いついたら、内容や見通しを具体的にまとめた計画書の作成が必須です。計画書は社内で承認を得る目的で作成します。たとえ斬新なアイデアであったとしても、事業計画書の内容が上司や経営層に対して説得力を持たない場合や、投資判断を行う上での根拠が不十分な場合、事業として本格的に進めていくことは不可能です。経営層が求めるのはアイデアの新規性だけでなく、実現可能性や市場性、リスク管理の観点からも納得できる計画です。

また、新規事業計画書には、以下3つの主な役割があります。

  • 事業コンセプトの明確化

  • 社内リソースの獲得

  • リスク対策の策定

新規事業のコンセプトを明確にと示すことで、社内の予算や人材を確保しやすくなるでしょう。さらに、計画が綿密に練られているほど、リスク対策も立てやすくなります。

事業コンセプトの明確化

新規事業の計画書では、まずコンセプトを明確に示すことが大切です。事業の目的やターゲット層、市場規模なども具体的に記載します。事業の全体像をイメージしやすい内容であれば、収益や将来性を重視している経営層にもしっかりアピールできるでしょう。

新規事業 計画書 テンプレート 事業コンセプトの明確化のイメージ

例えば、「働き盛りの年齢層向けのフィットネス」といったコンセプトで新規事業を計画する場合、始めに30〜50代の健康への関心度や運動不足の実態を調査します。併せて、フィットネス市場の現状や競合他社の動向を分析し、自社の強みや差別化できそうなポイントを明確にします。これらの情報を整理しておけば、誰が見ても理解しやすい計画書となるでしょう。

また、事業の目標値を設定することも大切です。ここでは会員数や売上高、利益率といった数値目標を定め、達成までの中間目標を示しておきます。そうすれば、事業の進捗管理や軌道修正も行いやすくなります。


新規事業の全体の進め方についてもっと詳しく知りたい方はこちら「新規事業のポイントは3つ!アイデアの考え方、具体的な進め方などを解説」をご覧ください。

社内リソースの確保

新規事業を成功させるためには、社内のさまざまな部署の協力が不可欠です。ただし、通常業務に加えて新規事業のリソースを割くには、説得力のある計画書が必要となります。

新規事業 計画書 テンプレート 社内リソースの確保のイメージ

計画書では、新規事業の魅力や将来性を適切に伝えることが重要です。社内の理解者を増やすことで、人員・設備・予算など新規事業に必要なリソースを確保しやすくなるでしょう。例えば、専任の開発チームを編成したり専用設備を導入したりするためには、人事部門や財務部門の協力を得る必要があります。新規事業を円滑に実行するためには、あらかじめ必要なリソースを確保しておくことが大切です。適切な情報を記載した計画書であれば、スムーズな事業の立ち上げも可能になるでしょう。

リスク対策の策定

新規事業には常にリスクが伴うため、経営層は慎重に検討します。そのため、計画書の段階で潜在的な課題やリスクを洗い出しておくことが大切です。また、それぞれの対策や備えを明確に提示できれば、経営層の懸念を払拭し、事業の実現可能性を高められるでしょう。

新規事業 計画書 テンプレート リスク対策の策定のイメージ

例えば、市場の変化や競合他社の動向は新規事業にとって重要なリスク要因の一つです。対策としては、情報収集の仕組みを構築したりコスト削減の方法を準備したりしておくことなどが挙げられます。さらに、事業の進捗に応じてリスク対策を適宜見直す柔軟性も必要でしょう。

リスクへの備えを十分に検討し、対策を計画書に盛り込むことで、経営層の理解を得やすくなるでしょう。

新規事業計画書の必須項目とテンプレート例

「新規事業計画書の必要性は理解したものの、具体的な書き方がわからない」という方もいるでしょう。ここでは、新規事業計画書のテンプレート例について説明します。


必須項目は下記です。

  • 会社概要

  • 事業概要

  • ビジネスモデル

  • ロードマップ

  • 予算計画

  • スケジュール


これらの項目は、事業の企画段階から具体的な計画を策定する上で欠かせない情報ばかりです。経営層による稟議の承認を得るためにも、各項目の内容を丁寧に作り込む必要があります。

ただ、新規事業計画書は、書き方に明確な決まりはなく、企業や事業の特性によって記載内容が異なります。そのため一からすべてを作成するのは大変です。効率的に計画書を作成するには、テンプレートを適宜活用することをおすすめします。


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会社概要

新規事業 計画書 会社概要のテンプレートイメージ


新規事業計画書に役立つテンプレート集は、こちらから無料ダウンロードできます。


会社概要についてまとめるテンプレートです。社名や所在地など基本情報の他、事業内容なども明記しておけば、メイン事業がどのような企業であるのか分かりやすくなるでしょう。


記載のポイント

新規事業計画書には会社概要の記載が重要です。会社概要を含めることで、新規事業を始めるにあたって企業としての信頼性や実行力を示せるためです。概要には、創業年月日や資本金など基本情報に加え、企業理念や代表者の経歴を盛り込むのも効果的です。事業を推進する企業の背景や強みを明確に伝えるために役立ちます。

また、過去実績や現在の事業内容に触れるのもおすすめです。類似した事業や関連事業での実績があれば、成功の可能性を裏付ける判断材料となります。

会社概要の項目は、金融機関や投資家へのプレゼンなど社外に向けて提出する場合は必須項目となります。ただし、計画書を使用するのが社内稟議のみの場合は、不要なケースもあります。

事業概要

新規事業 計画書 事業概要のテンプレートイメージ


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新規事業の「事業概要」のテンプレートです。テーマやコンセプト、価値や目標について一覧形式でまとめておくと、読んだ人が事業をイメージしやすくなります。

続く別紙に、事業を立ち上げる背景や自社の強みなどを詳しく記載すれば、会社がその新規事業を計画する必要性や社会的意義なども明確にできるでしょう。商品やサービス内容に合わせて料金表を作成する場合も、テンプレートを活用すると便利です。


記載のポイント

事業概要では、新規事業の全体像を把握できる情報を記載します。具体的には、提供する商品やサービス内容、ターゲットとなる顧客層、想定する市場規模などです。また、新規事業の成長見込みについて、客観的なデータを用いた説明を記載します。市場分析データや競合他社の動向など、事業の将来性を裏付ける情報を盛り込むことで、実現可能性を訴求できるでしょう。

さらに、新規事業が企業の経営戦略にどのように適合するのかについても言及することをおすすめします。事業の目的や企業の強みとの関連性を示すことで、新規事業に取り組む意義を明確に伝えられます。

事業概要は、新規事業計画書の中でも特に重要な項目の一つです。事業の全体像を的確に伝え、成長見込みや取り組む意義についても示すことで、経営層の理解を得られやすくなるでしょう。

ビジネスモデル

新規事業 計画書 ビジネスモデルのテンプレートイメージ


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新規事業におけるビジネスモデルは、文章よりも図やイラストを用いてまとめると分かりやすくなります。テンプレートを参考に、新規事業のビジネスモデルを図に起こしてみることをおすすめします。

商品・サービスと利用者だけの関係図ではなく、サポートチームやパートナーなど関連するものを盛り込むと、計画書としての説得力も増すでしょう。


記載のポイント

ビジネスモデルの項目では、仕入や製造、販売に至るまで収益獲得の仕組みを示します。商品やサービスの販売方式、価格設定の考え方など盛り込むべき要素は多岐にわたるため、図を用いて説明すると伝わりやすくなるでしょう。

新規事業計画が単なるアイデアに留まらず、ビジネスモデルとしての価値があると示す必要があります。その点から、ビジネスモデルの項目は計画書の中でも重要度が高いといえます。経営層の疑問や不安をしっかりと払拭できるよう、説得力のある内容に仕上げましょう。

また、ビジネスモデルのさらに解像度を上げたい場合はこちらの記事「【場面別に紹介】新規事業で活用できるフレームワーク9選!」をご覧ください。

ロードマップ

新規事業 計画書 ロードマップのテンプレートイメージ


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ロードマップのテンプレートでは、事業の立ち上げから拡販までを複数のSTEPに分けてまとめています。各フェーズの対応時期、達成目標と、それに伴う主な実施内容を記載するといいでしょう。プロジェクト全体の計画立案や進捗管理にも活用できます。


記載のポイント

ロードマップでは、新規事業の中長期的な成長の道筋を示します。達成すべき目標や取り組む内容、事業の方針などを明確に記載することが大切です。

ロードマップを作成する際は、大まかな方向性を設定しておきます。年度ごとに目標やターゲット、営業方針などを記載しつつ、最終的な目標を定めておくと、誰が読んでも事業の成長イメージを掴みやすくなります。また、ロードマップは定期的に見直し、必要に応じて修正を加えるのも大切です。事業環境の変化や目標の達成状況に応じて、柔軟に対応しましょう。

予算計画

新規事業 計画書 予算計画のテンプレートイメージ


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この予算計画のテンプレートは、グラフと表を組み合わせたデザインとなっています。過去実績を用いて表に数値を入力しておけば、将来的な予測を立てるのも容易になるでしょう。

また、損益計画などもテンプレートを参考に作成いただくと、より伝わりやすい資料となるでしょう。多くの数値が記載された表は、どの項目にどの数値が当てはまっているのか見づらくなりがちです。色味や表のサイズ感を調整済みのテンプレートなら、読む人の視覚ストレスも減らせます。


記載のポイント

事業が軌道に乗るまでの予算計画を示しておくのが大切です。特に、収益が生み出すまでの運転資金が十分にあると安心できます。運営費や製作費、場合によっては外注費など、事業に関わる細かく費用を詳細に見積もり、計画に盛り込みましょう。

ただし、これらの経費は根拠を基に算出し、採算が取れる現実的な予算計画にするべきです。データを根拠にした綿密な計画であるほど、経営層からの信頼を得やすくなるでしょう。また、予算計画は事業の進捗に応じて適宜見直しを行い、修正を加える必要があると覚えておきましょう。

スケジュール

新規事業 計画書 スケジュールのテンプレートイメージ


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横向きに時間軸を設定し、事業の全体的な流れを把握しやすいテンプレートです。縦枠では個別のタスクやフェーズを記載できるようになっているため、それぞれの工程や手順をチェックする際にも役立ちます。


記載のポイント

「誰が」「何を」「いつまでに」行動するのかをスケジュールとして具体的に落とし込む必要があります。部署や作業工程ごとにスケジュール表を活用すれば、計画書の具体性もアップします。いざ実行する際には、他部署との連携もスムーズになり、新規事業を円滑に進められるでしょう。

スケジュール作成時は、準備期間・実行期間などを明確にしつつ、現実的な日数を計画することが重要です。経営層からみて信頼性の高いスケジュールであれば、承認も得やすくなるでしょう。また、予算計画と同様、定期的な見直しと必要に応じた修正が大切です。事業の進捗だけでなく、情勢や環境など社外要因に合わせながら、柔軟に対応しましょう。

経営層を説得するための新規事業計画書のコツ

新規事業の推進には、経営層の承認が必須であり、説得力のある計画書を作成することが重要です。前述した必須項目を押さえつつ、以下4つのコツを意識すると、より経営層に実現性のあるビジネスアイデアとして理解を得やすくなるでしょう。


  • 事業の目標や戦略を明記する

  • 財務計画を立てる

  • 想定リスクを考慮する

  • 撤退基準を設ける


4つのコツに共通するポイントは「経営者視点を持って計画している姿勢」です。どのように利益を上げていくのか、どの時点で失敗だと判断するかなど、あらかじめ明記しておくといいでしょう。

事業の目標や戦略を明記する

新規事業を成功させるには、計画時点で明確な目標と現実的な戦略を立てることが不可欠です。例えば「5年後に売上10億円を達成する」と具体的な数値目標を設定し、そこに至る道筋も計画書に盛り込むといいでしょう。特に戦略の部分では、市場や競合の分析に基づき、マーケティング施策、販売チャネル、価格設定など実現可能性の高い戦略を明記します。

このように、データに裏付けられた合理的な目標と戦略を計画書に明記しておくと、経営層の理解と共感を得やすくなるでしょう。また、事業に携わる社員全員が同じビジョンを共有できるため、一丸となって事業を推進する効果も期待できます。

財務計画を立てる

経営層に対し説得力のある計画書を作成するには、予算計画だけでなくその他の要素を盛り込んだ「財務計画」を策定しておくのもおすすめです。


  • いつ頃どの程度の収益が見込めるのか

  • 運営に伴うコストとはどのようなものがあるのか

  • 投資が必要な場合、どのタイミングでいくら必要か    など

まずは、市場規模やニーズから売上予測を立て、そこから必要コストを差し引いた利益計画を立てましょう。ここでの必要コストとは、人件費や設備投資、広告宣伝費など運営に伴うコストを指します。

また、設備投資や事業拡大など資金が必要になるタイミングもあります。このタイミングや金額を具体的に見積もっておくことも大切です。利益計画では事業が黒字化するまでの期間や、最終的な目標収益額などをシミュレーションし、ある程度現実性のある数値を算出しておくと説得力が増します。

想定リスクを考慮する

新規事業には失敗やトラブルなどのリスクがあります。そのため、計画段階で予測できるリスクを洗い出し、その対応策を検討しておくことが不可欠です。リスクには大きく、社内要因と社外要因に分類できます。



想定リスク

社内要因

・運営における人材の確保

・技術力の不足

・資金繰りが悪化

・自社内部の課題      など

社外要因

・社会情勢の変化

・自然災害の発生

・法令改正         など

これらのリスクは発生確率や事業への影響度はそれぞれ異なります。特に、重大な支障をきたす恐れのあるリスクについては、具体的な対策を立てておくべきです。リスクと対応策を計画書に明記しておけば、経営層に事業の安全度や実現可能性を示せます。また、綿密に準備している様子や対応力の高さのアピールにもつながり、承認を得られる可能性も高まるでしょう。

撤退基準を設ける

新規事業は魅力的なプランであっても、必ずしも事業が軌道に乗るとは限りません。赤字が継続するなど思わしくない状況に陥る可能性もあるでしょう。そのため、あらかじめ撤退の基準や時期を明確に定めておくことが大切です。

撤退基準を設けることは、リスクを適切に管理できるとも捉えられます。例えば、「3年連続で赤字が続いた場合は撤退」など具体的に定めておけば、早期の損切りが可能です。資金回収や人員の再配置などの対策も講じやすくなり、被害を最小限に抑えられます。


財務計画や想定リスクと併せて、撤退基準も計画書に盛り込んでおけば、事業計画の現実味が増します。リスクを考慮しながら現実的な目標を立て、未達時の対処法まで明記できれば、経営層のみならず金融機関や投資家からの信頼も得られやすくなるでしょう。

新規事業の計画書作成にはテンプレートを活用しよう

新規事業を実行する前には、計画書の作成が必須です。社内承認や決済を得るためには、経営層を説得できるよう詳細に作成する必要があります。作成するときは経営者視点でデータをまとめたり予測を立てたりすることが重要です。

計画書の作成にあたり、会社概要やスケジュールなどの必須項目はテンプレートを活用するのもおすすめです。テンプレートで効率化を図りながら、伝わりやすく実現可能性の高い計画書を作成しましょう。また、経営層を説得しやすいコツを盛り込んでおくと、稟議で承認を得られる可能性が高まります。綿密な計画書を作成して、新規事業を成功に導いてください。

新規事業計画書に役立つテンプレート集については、こちらから無料ダウンロードできます。


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