新規事業助成金の代表7選 | 手続きや注意点まで分かりやすく解説

新規事業助成金の代表7選 | 手続きや注意点まで分かりやすく解説

目次

「新規事業をスタートすることになったが、売上げ見込みが立たないため、思い切った投資が難しい」

「助成金や補助金を活用したいものの、社内に前例がなく自社のケースにフィットした助成金が分からない」


助成金や補助金は、国や地方自治体などが実施している、返済不要の資金を企業に提供する制度です。主に中小企業や小規模事業者の支援を目的としています。


しかし言葉としては知っていても、実際に助成金を活用するケースはそれほど頻繁に発生しないかと思います。

したがって、いざ興味を持っても「どんな種類があるのか」「どんな注意点があるのか」を熟知している方は稀でしょう。


当記事では、「色々な助成金の種類があって選べない」というお悩みの声に応え、代表的な7つの助成金に絞って紹介します。

新規事業に使える7つの助成金

ここまでお読みいただければ、おおよそ自社のケースに当てはめて、検討候補となる助成金の目処がつくはずです。


ただし、助成金は申請手続きが必要となるため、注意すべき点や必要な手順を把握しておかないと、本来のメリットが享受できません。


ある調査によると、助成金に対する認知度は90%以上なものの、実際に助成金を申請したことがある人は約25%に留まっています。

申請しない理由としては「自社にあった助成金が分からない」や「手続きが難しそう」が代表的な意見でした。

参考:9割以上の企業、国や自治体の「助成金制度」を認知するも、申請率は約2割


そこで記事の後半では、助成金を申請する場合の手続きの流れや注意点、助成金未利用者からよく聞かれる疑問について紹介します。


・多少面倒な手続きをしてでも助成金を活用するメリットとは?

・助成金に関するよく聞かれる疑問と回答とは?

・実際の手続きのステップや注意点とは?



最後までお読みいただければ、自社が利用したい助成金の候補が見つかり、具体的に「いつ頃・どんな手順で」手続きをすべきかを調べ始められるはずです。


助成金はある意味「知っている人が得をする」ような仕組みです。

きちんと調べて適切な助成金を受給できれば、自社のコスト負担を減らすことができ、その分品質にこだわった新規事業開発が進められるでしょう。


ぜひ当記事で助成金の基礎知識を理解していただき、助成金を申請するための第一歩を踏み出していただければ幸いです。


1.新規事業に使える助成金は7種類

新しく事業をスタートさせる際に活用できる、代表的な助成金は7種類あります。


本章では7つの助成金の内容やどんなケースに向いているかを紹介しますが、その前に「助成金」と「補助金」の違いについて軽く言及しておきます。


助成金も補助金も、国や自治体、民間団体から支給されるお金です。それぞれの財源は税金や企業が支払う雇用保険料で、お金を受け取るためには申請や審査が必要な点は二つとも同じです。


簡単に二つの違いを整理すると、以下の通りです。


助成金と補助金の違い

・助成金・・・・・・要件を満たせば基本的に受給することが出来るが、給付金額は数十万程度


・補助金・・・・・・予算が決まっているため、要件を満たせても受給できない場合があるが、給付金額は助成金より多い傾向にある



したがって、まずは補助金か助成金かというより、受給金額・受給時期・新規事業の内容等の観点で、自社の場合はどの受給金がふさわしいかという観点で、探していただければと思います。


その前提で、本章では新規事業に活用できる代表的な助成金・補助金を7つ紹介していきます。


1-1.ものづくり補助金

ものづくり補助金は、メーカー業をはじめとした新しいものづくりや新サービスを支援する制度です。


「試作品の開発」「設備投資」などが対象となり、それらにかかる費用の一部を補助します。正式名称は「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」です。


基本的に、ものづくり補助金は中小企業や小規模事業者を対象としています。概要は以下の通りです。


「ものづくり補助金」の概要

対象

資本金5,000万円以下、従業員数50人以下の法人

補助金・補助率目安

一般型が上限1,000万円(中小企業の場合補助率は1/2)

申請締め切り

2023年11月7日(火) 17時

(16次公募の場合。17次締め切りは未定)

※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


ものづくり助成金の特徴は、随時新しい枠が追加されている点です。

例えば海外展開をめざす会社に向けた「グローバル展開型」コースや、新型コロナウイルス対応向けの「低感染リスク型ビジネス枠」コースなどです。


興味を持たれた場合は、ホームページで最新のコースを確認するようにしてください。

参考:ものづくり補助金 公式ホームページ


「ものづくり助成金」がおすすめなケース

・新技術、新製品など世の中でまだ広まっていないテクノロジーやプロダクトを開発する場合

・地域貢献を目指して、地方で新しく工場や店舗を開設する場合

・新サービス開発のために、新たに設備投資が必要となる場合


1-2.小規模事業者持続化補助金

ものづくり補助金は中小企業が主な対象ですが、小規模事業者持続化補助金はより小規模な事業者向けの制度です。


例えば製造業なら、従業員20人以下の法人が対象です。概要は以下の通りです。


「小規模事業者持続化補助金」の概要

対象

20人以下
※宿泊業・娯楽業除く商業・サービス業は5人以下

補助金・補助率目安

補助上限は50万円~200万円(補助率は2/3)

申請締め切り

2023年12月12日

(14次公募の場合。15次締め切りは未定)


※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


新商品の開発やPRなど幅広い場面で利用できるため、少ないリソースで新規事業を検討する企業は検討したい補助金でしょう。

採択されれば、経営計画のアドバイスを受けられる点もメリットです。


「一般型」の他に、2021年には「低感染リスク型ビジネス枠」というコースが設立されました。これはポストコロナ時代に向けて、人との接触を減らすための事業などが対象です。


例えば飲食店がテイクアウト事業を始めたり、店舗がEC事業を始めたりするような新規事業が想定されます。一般型と同じく小規模事業者向けですが、助成額の上限は100万円(補助率3/4)と一般型より高く設定されています。

参考:小規模事業者持続化補助金 公式ホームページ



「小規模事業者持続化補助金」がおすすめなケース

・創業から間がなく、50名以下など社員が少ない場合

・インバウンド需要など、世の中の潮流にあわせた商品開発・改良を加えたい場合

・新商品を開発したものの、ポスターやパンフレットなど広報予算が不足している場合


1-3.事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編など思い切った事業再構築に取り組もうとする中小企業の挑戦を支援する制度です。


もともとは新型コロナウイルス感染症で売上減少した会社を支援するため、2021年に設立された補助金でした。

現在ではポストコロナに向けて、新しい分野への進出や業態転換などを目指す企業を主な対象としています。


事業再構築補助金の特徴は、中小企業だけではなく、もう少し規模の大きな中堅企業でも申請ができる点です。概要は以下の通りです。


「事業再構築補助金」の概要

対象

20人以下~101人以上

補助金・補助率目安

「成長枠」の補助上限は2,000万円~7,000万円(補助率は1/2~2/3)

申請締め切り

2023年度は3回程度の公募を実施

(最新の第11回は2023年10月6日締め切り)


※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


補助金額はコースや企業規模によって分かれていますが、数千万円が中心で、なかには一億円以上支給されるコースもあります。


金額上限が高めになっているのは、思い切った事業転換などを想定しているためでしょう。なおこの補助金は、新型コロナウイルスなどの影響を受け売上が減少していることが申請条件に含まれています。

参考:事業再構築補助金 公式ホームページ



「事業再構築補助金」がおすすめなケース

・新商品開発の規模が大きく、一千万円規模の投資が必要な場合

・既存の主力企業がダメージを受け、大きく事業の方向性を変える必要がある場合(業態転換をするイメージ)

・新規事業や申請にあたる社員リソースが潤沢に確保でき、しっかりとした事業計画書が作成できる場合


1-4.IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際にかかる費用の一部を補助する制度です。ITツールの導入による新規事業開発や、業務生産性向上を目的としています。


新規事業に取り組むとなると、マーケティングやサービス提供プロセス構築などの目的で、新しいITシステムの導入を迫られるケースがほとんどです。

このようなITツールを導入したいけれど、資金不足で実現できていない企業が活用できる制度でしょう。概要は以下の通りです。


「IT導入補助金」の概要

対象

中小企業・小規模事業者(5名以下~900人まで)

補助金・補助率目安

「通常枠」が上限450万円(補助率1/2)

申請締め切り

コースによって年2回~6回程度の公募を実施。2023年度は3回程度の公募を実施

(最新の公募は2023年9月12日締め切り)

※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


なおIT導入補助金を申請するには、業者やITツールの選定が済んでいることが条件となります。

IT導入補助金には「運営事務局が認定した業者やITツールを使う」という要件があります。事前に利用できる業者やITツールをリサーチした上で、申請するかどうか検討しましょう。

参考:IT導入補助金 公式ホームページ


「IT導入補助金」がおすすめなケース

・新規事業を展開するにあたり、既存システムのDX化や新規のITシステムが不可欠な場合

・必要となるITシステムやツールの目途がついており、価格やランニングコストが明確な場合

・社会情勢の変化により情報セキュリティ対策に迫られ、ウイルス・不正アクセス・情報流出等に対応する必要がある場合


1-5.事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継をきっかけに新しい取り組み等を行う、および事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎをする中小企業を支援する制度です。


中小企業においては、後継者不足が深刻な課題となっています。

経営者の交代やM&Aをきっかけに新規事業に取り組むケースも対象となりうるため、新規事業に役立てられる可能性がある補助金といえるでしょう。


対象は中小企業ですが、他の補助金と同様に業種によって資本金や従業員数の上限が決まっています。また、事業継承形態などについても細かい条件が設定されていますが、概要は以下の通りです。


「事業承継・引継ぎ補助金」の概要

対象

社員数300人以下の会社及び個人事業主・資本金3 億円以下の会社(製造業の場合)

補助金・補助率目安

「経営革新事業枠」が100万円~800万円(補助率1/2~2/3)

申請締め切り

7次公募は2023年11月17日

※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


この補助金はいくつかコースに分かれていて受給金額もそれぞれ異なりますが、全体で見ると上限400万もしくは800万円(補助率2/3)と比較的高額となるため、事業再編を予定している場合は検討してみてはいかがでしょうか。

参考:事業承継・引継ぎ補助金 公式ホームページ


「事業承継・引継ぎ補助金」がおすすめなケース

・事業承継やM&Aをきっかけに、新規事業への挑戦や新規顧客の開拓などをしたい場合

・M&Aを利用した事業承継や経営資源の引継ぎするにあたり、専門家のサポートを受けたい場合

・経営者の交代をきっかけとして、大きな事業変革をはかりたい場合


1-6.JAPANブランド育成支援事業

JAPANブランド育成支援事業は、海外展開をめざす中小企業に対して、新商品・サービスの開発改良、新規販路等の経費の一部を補助する制度です。


日本が誇る技術力を駆使した商品・サービスを海外展開し、地方産業や中小企業のブランディングを高める目的があります。概要は以下の通りです。


「JAPANブランド育成支援事業」の概要

対象

社員数50人~300人

補助金・補助率目安

100万円~3,000万円(補助率1/2~2/3)

申請締め切り

16次公募は2023年11月7日

※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


過去の採択事業のケースでは「日本酒」「繊維」などに始まり、なかには「どら焼き」というユニークなものがあります。

傾向としては、日本の伝統的な技術や商品・サービスが選ばれる特徴があるでしょう。概要は以下の通りです。

参考:JAPANブランド育成支援事業 公式ホームページ
(2023年度からは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」のうち、グローバル市場開拓枠②海外市場開拓(JAPANブランド)類型に統合)


「JAPANブランド育成支援事業」がおすすめなケース

・技術力には自信があるものの国内市場では苦戦しており、海外マーケットに進出したい場合

・商品・サービスの品質を高めるために、直接現地で展示会やイベントを実施したい場合

・海外進出にあたり現地の専門家のサポートを受けたい、またはグローバル人材を育成したい場合


1-7.キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規社員や派遣労働社員の正社員化や処遇改善を実施した事業者に対して支給される制度です。

取り組み内容に応じた全6つのコースがありますが、概要は以下の通りです。


「キャリアアップ助成金」の概要

対象

雇用保険適用事業所の事業主

補助金・補助率目安

「正社員化コース」の1人あたりの支給額は21万円~57万円

申請締め切り

「正社員化コース」の場合、正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内

※対象や補助金は、業種・企業規模・申請コースによって規定が異なります


例えば「正社員化コース」では、有期雇用労働者等を正社員化した場合、一人あたり最大57万円が支給されます。他にも有期雇用労働者の基本給の賃金規定を改定し、3%以上増額した場合に支給される「賃金規定等改定コース」など、取り組み内容によって様々なコースがあります。


直接的に新規事業には関係ない助成金ではありますが、新規事業をスタートさせるにあたり、既存の非正規社員の力を活用したい場合にはおすすめの補助金です。


キャリアアップ助成金は支給が「社員一人あたり」という算出方法となります。そのため、規模が大きい新規事業で、複数の非正規社員が対象となるケースでは、スケールメリットが出やすいでしょう。


参考:キャリアップ助成金 公式ホームページ


「キャリアアップ助成金」がおすすめなケース

・既存事業の業務変革を行っているため、現在の非正規社員の力を活用したい場合

・新規事業担当の外部採用が難航しており、既存の非正規社員のチャレンジに期待したい場合

・新規事業を担うにあたり、非正規社員の賃金をアップさせることで、モチベーションを上げてほしい場合


2.新規事業で助成金を活用するメリット

前章で紹介した助成金ですが、新規事業の構想段階では「手続きが面倒くさそうだ」「募集期間までに内容が決められない」など、そこまで前向きになれない方もいらっしゃるかと思います。


本章では、新規事業を始めるならなぜ助成金を活用するべきかのメリットについてあらためてお伝えします。

2‐1.返済不要で高額な資金を得られる

新規事業助成金を活用するメリットは、受給できる金額が大きく、なおかつ返済が不要な点です。


新規事業の資金調達と聞くと、まず「融資」をイメージする方も多いのではないでしょうか。ただし融資となると、返済が大きな負担となるリスクがあります。

新規事業はすぐに投資した資金が回収できるとは限らず、当面赤字が続くことも想定されるでしょう。


できるだけ少ないリスクで資金調達するには、融資だけではなく返済不要の助成金や補助金を活用したいところです。


ただし助成金や補助金を申請すれば、自社で資金を用意しなくてよい訳ではありません。

助成金や補助金は実際に経費がかかった後に支給されるため、受給できるまでは一時的に自社で立て替える必要があります。


ある程度、自己資金が用意できるのであれば、助成金を活用することで資金面の大幅なバックアップが期待できるでしょう。


2‐2.精度が高い事業計画を立てられる

助成金をきっかけとして、自社の計画を見直して事業計画の精度を高められる点もメリットの一つです。


新規事業助成金の申請過程では、事業計画の再確認やブラッシュアップの機会が設けられます。これにより、事業計画の抜け漏れや問題点を見つけ、改善することができます。


また、助成金の申請審査では、第三者的な視点からのフィードバックが得られるケースもあるため、自社の事業計画に対する客観的な評価を得ることができます。


2-3.企業の評価が上がり融資に有利になる

実際に助成金の審査に通った暁には、公的機関による企業評価が認められた状態といえるでしょう。

この実績があることで、金融機関等で融資を受ける場合に、企業としての評価を上げられることもメリットです。


一般的に銀行などの金融機関の審査は厳しく、融資を見送られる企業も多く見受けられます。

ただし助成金・補助金に採択された実績があれば、企業の信用度が上がり、融資が受けられる確率が上がります。


助成金は国や自治体などが設立するものであり、採択されれば事業に対する「お墨付き」を得たような状態となるためです。


さらに、助成金を受けるために働きやすい環境が整う副次効果も期待できます。


補助金で設備やシステムを導入すると、働きやすい環境を構築でき、人材確保にもつながります。

テレワーク環境を整備してワークライフバランスの維持をはかったり、勤怠管理システムを導入して労働状況を把握したりして、働きやすい環境構築が整いやすくなるでしょう。


3.実際に助成金を活用する際に押さえたいポイント

助成金はそこまで頻繁に活用する機会はないものなので、初めて検討する方は素朴な疑問も浮かぶかもしれません。


本章では、助成金の申請に関して代表的な疑問を二つ取り上げて、ポイントを解説していきます。


3‐1.複数申請できるのか?

補助金は、対象となる経費が異なる事業での使用であれば、併用が可能です。


たとえば、新しい生産設備1台を購入するために、基本的に2つの補助金を受給することはできません。

ただし、同一事業の同一経費に対する使用ではなく、異なる事業や異なる費目など「ほかの補助金と対象経費が明確に区分できるもの」であれば、複数の補助金を併用できる可能性があると見なせます。


また、併用したい補助金がある場合、どの経費に対しどの補助金を申請すれば最も補助上限額が高くなるかを、それぞれの補助金の公募要領や公式サイトをよく確認するようにしましょう。


食品メーカーA社のケース

課題:食品のロスが多く自社の利益や環境への配慮の観点からも改善したい

事業計画:SDGsを目指し食品ロスを無くすべく、EC事業での新規分野展開に挑む


  • EC事業の立ち上げに必要な設備・商品開発・販促費 ⇒ 事業再構築補助金

  • EC事業で使用する設備や商品開発にかかる費用 ⇒ ものづくり補助金

  • EC事業の広告宣伝費 ⇒ 小規模事業者持続化補助金


飲食店事業者B社のケース

課題:コロナ禍で売上が減少しており経営を立ち直すためにも新規事業を始めたい

事業計画:新たに飲食店専門の物件サイトを紹介する不動産事業と小売事業で新規分野展開に挑む


  • 不動産事業の立ち上げ ⇒ 事業再構築補助金

  • 小売事業でECサイトを構築 ⇒ IT導入補助金


3‐2.選び方の目安はどう考えればよいか?

助成金・補助金の活用が初めての場合は、まずはメジャーなものからリサーチを開始しましょう。


多くの企業が利用して信頼できるうえに、過去の審査実績から手続きのプロセスがブラッシュアップされている可能性があるからです。


例えば、経済産業省が中小企業向けに開設している補助金サイト『ミラサポ』では、人気の補助金として以下4つを紹介しています。

参考:経済産業省「ミラサポplus」


初めての申請であれば、まずはメジャーな助成金で申請をしてみて、申請書を作成するパワーなどの勘所をつかむこともおすすめです。


ただしメジャーな助成金であれば多数の応募も予測されます。

「ITツールの活用が必須」や「海外進出が前提」など、事業の方向性が見えている場合は、照準を絞って狙いやすい助成金を探すことも一手段でしょう。


4.新規事業で助成金を検討する際の注意点

メリットが大きい助成金・補助金ですが、注意すべき点もあります。

本章では、これまで助成金を利用した企業からよく聞かれる注意点についてお知らせします。


4‐1.告知から締め切りまでの期間が短い

助成金・補助金には公募期間があり、特に締め切りが早いものには注意が必要です。


とりわけ補助金は公募期間が短いものが多く、迅速に行動しないと申請が間に合わないこともあります。

補助金は予算が決まっているため、申請数が多ければ早々に公募が打ち切られます。狙っている補助金があれば、過去の公募要領を見て事前に準備しておくとスムーズに動けるでしょう。


4‐2.採択から助成金の受け取りまで時間がかかる

助成金は、基本的に「後払い」と考え、受け取りまでの時間も考慮すべきでしょう。


前述したように、基本的に助成金の受け取りは事業開始後になります。採択されても実際にお金を受け取るまでは時間がかかるため、いったんは自己資金で立て替えなくてはいけません。


また、要件確認と書類の準備に時間がかかる点にも注意が必要です。


公募要領に記される内容は複雑なものもあり、ノウハウがなければ要件確認と書類の準備に時間がかかります。補助金の種類や申請数が変われば、必要書類も変わります。


いくら丁寧に準備した書類でも、記入ミスや不備があると不採択になってしまいます。

希望する助成金がある場合は、準備に必要な人員・期間などリソースを確保するようにしましょう。


5.助成金や補助金の申請手順

ここまでお読みいただき、助成金・補助金に興味を持った方に向けて、最後に申請手順についても軽く紹介しておきます。


ただし、申請したい助成金によっては必要な書類や申請期間が異なるため、実際にはターゲットとしたい助成金の申請サイトを熟読し、必要なプロセスや期間を見積もるようにしましょう。


5‐1.情報収集

第一歩として、どのような補助金や助成金があるかを知るために情報収集をしましょう。


今回紹介した代表的な助成金や補助金以外に、地方自治体が行っている助成金もあります。


助成金は政府や地方自治体のホームページに掲載されているので、自社の新規事業にふさわしいものがないかを情報収集してください。


5‐2.申請

利用したい助成金が見つかれば、申請期限を確認し申請書や提出書類を作成して、指定された窓口に申請しましょう。


募集要項や申請用紙は、各助成金のホームページからダウンロードできることが多いです。


申請書を郵送で提出する必要があるもの、窓口での提出が必要なものなどあるので、各提出方法についても確認するようにしましょう。


5‐3.交付決定

申請が完了すると、各補助金事務局や委員会によって申請書が審査されます。

助成金によっては、数週間から数か月の審査期間があります。


審査後、助成金の交付が決定されたら、審査結果の通知や助成金交付の規程、助成金交付の申請書を受け取り記入後提出します。


提出書類に記入漏れや記入ミスなどなければ交付決定の通知書が発行され、助成金の交付が決定します。


5‐4.事業開始

助成金の交付が決定したら、新規事業の必要な準備を進めたうえで事業を開始します。


多くの助成金では、事業の途中で事務局による中間検査を受ける必要があります。


中間検査で引っかかることがないよう、助成金の対象となる経費についての領収書や書類は、大切に保管しておくようにしましょう。


5‐5.助成金の交付

事業が終了したら事業内容や事業にかかった経費を報告するため、報告書や領収書などの書類を事務局に提出します。


提出された書類をもとに事務局が確認し、問題がなければ助成金の金額が確定し、給付される金額の確定通知が送られます。


通知を受け取った後、請求書を事務局へ送付し、助成金が交付されます。


6.まとめ

今回は、新規事業に活用できる助成金・補助金について概要を紹介しました。あらためて、当記事のポイントを振り返ります。


◎代表的な助成金・補助金は以下の7つ

・ものづくり助成金

・小規模事業者持続化補助金

・事業再構築補助金

・IT導入補助金

・事業承継・引継ぎ補助金

・JAPANブランド育成支援事業

・キャリアアップ助成金


◎助成金を活用するメリットは以下の3点

・返済不要で高額な資金を得られる

・精度が高い事業計画を立てられる

・企業の評価が上がり融資に有利になる


◎実際に助成金を活用する際に抑えたいポイントは以下の2点

・複数申請できるのか?・・・・・・別目的であれば可能

・選び方の目安はどう考えればよいか?・・・・・・初めてであればメジャーな助成金から


◎助成金を検討する際に注意したいのは以下の2点

・告知から締め切りまでの期間が短い

・採択から助成金の受け取りまで時間がかかる


◎助成金の一般的な申請の流れは以下の5ステップ

・情報収集

・申請

・交付決定

・事業開始

・助成金の交付


新規事業は既存事業と比べると、先々の見通しがききにくい特徴があります。

そのため、不測の事態に備えて自社の予算をストックしておくために、返済不要な助成金・補助金は頼もしい存在でしょう。


ただし助成金の手続きにはそれなりのパワーが発生します。

新規事業はただでさえやるべきことが多くなるため、助成金を活用したい場合は、事前に情報収集を行い、スムーズな申請プロセスを踏めるように準備をしましょう。



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