【4ステップだけ】システムの要件定義とは?進め方や定義書の項目を解説
目次
要件定義とは?
要件定義は、システム開発における土台のような役割を担っています。まずは要件定義の違いや関連用語との違いについてご説明します。
要件定義とは、システムに求める機能・性能を定義すること
要件定義とは、開発するシステムについて具体的な機能や性能といった仕様を定義することです。システム開発は、定義された要件を基に進行するため、要件定義はシステム開発の中でも特に重要な工程といえます。
要件定義と要求定義の違い
要件定義に似た言葉に「要求定義」があります。要求定義は、システムに求める機能や成果物のイメージ、システムを開発する目的についてまとめます。要求定義は主に要件定義をするための「準備」や「整理」として実施される工程です。
【4ステップだけ】要件定義の流れ
要件定義はシステム開発の発注側と受注側との間でコミュニケーションを取りながら進めていきます。ここからは、実際の要件定義の流れについて4つのステップで説明します。
1.発注側が開発目的や目標、要求を共有する
まず、発注側がシステム開発の目的や目標、希望する機能を開発会社側に共有します。「なぜシステムを開発するのか」という点を発注側・開発会社側で共有し合うことで、目的達成に必要な具体的な機能や仕様の検討ができます。このとき、開発目的やシステムそのものに関する不明点や疑問点を解消しておくことも重要です。
2.システムの全体的な構成を決める
システム開発の目的・目標や要求を共有した後は、システム全体の構成を決めます。システムに搭載する機能や連携するハードウェア・ソフトウェア、ユーザーが用いるデバイスなどをER図に表すなどして、機能や連携するウェアとの関係性を整理していきます。
3.機能要件、非機能要件を定義する
システムの全体的な構成が決まったら、続いて機能要件と非機能要件を定義します。機能要件とは、システム開発に要求される機能要件のことで、非機能要件はセキュリティや運用・保守性など機能以外の要件のこと。この2つを踏まえながら、システム開発の詳細を定義します。
このとき、スケジュールなどを確定させる観点から機能要件の優先順位を決めることも大事な作業です。
4.プロジェクト内容を決定し、要件定義書を作成する
ステップ4は、検討した事項をドキュメント化し要件定義書を作成します。要件定義書は、見積り額やプロジェクトメンバーなど、開発体制に関わる部分も含めて記載します。要件定義書を発注側・開発会社側で共有し、認識をそろえることでプロジェクト着手後の認識相違やトラブルを防ぎます。
要件定義で重要なポイント
システム開発は要件定義書を基に行われるため、検討事項の漏れやミスがあると成果物や費用が想定と異なる可能性があります。ここからは、要件定義を行ううえで重要なポイントを4つご紹介します。
1.発注側と受注側で成果物の認識をそろえる
理想のシステムを開発するためには、最終的な成果物のイメージや機能など、発注側と開発会社側の双方で認識をそろえることが重要です。開発着手後の機能追加は追加費用の発生やスケジュールの遅延といったことにつながるため、成果物の認識がそろうまで議論を重ねましょう。また、不用意なトラブルを避けるためにも、開発メンバーの稼働期間や交わしている契約内容の確認も大切です。
2.余裕のあるスケジュール設定にする
システム開発では想定外のトラブルが原因で進捗に遅れが出ることもあります。例えば、開発機能に不具合が生じ、リリースタイミングを変更する必要性が生じる可能性もあります。そのため、リリースの直前1週間程度、バッファー期間を設けるなど、余裕のあるスケジュールを設定しましょう。
3.コミュニケーションの頻度や方法を決めておく
システム開発では、納品物の認識をそろえたり、突発的なタスクを共有したりと、積極的なコミュニケーションが必要です。そのため、要件定義の段階でコミュニケーションの頻度や方法を決めておくと、システム開発を順調に進めることができます。例えば、定例のミーティングを週次で設定したり、連絡ツールやドキュメントの格納場所などを決めて置いたりすることで、コミュニケーションの頻度を上げながら、連絡工数の改善につながります。
4.現行システムの仕様を確認する
既存システムに新しいシステムを組み込む場合、仕様の確認は必須です。確認で抜け漏れがある場合、新たに導入するシステムが不具合を生じ、既存システムが運用できなくなる場合があります。また、本来であれば必要のないAPI開発が必要になるなど無駄な費用発生につながることもあるため、要件定義の段階で既存システムの仕様は必ず確認しましょう。
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まとめ
要件定義ではシステムの開発側が発注側から受けた要求を具体的な機能に落とし込むことであり、定義された要件を基にシステムの開発が進行します。要件定義では、発注者側と受注者側で最終的な成果物のイメージを共有し、認識のずれをなくすことがとても重要です。
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