仕様書とは?種類と特徴、必須項目が1分で分かる 無料テンプレートも紹介

仕様書とは?種類と特徴、必須項目が1分で分かる 無料テンプレートも紹介
「仕様書」とはよく耳にするものの、なぜ必要か、誰が作成するのかなど疑問点をお持ちの方もいるでしょう。しかしこれは、ソフトウェア開発やプロジェクト管理等の分野で必ず使用する重要な文書です。仕様書なくしてプロジェクトの成功はありえない、といっても過言ではありません。この記事では、仕様書作成における必要事項をまとめました。またpdfやエクセルで無料ダウンロードできる標準的な仕様書のテンプレートサイトなどもご案内します。この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でシステム・アプリ開発に携わる泉川学が作成しました。

目次

画面仕様書・設計書のテンプレートはこちらから無料でダウンロードいただけます。

仕様書とは?

「仕様書」は、システムが備えるべき機能や性能などを記載した文書のことです。システムを開発する際など、システムのあるべき姿を示し、「何を作るのか」を文や図で表現しています。

例えば、ページごとのレイアウトを表したワイヤーフレーム、ページ内の各部分をどのような仕様にするかのテキストなどを記載します。その前提として、このサイトの目的や、どうマネタイズするのかといったサイト内の導線などについても記載することがあります。

仕様書は要件定義で定められたものを満たし、プロジェクトを進行する要となります。

システム開発に当たって必要な文書としては、仕様書の他に設計書もありますが、企業によって、どこまでを仕様書、設計書とするかは異なることも、心に留めておきましょう。

なお、システム開発を外注する場合、仕様書は開発企業が作成する場合と発注側の企業が作成する場合のケースバイケース。発注側の体制とご意向によって、発注側で用意するケースもあれば、開発企業がヒアリングしながら一緒に作っていくケースもあります。


なぜ仕様書が必要?

仕様書はプロジェクトの成功に必要不可欠です。なぜなら、多くの人が関わるプロジェクトにおいて、仕様書がなければ認識齟齬が生まれてしまうから。仕様書があることで共通言語が確立され、意図や要件が明確になり、コミュニケーションが円滑に進みます。さらに、仕様書はプロジェクトの進行状況や品質管理の基準として活用が可能。プロジェクトの変更や追加要件が発生した場合、仕様書を基準に正確な判断や調整をすることになるので、最初の段階で仕様の抜け漏れがないかは要注意。理想の完成に近づけるため、イメージを明確に記載しましょう。


仕様書の種類と特徴は?

仕様書にはさまざまな種類があり、代表的なものとしては、機能仕様書、技術仕様書、要求仕様書が挙げられます。下記ではそれぞれを紹介します。

機能仕様書技術仕様書
要求仕様書
・プロジェクト開発の要件をまとめた文書
・開発部隊の責任者が作成
・機能仕様書の内容をどう実現するかまとめた文書
・開発部隊のSEやプログラマーが共同作成

・クライアント側の要望を定義した文書
・クライアント側が作成

機能仕様書

機能仕様書は、プロジェクトで開発するソフトウェアの動作について必要な要件をまとめた文書。開発部隊の責任者であるPM(プロジェクトマネージャー)やSE(システムエンジニア)が、開発依頼する企業の要望を聞き取り作成します。視点を“(製品開発を行う)私たち”として記載し、プログラマーがこれを見ただけで業務に着手できるのが理想的です。

技術仕様書

技術仕様書は、機能仕様書に記載された機能開発を遂行するための手法をまとめた文書。開発部隊のSE(システムエンジニア)やプログラマーが相談しながら作成するのが一般的です。

要求仕様書

要求仕様書は、開発するシステムやソフトウェアの要件を記した文書。開発の目的や機能、特性、インターフェース、セキュリティ、品質保証等を記述します。開発依頼する企業側が作成するのが一般的。開発会社に丸投げするのではなく、実現したいことがちゃんと伝わっているか確認しながら行いましょう。

仕様書といっても、それぞれ異なる特徴と目的があるのです。ただ共通するのは、明確な目標と要件の定義、システムの設計や仕様の詳細、品質基準やテスト方法の記述が重要だということ。ただし、仕様書を作成しても変更や修正はつきものです。継続的な更新とバージョン管理は行いましょう。

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仕様書に盛り込むべき必須項目

仕様書は、いわば開発のための説明書。盛り込んでおくべき必須の項目を紹介します。

プロジェクトの目的・要件定義

開発したいシステムについて、「何をどうしたいか」を明確にします。開発依頼する企業側が開発会社と打ち合わせしながら、認識をすり合わせ、方向性を決定。ここで認識齟齬があると、修正が何度も発生することに。開発スピードの減速や、どんどん開発費用がかさむことにもつながりかねません。システム内の「企画」の部分は事業の根幹に関わる部分なので、特に重要。開発会社頼みにせず、開発依頼する企業側がで決定しましょう。

設計・機能の仕様

設計は、「基本設計(外部設計)」と「詳細設計(内部設計)」の2種類。この工程は開発企業側が行います。

基本設計は、UI(ユーザーインターフェース)の設計のことで、ユーザーから見たときにどのような動作になるのかを決めるためのもの。外見やページデザイン、操作性、使い勝手に作用する部分。要件定義を元に行います。

詳細設計は、プログラミングを行うプログラマーに向け作成するもの。機能や動作といった「中身」に関する設計のことです。基本設計で固めたシステムの全体像を具体化させるため、専門用語が並ぶことも。


無料でダウンロードできる仕様書のテンプレートサイト紹介

仕様書を一から作成する必要はありません。無料でダウンロードできるテンプレートサイトを活用して、効率的かつ迅速に必要な文面を揃えましょう。

基本のテンプレートを探すならbizroute  

https://bizroute.net/system_development_template.html

エクセル版の要件定義書、基本設計書、詳細設計書のテンプレートを手に入れるならこちら。必要な素材をzipファイルでまとめてダウンロード可能。要件定義書には表紙・更新履歴・目次・内容の4つ、基本設計書にはシステム構成図・業務フロー図・テーブル定義書・機能一覧・画面一覧・画面遷移図・帳票一覧・帳票レイアウト(縦)・帳票レイアウト(横)の計9つ、詳細設計書には表紙・更新履歴・フレームの3つのシートファイルが含まれています。

40種類以上の設計書・仕様書を用意! PocketDOC

https://pocket9.net/pocketdoc/func

PocketDOCは、設計書や仕様書などのドキュメントやテンプレートを豊富に用意。300,000ダウンロード突破を誇るサイトです。ダウンロード後すぐに使える実例サンプル付き。テンプレートと連動したヘッダ、フッタ一括変換ツールやMicrosoft ExcelのVBAツールを使ったデータベースの便利ツールも揃えています。またツールはオープンソースで、プロジェクト内でカスタマイズなども可能。

無料の機能仕様書テンプレート Smartsheet

https://jp.smartsheet.com/free-functional-specification-templates

組織向上を迅速に促すクラウド型のプロジェクト管理ツールSmartsheet。そこで提供する機能仕様書テンプレートは、Web サイトの機能仕様書・ソフトウェアの機能仕様書・ユース ケースとしての機能仕様書の3つです。機能仕様書の種類ごとに、そのテンプレートにおける説明の記載があるため、わかりやすいのが魅力。サイト内では機能仕様書の必要性や、機能仕様書とビジネス要件書の違いなども補足されているので、参考になるはず。


仕様書作成のポイントと注意点

仕様書は、用語の定義が具体的かつ明確であること、画像や図表など目で見てわかりやすくすること、目次がありレイアウトが整っていることが重要。関係者との共同作業となることが多いので、レビューやフィードバックのプロセスもその都度組み込むことで、仕様書の完成度は上がります。

一方、仕様書を作成する際にはいくつかの注意点があります。ここまで「できる限り詳細に」とお伝えしてきましたが、「必要な情報を適切に」を最低限に捉え、プロジェクトの進行に伴って生じる変更には、柔軟性を持って対応することも重要です。

仕様書は開発チームや関係者の共通理解を深め目的を達成するだけでなく、将来的な保守や運用にも活用できます。プロジェクトの終了後も、仕様書は貴重な資産。適切に管理しておくことが大切です。

 

仕様書とは まとめ

「仕様書」とは、一言でいえばシステム開発の仕様をまとめた文書。機能や性能、特性、達成すべき要件などをまとめたものです。「誰が」「何を」「いつ」「なぜ」これらを明確にすることで、プロジェクト成功へと導きます。開発前に曖昧なことが多かったり、開発チームに共有ができていなかったりすると、本来スムーズに行くはずの開発も、途中でストップしてしまうでしょう。まずは「仕様書」の目的をよく理解することが必要です。

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アプリ開発会社を選ぶなら、実績豊富なデザインワン・ジャパンへ

デザインワン・ジャパンは、アプリ開発の実績が豊富な東証スタンダード上場企業です。開発拠点はベトナムのダナンとフエにありますが、御社とベトナム現地の開発チームとの間には日本人のブリッジSEをアサインするため、まるで日本のIT企業に発注しているかのようにコミュニケーションもスムーズ。コストと品質のバランスが取れた開発が特徴です。

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