インタビューインタビュー

モノづくり×テクノロジー 製造業のポテンシャルをDXで解放する

モノづくり×テクノロジー 製造業のポテンシャルをDXで解放する
「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業サプライチェーンの変革を目指すキャディ株式会社。 国内の産業系メーカー売上トップ20社のうち75%との取引実績がある部品調達プラットフォーム「CADDi MANUFACTURING(マニュファクチャリング)」と、図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER(キャディドロワー)」の二つの事業を展開し、製造業界のDXを推進しています。 今回はCADDi DRAWER事業部で副事業部長を務めるキャディ執行役員の白井陽祐さんに、開発の背景から製造業においてDXを推進する意義、今後の事業展望についてお話をうかがいました。

目次

キャディ株式会社 執行役員 / CADDi DRAWER事業部 副事業部長

白井陽祐氏

東京大学大学院を卒業後、新卒でアドテクベンダー企業に入社。アカウントエグゼクティブとして、SMBからナショナルクライアントまで幅広い顧客にDSP/アドネットワークの提案、DMPの導入支援などを行う。創業期より業務委託で携わっていたキャディ株式会社に、2019年6月に入社。プロダクトマネージャーを経験したのち現職。

社内オペレーションの課題から着想したCADDi DRAWER

貴社が展開している事業について教えてください。

弊社はCADDi MANUFACTURINGとCADDi DRAWERの二つの事業を展開し、製造業の要である調達領域のイノベーションに挑んでいます。

CADDi MANUFACTURINGは、製造業の産業バリューチェーンにおける受発注の課題解決に向け、発注者の依頼に対して、独自のテクノロジーで品質・納期・価格が最も適合する加工会社を選定。実際に検品・納品まで行うことで、最適なサプライチェーンを構築する仕組みを提供してきました。

2022年6月に提供を開始したCADDi DRAWERは、図面などのサプライチェーン上に出てくるデータを管理・活用できるSaaSで、製造業のDXの実現を支援するプロダクトを提供しています。

お客様からお預かりした大切なデータを安全に運用するため、セキュリティ対策にも注力しています。不正アクセスを防ぎ、データを保全・保護するための技術的な対策に加え、情報セキュリティマネジメントの国際標準規格「ISO 27001」の認証を取得し、組織全体でセキュリティ対策に取り組んでいます。


CADDi DRAWERの開発に至った経緯について教えてください。

CADDi MANUFACTURINGではメーカーやサプライヤーの受発注を仲介するので、図面に関する大量の社内オペレーションに苦労した時期がありました。そこで、図面データを効果的に活用できる状態にするために、今のCADDi DRAWERの原型となるシステムを開発して運用していました。

その中で「社内だけでなく、図面を扱う製造業全体の課題を解決できるのではないか」と考え、機能を精査してブラッシュアップし、2022年6月にCADDi DRAWERとして正式にサービス提供を開始しました。


CADDi DRAWERは、どのような業種からの需要があるのでしょうか?

もともとCADDi MANUFACTURINGをご利用いただいていた金属や樹脂加工、産業機械関連の企業にCADDi DRAWERも併せてご利用いただくケースが初めは多く、多品種の部品を小ロットで製造する企業からの需要が高かったです。例えば一つの図面で5個しか作らない部品がたくさんあると、扱う図面数も多くなりますし、図面にかけられる人手も少なくなりますが、CADDi DRAWERを導入していただくことで作業コストが大幅に削減し、業務効率化を実現できます。


CADDi DRAWER提供当初に想定していたユーザーと、実際のユーザー層に相違はありましたか?

事業規模の大きい企業や量産系の企業からの需要も当初我々が思っていたよりも多かったです。

最近では大手自動車メーカーのスズキやSUBARUなど、製品を大量生産をする企業にも導入いただいているのですが、量産系のメーカーでは図面毎にかけられる工数やコストを多品種少量系の企業に比べると相対的に大きくしてもペイしやすいので、CADDi DRAWERの業務効率化を促進するサービス内容は、特に需要がないと考えていたんです。

しかし、事業規模が大きくなれば、それに付随して図面も莫大な数になるため、量産系の会社においてもこれらの課題は同様に発生しうるものであると実感しました。


ノウハウの属人化を防ぎ、企業のアセットを発掘する

一般的に、製造業ではどのように図面データを保管しているケースが多いのでしょうか?

ほとんどの企業がPDFなどでデータ化はしていますが、写真で保管しているのと同じような状態なので検索にかけられません。データは活用できなければ意味がありませんが、ただ保管しているだけになっているケースが多いです。

CADDi DRAWERを導入することで図面やテキスト、受注実績などのデータの解析を素早く実行でき、品質の向上や不良リスクの回避、新図面作図など無駄な工数の削減、新規開発サイクルの短縮などに繋がります。


製造業は豊富な経験を持つ職人やベテランの方が多いイメージがあるのですが、そういった熟練の技術をデジタルツールを使って継承していくことにもニーズがあるのでしょうか?

はい。弊社が先日実施した調査データでも、製造業の9割が人員不足が原因で発生する課題」を感じていると回答しており、一番多かったのは「熟練労働者の不足による品質管理の問題」が42%、次いで「経験豊富な高齢者の退職による専門知識の喪失」が40%と、熟練者の不足や退職によるリスクが浮き彫りになりました。

高い技術と豊富な経験を持つベテランの方の中には、図面やデータを完璧に記憶している方もいらっしゃいますが、ノウハウが属人化した状態では業務効率が悪く、人材が退職した後の知見の喪失、品質低下などのリスクが多々あります。データ、知識、経験という企業のアセットをCADDi DRAWERで発掘し、事業成長につなげていただきたいと考えています。


現在の製造業の課題において、DXはどのように貢献していくと考えていますか。

人員不足や属人化の解消、業務効率化による作業時間の削減などが挙げられます。

 例えば、CADDi DRAWER導入前は、必要な図面を探すだけの作業に月10時間以上かけたり、膨大な過去データがあるのに見つけられず同じような図面を何回も描いたりしている企業もありました。

導入後は探す時間が大幅に削減され、無駄な図面を書く作業もなくなり、より創造的な業務に時間を使えるようになります。


具体的な改善事例を教えてください。

過去の実績データを会社全体で共有することで、資金面でのコストダウンを実現した例があります。

その企業では発注先とのやりとりが属人化しており、担当者がベテランから新人社員に変わると、同じ部品でも価格が上昇してしまうケースもあったそうです。CADDi DRAWER発注実績自動紐付け機能で、発注内容と適正価格を誰でも簡単に把握できるようになった結果、原価が下がりました。

また、同じような図面での新規発注も類似検索機能の活用でなくなり、時間もコストも削減できています。


製造業に新たな価値を創出する

CADDi DRAWERは、今後どのように進化していくのでしょうか?今後の展望をお聞かせください。

サービス開始当初よりも、規模も業種もさまざまな企業にご利用いただけるようになり、ニーズも少しずつ変化していく中で、ユーザーからのフィードバックを機能改善や新規機能開発に活かし、サービスを成長させていきたいと考えています。

グローバルではアメリカ、タイ、ベトナムでもCADDi DRAWER事業を展開を始めましたが、図面にまつわる課題は世界共通なので、こちらも今後さらに成長を加速させていきたいですね。

モノづくりに携わるすべての人が、自社のアセットを最大限に活用できるようになれば、製造業界に新たな価値が生まれ、社会全体が豊かになるでしょう。

そんな社会を目指し、キャディはDXによって製造業のアセット活用を促進し、ポテンシャルを解放するために、今後も国内外でのマーケティングや人材育成、新規開発、R&D(研究開発)に注力していきます。





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