DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜トークセッションイベントレポート

DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜トークセッションイベントレポート
2024年1月18日 (木)、「DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜」をテーマにしたピッチトークが開催されました。イベント内のトークセッションでは、ユーザー目線のクリエイティブ力を活かした「デジタルのモノづくり」を得意とするCrewの五十嵐公輔氏、3D技術やAR/VRを活用したシステム開発やコンサルティングを行うForgersの今泉滉平氏、オフショア拠点を持ちChatGPTのAPIを活用したサービス開発に強みを持つデザインワン・ジャパンの岡⽥博豊氏が登壇。リアルなDX推進事例も交えながら、DXを活かしたサービス開発やChatGPTに代表される生成AIの最前線について話が繰り広げられました。

目次

<トークセッション・登壇者>

株式会社デザインワン・ジャパン DX事業本部 
岡⽥ 博豊氏

2016年デザインワン・ジャパン入社。日本最大級の口コミサイト「エキテン」の代理店営業・セミナー担当として埼玉県庁・大阪商工会議所などのウェブ集客セミナーを担当。 その後、商品企画部を経てDX事業本部に異動し、通算660件以上のシステムやアプリ、ChatGPTのAPIを活用したサービス開発・新規事業開発・SaaS組込み支援に従事。オフショア開発の拠点はベトナムのダナンとフエの2箇所。


株式会社Crew サービス開発部
五十嵐 公輔氏

サイバーエージェントでウェブメディアやアバターサービス「アメーバピグ」の開発・運営を経験した経営陣が中心となり、ユーザー目線でのサービス開発を得意とする。高い技術力でシステムの企画から開発、マーケティングまで一気通貫で対応。toB向け業務システム、toC向けアプリケーション、スタートアップ企業の自社サービスなど多岐にわたる業種、ジャンルの開発実績がある。


株式会社Forgers 代表取締役
今泉 滉平氏










2019年にAR(Augmented Reality:拡張現実)/VR(Virtual Reality:仮想現実)スタートアップの創業に執行役員として参画。自社SaaS「RITTAI」の責任者も担当し、顧客獲得から製品開発など事業の立ち上げを牽引。2023年株式会社Forgersを創業。「RITTAI」事業の譲渡を受ける。AR/VR、メタバースサービスの企画・開発を主力事業とし、NTTドコモやNTT QONOQ向けのXR技術を活用した新製品開発を行う。家具・小売業や製造業などを対象にしたAR/VRサービス、3Dデータや画像・動画ベースの製造業向け手順書サービスは大手から中小企業まで幅広い企業から支持を受けている。


<ファシリテーター>
リトライブ株式会社
吉田氏

DX推進を始めたい、DXを次のステップへと進めたい企業向けに開催されたリトライブ株式会社主催のオープンイノベーションイベント「BeaTRIBES」。「テクノロジーにビジネスの出会いを」というコンセプトのもと、企業間の技術交流やビジネスパートナーの発見につながるイベントとなっています。今回のテーマは「DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜」。変化の激しい現代社会において企業の競争力を高める「DX推進の最前線」を実例を交えて語りました。


自社の強みを活かしたDX推進支援の最前線とは?

吉田 まずは「DX支援企業の最前線」と題しまして、自社の強みを生かした企業のDX推進をサポートしている皆様に最新事例や取り組みについてお伺いしたいです。

五十嵐 弊社はサイバーエージェント出身の経営陣が中心となり、ユーザーファーストのサービス開発や企画力に強みを持っています。デザインや設計、保守、機能改善など一気通貫したサポート体制で企業のDXを推進しています。時にはデザインを得意とする企業様からお声がけ頂き、システム開発を請け負う場合もあります。コロナ禍ではX(旧Twitter)上にアップされた絵師さんやイラストレーターさんが描いた絵を現実の絵馬として神田明神さんに奉納する世界初の「デジタルエマプロジェクト」を実現しました。

今泉 AR、VRの技術を活用したサービス開発やコンサルティング事業、3DやXR(Extended Reality)プラットフォーム「RITTAI」をサービス提供し、受注率の向上や業務効率化を通じたコスト削減のお手伝いをしています。他にも、MRデバイスを活用した遠隔医療支援システムをNTT QONOQさんと開発したり、ウィンドウショッピングが可能なメタバース空間の構築や紙ベースだった商品説明書・仕様書を3DとARを用いてインタラクティブ性を備えた魅力あふれるデジタルカタログに変える支援を行ってきました。













岡田  国内最大級オールジャンル口コミ店舗検索サイト「エキテン」を14年以上運営した知見を活かしてシステム導入やサービス開発を行ったり、ChatGPTのAPIを活用した新規事業開発や業務形SaaSの組込みサービスを積極的に展開しています。オフショア開発拠点はベトナムのダナンとフエにあり、ヘルプデスクの役割を担う社内用チャットボットやクレームのメール内容・文調を感情分析して自動応答するシステムの開発に取り組んでいます。




企業の悩みを解決するDXを活かしたサービス開発

岡田  開発案件で企業から人気が高い機能は「要約」ですね。専門的な言葉や社内のルールを機械学習させ、音声解析AIを用いることで会社やチームごとにカスタマイズされた議事録を作成することが可能です。エンジニアの職務経歴書もGitHubなどに点在する開発実績を一元化して要約する施策も現実に行われています。独自のノウハウを機械学習させて面接官のウケが良い履歴書作りに活用している人材会社もいますね。ChatGPTや生成AIが得意とするプレスリリースの自動作成やブランド名、商品名のアイデア出しにDXの技術を活用するケースも増えてきている印象です。


五十嵐 最近ではYahoo! JAPANさんのトップページのような社内ポータルシステムの開発がお客様に喜ばれました。拠点も複数ある大企業からの依頼でしたが、社内報をメールで共有するなど古い企業体質でした。また、現場部門と内部スタッフの間でのやり取りでミスが発生しがちだったので、社内専用のSNSを導入し社内コミュニケーションを深めることに成功しました。

今泉 スマートフォンのカメラを使い商品画像を現実空間に3D表示することで家具・家電の試し置きができる「RITTAI」というARサービスは、柏木工さん、イトーキさん、ニッセンさんなど企業規模を問わずニーズがありユーザーにも好評です。商品の3Dデータがなくでも商品単体の写真さえあれば実装でき、高いクオリティとコストを大幅に下げることで企業の悩みを解決しています。




GPT Storeの登場で変わる「ChatGPT」の使い方

岡田 ChatGPTを開発したOpenAI社は2023年11月に新機能「GPTs(GPT Builder)」を発表しました。プログラミングに関する難しい知識は不要で独自にカスタマイズしたChatGPTをコードを書かずに対話形式で作成することができます。まさにみんなが欲していた機能だったので登場した時は驚きました。

今泉 「GPTs」は外部のAPIと連携したり、開発したツールを第三者と共有することも可能です。有料会員になれば利用できますが、上手く活用できればすぐに元を取ることができるでしょう。

五十嵐 自作した「GPTs」を公開できる「GTP Store」も2024年1月にスタートしましたよね。アップルユーザー御用達の「App Store」に匹敵するサービスと言っても過言ではないと思います。自由に閲覧、使用でき、マネタイズできるプログラムも導入予定と聞いています。

岡田  「GPTs」の登場で事前学習するデータを細分化することにでタスク毎の業務効率化もできるようになるでしょう。ChatGPTの利用の幅が広がると肌で感じていますが、 「費用対効果を考えると動き出せない」「データ学習済みのChatGPTの回答精度を検証してみたい」と足踏みをしている企業が多いのが現状だと思います。そこで、弊社では「ChatGPT」と「自社データ」を利用し独自のチャットボット環境を作成できる「プレBOT王」を2024年1月にリリースしました。覚え込ませるデータ容量に制限がないことが特徴的です。自社で持っているテキストデータ、PDFデータを覚え込ませてどういった回答が返ってくるのか「学習させたいデータのアップロードからChatGPTの回答精度の確認」までを手軽に試せる検証環境を作成することで各企業のビジネス創出やDX推進につながれば嬉しいです。

今泉  ChatGPT を活用したDXでは「ChatGPTにできること」と「企業が持っているデータ」を上手く掛け合わせて業務効率化、サービス開発を検討することが大切ですね。

五十嵐  システム開発は魔法みたいに思われがちですが、「家作り」に似ています。機能を1つ作るだけでも、幾千もの方法がある。お客様としっかり対話をして要件に落とし込み、多くのステークホルダーに喜んでもらえるサービス作りを続けていきたいと考えています。




リトライブさんによる本イベントのレポートはこちらからご覧ください。



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