オフショア開発のよくある失敗パターンと対策 実例をもとに紹介
目次
イメージしていたのと違うものが納品された
よくある失敗パターンとして挙げられるのは、イメージしていのと異なるものが納品されるケースです。ウェブサービスやアプリの開発といったものは、ゼロからイメージをすり合わせながら作り上げていくものであり、特に、発注する側がITについて詳しくない場合は、開発企業に丸投げになりやすく、そのために「イメージと違う」といったことが往々にして起こります。
オフショア開発においてこの失敗が起こる主な原因となるのは、コミュニケーショの取り方、日本の文化を理解していないと言った点です。対策方法としては下記の2点です。
対策① 何をどのようにしたいのかを言語化・文書化する
作りたいものをきちんと伝えるのは、発注する側の責任でもあります。「いい感じでよろしく」が通用するのは日本だけです。曖昧な表現も、イメージと異なるものが納品される原因の一つ。海外では通用しないことを肝に銘じておく必要があります。
対策方法として有効なのは、何をどのようにしたいのかを文書で作成し、開発会社へ提出することです。まずは企画を明文化した文書として、RFP(提案依頼書)※を作っておきましょう。その後、仕様などを詰めていく上での助けになります。
RFP(提案依頼書)とは
自社の現状の課題や、システムに必要な要件をまとめた資料です。開発企業に発注するときに、依頼主側で作成・提出します。RFPがないと、発注側と受注側の間に深刻なミスマッチが発生するリスクがあります。自社の課題や要望を明確化して正確に伝えたい場合、RFPを作成する企業がほとんどです。
RFPの書き方やテンプレートを紹介しているサイトはこちら↓
https://www.archeress.co.jp/blog/the-worlds-easiest-way-to-write-an-rfp
対策② 日本人がブリッジSEの企業を選ぶ
日本語が堪能であることも、コミュニケーションを取る上で欠かせないスキルですが、実はそれ以上に重要なのは、橋渡し役であるブリッジSEが「日本人」であることです。日本文化を理解していないがゆえに、イメージと異なってしまいかねません。
例えば、高級クラブのPOSレジ連携のシステムを開発したい、という依頼があったとします。飲食代の他に、席代や指名料、サービス料など、料金にはさまざまな項目があり、こうしたことは海外では当たり前のことではありません。日本人のブリッジSEを介すことで、エンジニアなどに具体的な開発内容を伝える際にも伝わりやすくなります。
対策③ 定期的にレビューの機会を設ける
開発がスタートしたら、レビューの機会をこまめに設けてもらうようにしましょう。進捗が見えることで、方向性が全く異なるものが納品されることはなくなります。また、開発側がどのようにするべきか不明な点などを発注者である御社に確認できるため、手戻りが少なくなり、開発費がかさむのを抑えることにもつながるでしょう。
追加費用や想定外の費用がかさみ、結果的に高くついてしまった
机上ではイメージするアプリ開発ができそうでも、実際に試作品のテストなどをしていくと、当初は想定していなかった機能が必要になったり、より使いやすいアプリにしたくなるものです。
また、システムやアプリは、開発が完了した後、それらを「運用する」ことになるため、当然、運用する費用が発生します。例えば、修正が発生した場合の費用なども、保守費用として請求されます。このほかにも機械代やサーバーの維持費、ドメインの継続費などは、アプリやシステムを維持していく上での固定費です。
対策① あらかじめ予算の上限を決めておく
予算の上限は最初に決めておきましょう。追加の作業が発生すれば、追加費用も発生します。極力発生しないように、最初に予算の上限を取り決めておくことが重要です。
対策② 開発後にかかる運用・保守費用を確認しておく
固定費は、開発前の段階では見落としがちです。運用費は開発後に永続的に発生する費用なので、仮に毎月1万円だった場合、数年、数十年のスパンで見ればかなりの費用になります。この点を加味しておかなければ、「アプリは完成したものの、維持できない」ということにもなりかねません。
開発に着手する前に、依頼する企業に算出してもらい、確認しておくようにしましょう。
納期に遅れる・対応が遅い
大幅な納期の遅れは、そもそも工数を見誤っている可能性があります。また、緊急度の高い修正を業務時間外かどうかに関わらず対応してもらいたい場合は、その旨を契約時に取り決めておく必要があります。
対策① 納期を明確にしておく
いつまでにどのフェーズまで完了して欲しいのか、開発段階を細分化して納期を明確にしておきましょう。そのためにも、仕様など細部をどのようにしたいのかが明確になっている必要があります。企画から開発企業に丸投げしたい、という場合は、こうした細部が明確になっていない場合がほとんどであるため、手戻りが発生しやすく一層納期が遅れる可能性が高くなります。
対策② 時間外の緊急対応は契約時に盛り込んでおく
リリース直後など、想定していなかったバグが見つかるものです。修正の緊急性が高く、すぐに対応して欲しい場合は、契約の時点で契約書に盛り込んでおく必要があります。
例えば、ベトナムでは、残業や祝日の賃金は通常勤務の2・3倍になるのが一般的。アプリをリリースした後にバグや修正箇所が見つかるのは珍しいことではないため、「すぐに修正対応してもらえる」と考えていると、非常に高くつく可能性があります。アプリのリリース後に、こうした対応を即座にして欲しいと考えているなら、契約する際に盛り込んでおくことが大切です。
対策③ 人の入れ替わりが少ない企業を選定する
担当していたエンジニアが退職してしまったりすると、引継ぎがきちんとされていないために納品が遅れたりすることがあります。最悪の場合には、エンジニアと連絡が取れなくなった、というケースも。規模の小さい企業や、フリーランスの個人で請け負っている場合などは、業務が属人的になりやすく、何かあった場合に開発がストップしてしまいます。そもそもエンジニアの人数が多い開発会社を選ぶのが無難でしょう。
想定している品質に達していない
オフショア開発=品質が悪い、という訳では決してありません。しかし「安いから」という理由だけで選ぶことには品質面でのリスクが伴います。また、開発企業と一口に言っても、得意・不得意な分野があるので、その点に留意する必要があります。
対策① 価格だけで委託先を選ばない
コストを抑えたいあまり、相見積もりを取った際に「安さ」を基準に選定してしまうと、品質を満たしていないものが納品される可能性があります。
また、委託先と突然音信不通になり、プロジェクトを打ち切りにせざるを得ない、といった例も。イチから開発を依頼し直すなど、結果的に高くつくことにもなるので、コミュニケーションを取った上で委託先を選定しましょう。
対策② 開発したいジャンルを得意としている企業を選ぶ
開発と一口にいっても、例えば、AIなど最先端技術を使った開発や、大規模な開発、UI/UXなど、企業によっては得意・不得意な分野があります。依頼したいジャンルを得意としている企業を選びましょう。見極めるためには、開発したいジャンルの実績を確認し、比較検討するといいでしょう。
オフショア開発のよくある失敗パターンと対策 まとめ
オフショア開発のよくある失敗パターンと、その対策のポイントを紹介しました。国内開発よりもコストメリットを出しやすいオフショア開発ですが、日本と勝手が違う以上、初めて利用する企業がつまづきやすいのも事実。コスト削減や、IT人材不足を補う目的での利用が多いですが、安さだけで飛びつくと、かえってコストがかかったりと、デメリットになりかねません。失敗パターンを把握した上でオフショア企業を選定し、オフショア開発を成功につなげましょう。
リスクを抑えたオフショア開発はコストと品質のバランスが取れた当社へ
デザインワン・ジャパンは、ベトナムのダナンに開発拠点を持つ日本の東証スタンダード上場企業です。御社とベトナム現地の開発チームとの間には日本人のブリッジSEをアサインするため、まるで日本のIT企業に発注しているかのようにコミュニケーションもスムーズ。コストと品質のバランスが取れた開発が特徴です。IT人材のリソース確保にお悩みの企業様や、国内企業に委託するよりも費用を抑えたい企業様におすすめです。
当社では、アプリ開発の実績が多数ございます。
▼ご依頼いただけるアプリ開発のサービス
・iOS
・アンドロイド
・マルチプラットフォーム
・Unity など
▼これまでに開発したアプリの種類
・動画・画像配信プラットフォームアプリ
・安否確認アプリ
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この他にも、システム開発やウェブサイト制作などの事例も多数ございます。詳しくはこちら。
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