交流を通じて得られた「品質」の変化 ベトナム出張レポートvol.2 ワークショップ編
目次
ワークショップ実施の背景
オフショア開発チームのブリッジSE(BrSE)、吉川和樹です。2020年からBrSEとしてNTAのメンバーとやりとりしてきましたが、今回の出張で初めて対面でのコミュニケーションを取る機会を得られました。
BrSEである私の出張の目的は、主に下記でした。
- NTA社員と親睦を深める
- NTAと弊社オフショア開発チームとの連携の強化
ワークショップは、これらの目的を果たすべく実施することにしました。「日本での知識をNTAのメンバーにも共有していこう」ということで、出張前に同僚と計画を練り、資料作成などの準備を行いました。
ワークショップのテーマは、メンバーが日常業務ですぐに実践できるものがいいと考え、「テスト/テストケース」「リーダブルコード」に関するものにしました。
ワークショップの実施にあたり、運営する際に心掛けたのは下記のことです。
- 情報を一方的に押し付けるのではなく、相互理解の場にすることで、我々も普段NTA社員が何を感じているか把握できるようにする。
- 積極的に質問していくことで、メンバーが主体的に参加できる場にする。
- ワークショップとして実際に手を動かす時間を用意し、理解を深められるようにする。
- 楽しく学びながら、話し合える場にする。
参加人数は、チームリーダーを中心に10人程度。初対面のメンバー達と初めての交流で、どのような雰囲気になるのかという気持ちと、私自身プレゼンはかなり久しぶりだったので、とても緊張しながら当日を迎えました。
互いの仕事を認め、称え合う関係
ワークショップ中、メンバー達は拙い私の説明をしっかりと聞いてくれて、いざワークショップが始まると主体的に取り組んでくれました。フィードバックの場では「私のテストケースはどう?」「このソースコードだとどう?」と積極的に意見を求められました。「この方がいいかも」「このケースは想定してなかった。すごい」と互いに意見を述べ、さらに議論が白熱する場面もありました。
また、現地メンバーの一人が過去の案件で書いた複雑なテストケースを見せ、「彼女はたくさんのテストケースを書いて、実際にテストを行ったよ」と伝えると、「すごいぞ!」「素晴らしい!」のように仲間を称賛し合うシーンがありました。(当の本人は「こんな案件やった?」と覚えてないようでしたが。)仲間同士を日常で称え合うシーンはとても印象的で、ベトナム人ならではの同僚との関わり方を感じた出来事でした。
帰国後も自主的にワークショップを実施
結果として、ワークショップは盛況のうちに終わりました。終了後に実施したアンケートでは、「有意義だった」「よくあるミスと対策が書かれていたから実践的だった」「また別のテーマでやってほしい」等、好意的な意見が多かったです。
私たちが帰国した後も、現地のリーダー達が話し合い、リーダーから各チームのメンバーに向けて同じワークショップを開いたとのことでした。有意義だと感じたからこそ、ワークショップで実施した内容の浸透に力を入れてくれたのかなと思うと、嬉しい気持ちになりました。
オフショア開発は低コストということで顧客に選んでいただける一方、品質の面で日本国内での開発に比べて劣るのでは、と敬遠されてしまうケースもあります。実際に、上がってきたものを我々BrSEサイドでチェックすると、バグが見つかることもあります。(もっとも、バグが全くないソフトウェア製品など存在しませんが)
今後弊社のビジネスを拡大していくためには品質改善が必須だと感じており、ワークショップではその重要性をNTAのメンバーにも理解してもらう機会になったのではないかと考えています。ワークショップを実施して以降、品質が上がったと実感しています。リモートでもこうした機会を継続していくことで、品質の維持向上につながる可能性を感じています。
最後に
ソフトウェアにおいて品質はとても重要な要素である一方、具体的に何をすればいいか、どこまでやるべきなのか、というのはなかなか見えづらいと感じています。私自身、今回資料を作成する過程での気付きや得られた知識も多々ありました。
品質の奥深さを今回のワークショップを通して、NTAの皆と一緒に体感することができました。今後も品質の重要性を意識し、NTAメンバー達と一緒により質の良いソフトウェアを作っていけるように尽力していきたいと思います。
デザインワン・ジャパンのオフショア開発にご興味がある方は、お問い合わせをお待ちしております。
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