観光旅行では知り得ないベトナムのリアル ベトナム出張レポートvol.3 カルチャー編
目次
ベトナム人のスマホの待ち受け画面は?
オフショア開発チームでブリッジSEをしている澤谷です。私は2019年10月から1年間、ベトナム・ダナンにある子会社で開発拠点のNitro Tech Asiaに出向していた経験があります。ベトナム語は最低限しかしゃべれず、Google翻訳という文明の利器を駆使して生活していました。しかし、ダナンに住み始めて半年後には新型コロナが流行してしまい、国外にいたために、全日本国民に提供された給付金の10万円も得られず…という不運もありました。
約2年ぶりの現地訪問となる今回の出張では、メンバー達との久々の再開と交流を非常に楽しみにしていました。
さて、出張期間中、現地メンバー達と食事をしました。ネットで検索しても、そして観光旅行をするだけでは出てこないようなベトナム人たちのリアルな日常について聞く機会がありました。
まず、スマートフォンの待受画面。皆さんはどのようなものに設定していますか?風景や家族、好きなキャラクターの写真やイラスト…日本人は人によって画像の内容はそれぞれなイメージがありますよね。
しかしベトナムでは、ある傾向があることを発見しました。まず女性の場合は、持ち主であるその人自身の「自分史上最高のキメ顔写真」に設定されています。実際に、現地で話をしたベトナム人女性5人全員がそうだったのです。なぜ自分の写真にしているのか尋ねると、「そういうものだから」とのこと。ただ、この問いかけに少し恥ずかしそうではありました…。
一方、男性はというと、初期設定のままだったり、真ん中に円形のアイコンがあるようなシンプルな待受にしている人が多かったです。自分のキメ顔に設定している人は見当たりませんでした。
今回は、あくまでも私が現地で交流した人に限った話ですが、もし皆さんがベトナムに行った際には現地の人たちの待ち受け画面をチラッと覗いてみてください(あからさまに覗き込むと怪しいのでオススメしませんが)。この話が他の人にも共通するのか、検証してみていただきたいです。
距離を縮めるならサッカーネタを抑えろ!
サッカーが盛んな国というと、ヨーロッパ諸国やブラジルなどのイメージが強いと思いますが、実はベトナムではサッカーが国技であり、アジア圏でもかなり盛んな国です。私自身は子供の頃からのサッカー経験があったため、ベトナム人とはサッカーに関する話題を通じてコミュニケーションのきっかけをつかめた場面も多々ありました。ワールドカップや好きなサッカー選手、ベトナム人それぞれが知っている日本人選手などで、大いに盛り上がりました。
日本人サッカー選手でよく名前が挙がったのは、南野拓実選手、香川真司選手です。二人ともサッカーの本場(発祥地)であるイングランドのリーグに所属していることもあり、ベトナムでも非常に知名度が高いことを実感しました。
一方、私が知っているベトナム人サッカー選手には、コンサドーレ札幌というチームに所属していたレ コン ビン選手(既に引退)がいます。ベトナム人たちからは、「よく知っているね!」と感心されました。
いろいろなサッカー選手について話している中で、ベトナムのどこの地域でも、名前が上がると大盛り上がりする有名な選手がいることに、ある時気が付きました。チャナティップというタイ代表の選手で、現在は川崎フロンターレ(私の推しクラブでもあります!)に在籍しています。彼の話を振ると皆熱く語り出し、相手との距離がグッと縮まるように感じるほどです。
では、なぜベトナムでもそれほど人気なのでしょうか。
東南アジアではワールドカップに匹敵するほどの熱狂を生む「AFFカップ」(東南アジアサッカー選手権)という大会があります。彼は2022年大会のMVPに選出された実力の持ち主。ベトナム人のサッカーファンには非常によく知られているのです。
ベトナムに赴く際は、AFFカップの情報をインプットしてから行くと、現地人たちと打ち解けられること請け合いです。
「年上妻を持つ男性はパイロット」ってどういうこと?
私の妻は年上なのですが、それをベトナムで話したところ彼らが口々に言っていたのが「パイロット」という言葉でした。
パイロットは飛行機の操縦士を意味するので、女性の稼ぎで自分が生活できるようにコントロールしている「ヒモ男」と揶揄されているのでは!?とドギマギしましたが(私は断じてヒモではありません!)、実はポジティブな意味合いで使われていることが分かりました。
ベトナムでパートナーの話題におけるパイロットとは、年上の(女性の)恋人や妻がいる男性のことを指しまう。年上女性を、ある意味で「操縦」して、互いにとって良い関係を築いている、という概念だそう(安心しました…)。特に近年ベトナムでは、女性が年上のカップルが増えているそうで、パイロットという言葉が流行っているとのことです。
ちなみに、男性側がパイロットなら、女性側は飛行機とでも呼ぶのかと思いましたが、特に何も名付けられてはいないそうです。
最後に
今回挙げた3つの話は、現地の人と飲み会などでフランクに話をする機会でもないと出てこないベトナムの「リアル」と言えるでしょう。そうした時間が持てたのは、今回の出張の収穫でした。改めて、ベトナム人はシャイで優しくて親しみやすく、そして礼儀正しいと感じる場面が多々あり、一緒に仕事ができることを嬉しく思いました。何より、そんな彼らとの心が通った交流は非常に楽しいものでした。またベトナムならではの文化を知り得たらシェアしたいです。
それでは! Hẹn gặp lại (ヘンガップライ)
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