システム開発が失敗するのはこんなとき!事例から原因や対策方法を解説

システム開発が失敗するのはこんなとき!事例から原因や対策方法を解説
近年はSaaSやPaaS、IaaSのようなクラウドサービスが企業運営の中心を担っており、その影響からシステム開発に取り組む企業が増えています。しかし、システム開発は工程が複雑で手法もさまざま。費用の高額化や納品後の不具合などの失敗が起こることも少なくありません。 この記事ではシステム開発のよくある失敗事例や原因、対策方法を詳しく解説。「どうすればシステム開発がうまくいくのか?」という疑問にお答えします。この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でシステム・アプリ開発に携わる泉川学が作成しました。

目次

システム開発でよくある失敗事例

システム開発で失敗するケースは、主にスケジュールやコスト、品質など一定のパターンが存在します。まずはシステム開発でよくある失敗事例を3つご紹介します。

事例1:工数が想定スケジュールよりも延びてしまう

1つめの事例は「工数が想定スケジュールよりも延びてしまう」ことです。主にシステムの不具合や作業の手戻り、その他要件定義になかった機能・仕様の追加などが原因で発生します。想定スケジュールが遅れる場合、開発コストが膨らむだけでなく、実際の業務や売上にも影響を及ぼす恐れがあります。

事例2:開発費用が予算よりも高額になる

「開発費用が予算よりも高額になる」ことも、システム開発ではよく見られる事例です。主な原因は、想定よりも修正回数が増え作業工数が増加するといった場合や、開発するシステムの難易度が高い場合や、新しい技術を導入した場合などにも起こりやすい失敗といえます。

事例3:想定より低い品質のシステムが納品される

「求めていた機能が使えない」「操作がしにくく現場で使えない」など、想定より低い品質のシステムが納品された場合もよくある事例の1つです。

その他、品質以外にも「既存システムとの連携ができない」「現行システムに組みこんだら動作しない」というような事例もあります。


システム開発が失敗する4つの原因

なぜ、このような「失敗」がシステム開発では起きてしまうのでしょうか。その理由の1つに開発前の要件定義が不十分ということもありますが、他にも原因はさまざま。ここからはシステム開発が失敗する原因を4つご紹介します。

原因1:余裕のないスケジュール設定

システム開発の最中は、開発途中の仕様変更や機能追加、不具合やバグなど当初想定していなかったトラブルが発生し、スケジュールの変更をする場合があります。その際、開発会社側が余裕のないスケジュール設定をしてしまうと、開発側の負担が増えて修正が多発し、工期が計画よりも延びる原因になります。

また、十分なバッファーを設けていない場合、短い工期で開発しなければならず、バグや不具合の頻発につながることも。基本的には開発企業側がスケジュールを設定するものの発注企業側も進捗を確認し、トラブルが起こる可能性を考慮してプロジェクトを進めるとよいでしょう。

原因2:見積書の確認不足

見積書の確認不足も原因の1つになり得ます。特に、総額のみを確認し工程別の金額の確認が漏れると、想定よりも開発工数が増えた場合に追加の費用負担が発生する場合があります。

見積書を確認する際には、総額だけでなく項目別の金額や追加で作業が生じる場合の費用についても確認しておきましょう。また、相場観がわからず確認が難しい方に向けて、以下の記事で項目別の見積もり金額を紹介しています。お互いに納得しながら開発するためにも、見積もり金額と相場を比較しておくことをおすすめします。

Webシステム開発の見積もりを解説 費用相場と費用を抑えるポイント

原因3:開発会社の選択ミス

また、開発会社ごとの強みや実績を確認しない状態で開発会社を選択する場合も失敗する原因になります。たとえば、開発会社が不得意な領域の開発を依頼してしまうと、想定より低い品質のシステムが納品されたり、スケジュールの大幅な遅延につながったりといったリスクが高まります。開発を成功させるためにも、実績や得意とする領域を調べた上で開発会社を選びましょう。

【対策】システム開発の失敗を防ぐには

ここまでご説明したように、システム開発の失敗にはある程度のパターンがあるため、それぞれ十分な対策をとることで失敗の可能性を防ぐことができます。ここからは、システム開発の失敗を防ぐために必要な対策を3つ紹介します。

方法1:要件定義の段階で開発会社側と積極的にコミュニケーションを行う

システム開発が失敗する原因で紹介したように、失敗の多くが事前のリサーチや要件定義の不徹底で生じています。そのため、発注会社側と開発会社側で認識を揃えることが重要です。

たとえば、開発会社側は要件定義の仕様に対し「ユーザーはどのタイミング・シチュエーションで機能を使用するのか?」といった疑問を投げかけたり、発注会社側も開発会社側へ「主要開発メンバー以外のサポート要員は何人いるのか?」のように、スケジュール遅延のリスク解消をしたり。

開発側に丸投げするのではなく、「疑問に感じたことは質問する」、「実装してほしい機能を漏れなく伝える」など、積極的なコミュニケーションが重要です。特に要件定義の段階では双方の認識を揃えることを強く意識しましょう。

方法2:事前にシステム開発に関するリサーチを入念に行う

方法1と関連して、開発着手前の事前リサーチで、開発手法や起こりうるトラブル、開発でのリスクを把握しておくことも重要です。

システム開発については専門的な内容が多いものの、システム開発に関する基本的な知識を修得することで機能について本質的な議論ができたり、機能の目的を開発会社側に伝えられたりするため、積極的にリサーチするとよいでしょう。

また、DX王ではシステム開発についてのコラム記事も掲載しています。以下の記事ではアジャイル開発とウォーターフォール開発について解説しているため、開発手法を理解したいご担当の方はぜひ、参考にしてみてください。

システム開発の工程を解説 ウォーターフォールとアジャイル2つのモデルを図解

方法3:補助金を活用する

「事例2:開発費用が予算よりも高額になる」という失敗を防ぐためには、補助金を活用することも方法の1つです。補助金の種類はDXへの投資を促進するための税制措置「DX投資促進税制」やITツールの導入で受け取れる「IT導入補助金」などさまざまです。

ただ、受給には条件があるため、認定要件を満たしているか、以下の記事で確認してみるとよいでしょう。

【担当者必見】DX投資促進税制とは?概要や認定要件、手続きの流れを解説

まとめ

システム開発の主な失敗事例は「納期の遅延」、「開発コストの高額化」、「開発したシステムの品質低下」という3つのケースです。これらはシステム開発に関する知識や、発注側と開発側の積極的なコミュニケーションがあれば防げるものです。そのため、開発の成功は開発開始前のリサーチや要件定義などといった事前準備の良しあしが左右するといえるでしょう。

デザインワン・ジャパンのDXソリューションは、14年を超える自社サービスの運用、受託開発の経験を生かし、新規事業のアイデア創出から保守運用まで包括的な支援が可能です。弊社のオフショア開発、アジャイル開発にご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。


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