【全解説】アプリ制作を外注するメリットや費用・具体的な2つの方法
目次
「アプリ制作は外注できるの?具体的な費用相場や方法が知りたい」
「アプリ制作を外注するメリットは?アプリ制作は外注したほうがいいのか迷っている」
アプリ制作を検討するときに、外注したほうがいいのか悩んでいる方が多いのではないでしょうか?アプリ制作を外注するべきか判断するための情報も少ないので、自社にとって外注することが最適なのか迷いますよね。
アプリ制作を外注するときの費用相場は、500万円程度です。主にアプリの企画やデザイン、プログラミングなど下記のような業務を外注できます。
アプリ制作の外注基本的には、アプリ制作ができる社内環境がない場合は活用したほうがいいです。中でも、下記のようなケースにはとくにおすすめです。
アプリ制作の外注が向いているケース |
・社内にアプリ制作ができる人材がいない場合 ・アプリ制作やアプリ運用に充てる時間や労力がない場合 ・大規模な制作や難易度の高いアプリ制作がしたい場合 |
アプリ制作は時間と費用がかかる取り組みなので、最良な判断するためにもアプリ制作を外注するときの基礎知識を理解しておきましょう。
そこでこの記事では、アプリ制作を外注するメリットやデメリット、外注する方法などを詳しく解説していきます。とくにアプリ制作を外注する基礎知識として費用や業務内容、手順などをまとめているので、外注するときのイメージを掴みやすくなります。
【この記事を読むと分かること】 ・アプリ制作を外注するときの基礎知識 ・アプリ制作を外注する3つのメリット ・アプリ制作を外注するデメリット ・アプリ制作の外注が向いているケース ・アプリ制作の外注先を探すときの4つのステップ ・自社に合うアプリ制作の外注先の選び方 |
この記事を最後まで読めばアプリ制作を外注するイメージを持てるようになり、アプリ制作を外注するべきか判断できます。自社に合う方法でアプリ制作を進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
この記事は、デザインワン・ジャパン DX事業本部でシステム・アプリ開発に携わる泉川学が作成しました。
1.アプリ制作を外注するときの基礎知識
アプリ制作を外注するときにはコストや外注方法、外注できる業務などが気になるところです。まずは、アプリ制作を外注する前に知っておきたい基礎知識をまとめてご紹介します。
アプリ制作を外注するかどうか決めるときの判断材料となるので、ぜひ参考にしてみてください。
アプリ制作を外注するときの基礎知識 |
1-1.アプリ制作を外注するときのコスト
アプリ制作の外注費用の相場は、シンプルな機能のもので500万円程度です。
アプリ開発は種類や機能、開発の規模などにより、コストが大きく変動します。一例として2023年に株式会社Pentagonが実施した「アプリ開発にかかる費用の実態調査」を見ると、全体の約45%がアプリ制作に500万円以上かかっています。
参考:株式会社Pentagon「アプリ開発にかかる費用の実態調査」
アプリ制作のコストを左右する要素としては、主に下記の7つがあります。人件費や開発期間、アプリの機能など様々な要素によってアプリ制作の外注費用が決まります。
費用項目 | 費用相場 |
人件費 | エンジニア1人:月額80~120万円(中級レベル) デザイナー1名:月額80~100万円(中級レベル) プログラマー1人:月額50~100万円(企業所属) |
開発期間 | 月額人件費×開発期間で算出 |
開発手法 | ノーコード開発:3~10万円 パッケージ開発:100万円~ フルスクラッチ開発:3,000万円~ |
OS | OS追加:100~200万円程度 |
追加機能 | 1機能追加:40~100万円~ |
デザイン | デザイン内容により1~10万円程度 |
諸費用 | 10~50万円~ |
一例として、下記のようなケースでは外注費用が高くなる傾向があります。
【アプリの外注費用が高くなる要素】 ・開発期間が長い ・デザイナーやプログラマーなどアプリ制作に携わる人材が多い ・アプリに付帯している機能が多い ・複数のOS(androidとios、Windowsなど)で使えるアプリにする |
例えば、開発期間が長くなるとその分人件費がかかるため、コストが増えていきます。また、難易度が高いアプリ制作の場合はスキルを持った人材が必要なので、1人当たりの人件費が高くなる傾向があります。
このように、アプリ制作の外注費を考える場合は、コストを左右する要素を念頭に置いて考えてみるといいでしょう。アプリ制作の費用については下記の記事でより詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
アプリ開発費用は500万円が目安!費用を左右する要素と抑える方法
1-2.アプリ制作で外注できる業務一覧
アプリ制作では、主に下記の業務を外注できます。一部の業務のみを外注することもできますし、全業務を外注することも可能です。
業務内容 | 概要 |
企画・要件定義 | アプリ制作の目的やターゲット選定、必要な機能などを決める |
設計 | 外部設計:アプリのデザインや画面のレイアウトなど人の目に見える部分の設計を行う 内部設計:アプリをプログラミングするための設計を行う |
デザイン | アプリの各ページのデザインやアイコンデザイン、キャラクターデザインなどを行う |
プログラミング | OSごとに決められた開発言語を使ってアプリに必要なプログラミングを行う |
テスト | アプリが正常に動作するかテストを行う ・単体テスト:各プログラムが問題なく動作するかテストする ・結合テスト:複数のプログラムが組み合わせたときに問題なく動作するかテストする ・総合テスト:すべてのプログラムが想定どおりに動作するかテストする |
ストア登録 | 広く普及するアプリを制作する場合は「App Store」や「Google Play」に登録をしてリリースの準備をする |
プロモーション | アプリを広く認知させたい場合は広告出稿やイベント参加などのプロケーションを行う |
保守・運用 | アプリリリース後の運用やトラブル時の対応、アップデートなどを行う |
例えば、ケース①のように設計やデザイン、プログラミングなど専門的な技術が必要な業務のみ外注を検討することが可能です。また、ケース②のように企画から運用までを一貫して外注して、プロモーションだけを自社で行う方法も検討できます。
業務内容 | ケース① | ケース② |
企画・要件定義 | 自社で行う | 外注 |
設計 | 外注 | 外注 |
デザイン | 外注 | 外注 |
プログラミング | 外注 | 外注 |
テスト | 外注 (最終的なテストのみ自社で行う) | 外注 |
ストア登録 | 自社で行う | 外注 |
プロモーション | 自社で行う | 自社で行う |
保守・運用 | 自社で行う | 外注 |
基本的には外注する範囲が多ければ多いほどコストがかかりますが、社内のリソース不足や手間を考慮すると外注したほうが効率よくアプリ制作ができる可能性があります(詳しくは「2.アプリ制作を外注するメリット・デメリットで触れています」)。費用と社内の負担感のバランスを見ながら、外注する業務を決めることが大切です。
1-3.外注した場合のアプリ制作の手順
アプリ制作を外注するときの手順は外注先や業務内容により異なりますが、基本的には下記の手順で進めます。
外注するときのアプリ制作の手順 | ||
STEP1 | 企画・要件定義 | アプリを制作する目的を決めて必要な機能やデザインなど細かい要件定義を行う |
STEP2 | 設計 | 外部設計と内部設計を行い、アプリを制作できる基盤を整える |
STEP3 | デザイン・プログラミング | デザイナー・プログラマーがアプリの制作を行う |
STEP4 | テスト | 制作したアプリのテストを行い問題なくリリースできそうか確認する |
STEP5 | ストア登録 | 広く普及するアプリを制作する場合は「App Store」や「Google Play」に登録をしてリリースの準備をする |
STEP6 | 納品 | アプリが納品される |
STEP7 | リリース | アプリのリリースを行い、場合によってはプロモーション活動をする |
STEP8 | 運用・保守管理 | アプリの運用・保守管理を継続する (セキュリティ対策・アップデート・バグや不具合の修正など) |
外注する業務により、どこから外注業者が関与してくるかが変わります。例えば、企画は自社で実施してSTEP2から外注に依頼することも検討できますし、デザイン・プログラミングや保守・運用など、1つの工程のみ外注することも検討できます。
ちなみにアプリ制作は、企画から取り掛かりオリジナルのアプリを作ろうとすると1年以上かけて進めることが多いです。長期的な取り組みとなるので、外注先とコミュニケーションを取りながら計画に進めることが大切でしょう。
1-4.アプリ制作を外注する2つの方法
アプリ制作を外注する場合は「アプリ制作会社に依頼する」「フリーランスに依頼する」の2つの方法が主流です。それぞれ特徴が異なるので、どちらが向いているのか確認してみましょう。
項目 | アプリ制作会社に依頼する | フリーランスに依頼する |
概要 | アプリ制作に関する業務を専門的に行っている会社に依頼する | 専門的な知識・技術力があるフリーランスに依頼する |
メリット | ・専門職のスタッフを多く抱えているので要望に応じた開発がしやすい ・企画から保守管理まで一貫して依頼できる会社がある | ・デザイナーやエンジニアなど専門的な知識のあるフリーランスに直接依頼できる ・費用や納期の交渉がしやすい |
デメリット | ・人件費が高くなる傾向がある ・自社に合うアプリ制作会社に依頼しないと思ったようなアプリに仕上がらない可能性がある | ・アプリ制作のスキルや実績に個人差がある ・業務完了後の修正やメンテナンスを依頼できない可能性がある |
向いているケース | ・アプリのクオリティやオリジナリティを重視したい場合 ・企画から運用まで一貫して任せたい場合 ・大規模な開発や複数な開発など難易度の高いアプリを制作したい場合 | ・アプリ制作の工程の一部分のみを外注したい場合 ・自社に合う技術や知識のある専門職のフリーランスに依頼したい場合 ・人件費を抑えたい場合 |
1-4-1.アプリ制作会社に依頼する
アプリ制作会社とは、アプリの企画や開発、保守管理などアプリ制作に関する業務を専門的に行っている会社のことです。EC系アプリやゲーム系アプリなど会社によって得意分野はあるものの、アプリ制作の実績があり安心して依頼できます。
メリット | ・専門職のスタッフを多く抱えているので要望に応じた開発がしやすい ・企画から保守管理まで一貫して依頼できる会社がある ・一定の品質を担保しているケースがある |
デメリット | ・人件費が高くなる傾向がある ・自社に合うアプリ制作会社に依頼しないと思ったようなアプリに仕上がらない可能性がある |
アプリ制作会社はデザイナーやプログラマーなど専門職のスタッフを多く抱えているので、大規模な開発や複雑な機能にも対応できるところがメリットです。独自性の高いアプリや付加価値のあるアプリを制作したい場合には、話し合いをしながら臨機応変に対応できるでしょう。
また、工程ごとに人員が確保されており、企画から保守管理まで一貫して依頼できる会社があるところも大きな魅力です。アプリ制作はしたいけれど自社では携わっている余裕がない場合でも、自社の負担を軽減しながらアプリ制作を進められます。
デメリットは複数の人材が関わりチームとして進めるケースが多いため、人件費が高くなる傾向があることです。例えば、エンジニアを2名、プログラマーを3名アサインすると、その分人件費がかかります。一定の質は担保できますが、フリーランスに依頼するよりもコストがかさみやすいです。
【アプリ制作会社の利用が向いているケース】
アプリ制作会社の利用は、主に下記の3つのケースが向いています。
・アプリのクオリティやオリジナリティを重視したい場合 ・企画から運用まで一貫して任せたい場合 ・大規模な開発や複数な開発など難易度の高いアプリを制作したい場合 |
アプリ制作会社はアプリ開発に関する実績や知識が豊富なので、クオリティやオリジナリティを重視してアプリ制作をしたい場合におすすめです。また、社内にノウハウがなく企画から運用まで一貫して任せたい場合にも検討できるでしょう。
1-4-2.フリーランス(個人)に依頼する
アプリ制作は、フリーランスに依頼することも可能です。
・アプリ制作に関するスキルを持った知人に直接依頼する
・自社のサイトや求人サイトなどで必要なスキルを持ったフリーランスを募集する
・クラウドソーシングサービスを利用する
などの方法でアプリ制作を外注できるフリーランスを探せます。主流となっているのは、クラウドソーシングサービスを利用する方法です。クラウドソーシングサービスとは、インターネットを介して企業や個人が仕事を受発注する仕組みのことです。下記のようなサービスからアプリ制作に強いフリーランスを探して、仕事を依頼できます。
例えば、アプリ制作実績のあるデザイナーやエンジニアなどに条件を絞り、費用や納期、条件を確認しながら業務を進められます。
メリット | ・デザイナーやエンジニアなど専門的な知識のあるフリーランスに直接依頼できる ・費用や納期の交渉がしやすい |
デメリット | ・アプリ制作のスキルや実績に個人差がある ・業務完了後の修正やメンテナンスを依頼できない可能性がある |
フリーランスに依頼するメリットは、デザイナーやエンジニアなど専門的な知識があるフリーランスに直接依頼できるところです。自社の要件に合う専門職の人材を探しやすく「デザインだけを依頼したい」「プログラミングとテストのみを依頼したい」など部分的な外注がしやすいです。
また、外注先の責任者である個人と直接コミュニケーションが取れるので、納期や費用の交渉がしやすい側面もあります。
一方で、フリーランスはアプリ制作の実績やスキルに個人差があります。もちろん非常に高いスキルを持ち活躍しているフリーランスも多いのですが、中には初心者や副業目的のフリーランスもいます。実績やスキルを見極めて依頼しないと、アプリ制作の失敗につながります。
【フリーランスの利用が向いているケース】
アプリ制作時にフリーランスへの外注が向いているケースは、次の3つです。
・アプリ制作の工程の一部分のみを外注したい場合 ・自社に合う技術や知識のある専門職のフリーランスに依頼したい場合 ・人件費を抑えたい場合 |
フリーランスはデザインやプログラミングのみ依頼したいなど、工程の一部分のみ外注したい場合に向いています。また、直接価格交渉ができるので、アプリ制作会社に依頼するよりもコストを抑えられる可能性があります。
2.アプリ制作を外注する3つのメリット
ここからは、アプリ制作を外注する3つのメリットをご紹介します。アプリ制作を外注すると社内での負担を軽減しながら、効率よくアプリ制作を進められます。具体的にはどのようなメリットがあるのか、ぜひ参考にしてみてください。
アプリ制作を外注する3つのメリット |
・社内での人材確保が不要になる ・企画から運用まで一貫して任せられる ・専門的な技術・知識を持つプロに依頼できる |
2-1.社内での人材確保が不要になる
1つ目は、社内での人材確保が不要になることです。社内でアプリ制作をしようとすると、プログラマーやデザイン、エンジニアなど専門的な知識と技術のある人材が必要です。
既に社内に本格的なアプリ制作ができる人材が揃っている場合はいいですが、そうでない場合は人材を確保するところから始めなければなりません。
「就職白書2020」によると新卒採用1人当たり93.6万円、中途採用1人当たり103.3万円程度のコストがかかります。
2019年度新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コスト | |
新卒採用 | 93.6万円 |
中途採用 | 103.3万円 |
今すぐアプリ制作に取り掛かりたい場合は一定の知識やスキルがある中途採用がメインになるかと思うので、3名採用するには約310万円のコストがかかります。それに加えて、採用活用をする労力や時間もかかるので、アプリ制作を始めるまでに時間とコストがかかります。
アプリ制作を外注すると人材確保・社内の環境整備が不要なので、余分なコストや労力をかけることなくアプリ制作を開始できます。アプリ制作に取り掛かるまでの負担を軽減できるところは、アプリ制作を外注する大きなメリットだと言えるでしょう。
【ノーコード開発なら人材確保をしなくてもアプリ制作ができる可能性がある】 アプリ制作は用途や難易度によって、必要な人材が大きく変わります。ノーコードで制作できるレベルのアプリ制作なら、現在在籍している社員でもアプリ制作ができる可能性があります。 ノーコード開発では専用のツールを使うことで、コード不要でアプリ制作ができます。専門的な知識が不要なのでツール導入時に研修やセミナーを行えば、社員でもアプリ制作ができる環境を整えられるかもしれません。 一方で、ノーコード開発では複雑なアプリやオリジナル性の高いアプリ制作が難しいため、制作できるアプリが限定されます。簡単な業務アプリなど作成する場合は、外注しなくてもアプリ制作ができる可能性があります。 |
2-2.企画から運用まで一貫して任せられる
2つ目は、アプリ制作の企画から運用までを一貫して任せられるところです。アプリ制作の外注先によっては、アプリの企画から運用、保守管理までを一貫して行える基盤が整っています。「1-3.外注した場合のアプリ制作の手順」でも触れたようにアプリ制作はいくつもの工程があり、自社で行うと意外と負担になります。
・業務が忙しい中でアプリ制作ばかりに時間を割けない
・企画の打ち合わせや仕様確認、テストなど想定以上にアプリ制作に時間がかかっている
などの課題を抱えてしまうこともあるでしょう。外注先に企画から運用まで一貫して任せることができれば、アプリ制作に時間を割くことなくコア業務に集中できます。アプリ制作は知識があるプロに任せて、自社の業務を進める体制を整えることが可能です。
2-3.専門的な技術・知識を持つプロに依頼できる
3つ目は、専門的な技術や知識を持つプロに依頼できるところです。アプリ制作を行うには、主に下記のような人材が必要です。
アプリの仕様決定や設計書の作成などは、アプリケーションエンジニアが担います。そして、コードを使ったプログラミングはアプリケーションプログラマーが、アプリのデザインはアプリケーションデザイナーが行います。
人材 | 役割 | 主な仕事内容 |
アプリケーションエンジニア | アプリ開発のプロジェクト全体の進行管理をする | アプリの仕様決定・設計書の作成・プログラミング・テスト・運用など |
アプリケーションプログラマー | アプリ開発をするためのプログラミングを行う | プログラミング・テスト・修正など |
アプリケーションデザイナー | アプリの操作性や見やすさを左右するデザインを行う | アプリのデザイン |
充分な知識や技術力がある人材がいない状態でアプリ制作を行うと、目的を達成できず思ったような成果を出せない可能性があります。
【技術や知識不足でアプリ制作をしたときの失敗例】 ・ユーザー視点が欠けてしまい使いにくいデザインとなり利用者が増えない ・誤作動やバグが多く業務効率化ツールとして社内に浸透しない ・必要な機能を搭載できず改善を重ねる必要がある |
例えば、アプリ制作をしたことがない社内デザイナーがデザインを担当すると、アプリを使用するユーザーの視点が欠けてしまい使いにくいアプリになってしまうリスクがあります。また、経験が少ないプログラマーやエンジニアがアプリ制作をするとバグや修正点が多く、余分な時間や労力がかかることも考えられます。
アプリ制作を外注すれば、工程ごとに豊富な知識のあるプロが業務を担当します。知識や実績を基に適切な判断ができるため、効率よくアプリ制作を進めることができるでしょう。また、自社の要望を汲み取り質の高い提案や設計ができるため、安心して任せられます。
3.アプリ制作を外注するデメリット
アプリ制作を外注するメリットが分かったところで、気になるのはデメリットです。アプリ制作を外注するデメリットとしては、次の2つが考えられます。事前にデメリットを把握しておくと留意しながら外注の活用を検討できるので、参考にしてみてください。
アプリ制作を外注するデメリット |
・コストがかかる傾向がある ・リリース後の変更・修正が臨機応変にできない場合がある |
3-1.コストがかかる傾向がある
アプリ制作を外注すると、コストがかさみやすいです。コストがかさむ大きな要因となるのが、人件費です。アプリ制作に必要な人材の月額費用は、下記が目安となっています。基本的には技術力が高ければ高いほど人材費が高騰します。
人材 | 初級 | 中級 | 管理職 |
アプリケーションエンジニア | 60~100万円 | 80~120万円 | 100~160万円 |
アプリケーションデザイナー | 60~80万円 | 80~100万円 | 100万円~ |
人材 | 個人 | 企業 |
アプリケーションプログラマー | 40~70万円 | 50~100万円 |
例えば、アプリケーションエンジニア初級の月額費用は60~100万円です。厚生労働省が公表しているシステムエンジニアの平均求人賃金は月給32.8万円なので、初級であっても社内人材の2倍近くのコストがかかります。
もちろん、社内で人材の採用活用や育成をしていると最終的に外注費以上のコストになるケースもありますが、1人当たり月額費用を比較するとどうしても高くなります。
また、アプリの運用や保守管理を外注する場合は、アプリを運用し続ける限りランニングコストがかかります。アプリの年間費運用・保守管理費はアプリ制作費用の約15%だと言われています。500万円のアプリを制作した場合は、年間で75万円のランニングコストがかかります。
アプリの制作の外注費用はアプリの機能や開発規模、外注する範囲により大きく変わるため一概には言えませんが
・1人当たりの人件費が高くなる
・運用や保守管理を任せる場合はアプリ運用を継続する限りコストがかかる
という面でコストがかかりやすいです。
3-2.リリース後の変更・修正が臨機応変にできない場合がある
アプリ制作を外注すると、リリース後の変更や修正が臨機応変にできない場合があります。
・契約に保守点検やリリース後の修正などの要件を含めている
・同じ外注先にリリース後の運用・保守管理も依頼している
・契約不適合責任(リリース後一定期間内に契約内容と不適合な不具合が見つかったときに、開発者の責任を追求できる)に該当する
などの場合はリリース後の変更や修正に対応してもらえますが、そうでない場合は業務が完了すれば基本的に対応できません。
例えば、フリーランスにアプリのデザインのみを依頼したとしましょう。デザインの納品完了後に「やっぱり一部分の色を変えたい」と思ったときに、この変更に対応してくれるとは限りません。別のデザイナーに変更依頼をする場合は、余分に費用がかかることも考えられます。
このように、外注先は社内とは異なり業務完了後のやりとりがしにくく常に変更や修正に対応してくれるわけではないので、注意しましょう。
4.アプリ制作の外注が向いているケース
ここまで述べてきたようにアプリ制作は基本的には専門的な知識や技術が必要なので、基本的に社内にアプリ制作ができる環境がない場合は外注したほうがいいです。中でも下記の3つのケースは、アプリ制作を外注したほうが効率よく進められます。ここでは、アプリ制作の外注が向いているケースを紹介するので、当てはまるケースがあるかチェックしてみてください。
アプリ制作の外注が向いているケース |
・社内にアプリ制作ができる人材がいない場合 ・アプリ制作やアプリ運用に充てる時間や労力がない場合 ・大規模な制作や難易度の高いアプリ制作がしたい場合 |
4-1.社内にアプリ制作ができる人材がいない場合
社内にアプリ制作ができる人材がいない場合は、アプリ制作の外注を検討しましょう。「2-1.社内での人材確保が不要になる」でも触れたように、アプリ制作ができる人材の確保から開始するとコストと時間がかかります。
中長期的な戦略としてアプリ制作ができる部署を作り人材育成をしていく場合を除き、目的となるアプリ制作のためだけに人材を確保して環境を整えるのは非効率です。また、社内にアプリ制作をした経験のある人材がいない場合は、外注先のノウハウや知識を活用したほうが制作したいアプリを具現化できます。
・社内にアプリ制作ができるデザイナーやエンジニアなどの専門職がいない
・社内でアプリ制作をしたことがなくアプリ制作に精通している人材がいない
・アプリ制作が初めての取り組みで何から始めればいいのか分からない
という場合には、外注をして専門的な知識のある人材と協力しながらアプリ制作を進めたほうがいいでしょう。
4-2.アプリ制作やアプリ運用に充てる時間や労力がない場合
社内業務が忙しくアプリ制作をする余力がない場合も、外注の活用が向いています。アプリ制作は企画や設計、プログラミング、テストなど様々な工程があります。標準的なアプリ制作で6ヶ月ほどの時間を費やすため、社内業務が多忙だと並行して行うことが難しいです。
とは言え「ECサイトの売上アップのためにアプリ制作がしたい」「社内の業務効率化のためにアプリを活用したい」など何らかの目的がある場合は、アプリ制作を後回しにしていると現状が変化しません。そこで、アプリ制作を外注すれば社員の負担を増やすことなく、アプリ制作を進められます。
また、アプリリリース後にはアプリを使用し続ける限り、運用・保守管理業務が発生します。この業務をするリソースがない場合にも、外注を活用すれば問題なく継続的な運用ができます。
・社内業務とアプリ制作・運用を切り離したい
・社内業務が多忙だけどアプリ制作を開始したい
・社員の負担を増やすことなくアプリ制作をしたい
という場合には、アプリ制作の外注を検討してみてください。
4-3.大規模な制作や難易度の高いアプリ制作がしたい場合
数十名の技術者がチームを組む大規模な制作や難易度がある独自性の高いアプリを制作したい場合は、社内での制作が非常に難しいです。
大規模な制作には数十名規模の人材と、高度なアプリ制作ができる環境が必要です。この環境を整えるだけでも膨大なコストがかかるので、外注をしたほうが効率よく制作できます。
また「独自の機能を開発したい」「複数のプログラミング言語が必要」など難易度の高い要素がある場合は、対応できる人材が必要です。社内では確保することが難しいため、多くの人材を抱えている外注先に依頼したほうが安心して任せられます。
・アプリ制作のプロジェクトチームを作り企画からこだわり進めたい
・ページ数が多い複雑なアプリ制作がしたい
・独自の機能を開発して付加価値を高めたい
など、通常のアプリ制作よりも規模や難易度が高くなる場合は、外注したほうが納得できるアプリが完成するでしょう。
5.アプリ制作の外注先を探すときの4つのステップ
アプリ制作の外注先を探すときの4つのステップ | ||
STEP1 | 自社の目的に合う外注先を探す | インターネット検索や知人からの紹介などを活用して自社の目的に合う外注先を探す |
STEP2 | 複数のアプリ制作会社・フリーランスに見積り依頼する | 自社の目的に合いそうな複数のアプリ制作会社・フリーランスに見積り依頼をする |
STEP3 | 外注先を絞り込み打ち合わせをする | 依頼したい外注先と打ち合わせをして細かい条件や不安点を確認する |
STEP4 | 外注先と契約をする | 外注先を絞り込み契約をする |
アプリ制作の外注先を探すときには、まずはインターネット検索や知人からの紹介を活用して自社に合う外注先を複数見つけます。例えば「ECアプリ 外注 おすすめ」「ゲームアプリ 実績 外注先」など自社の作りたいアプリの種類を指定して検索をすると、目的に合う外注先が見つけやすくなります。
気になる外注先を見つけたら、見積りを依頼します。このときに1社に絞り込まず複数のアプリ制作会社・フリーランスに見積り依頼をして比較検討することが大切です。アプリ制作会社によっては見積り依頼につなげるために、実際よりも低い価格をWebサイトに提示しているケースがあります。実際の費用を確認したうえで比較検討するためにも、複数の見積りを取っておきましょう。
依頼したい外注先が見つかったら、打ち合わせを行います。打ち合わせではスケジュール感や業務内容、今までの実績など安心して任せられそうか確認しましょう。打ち合わせ時には疑問点や不安な点も質問して、安心して外注できるか見極めてください。
ここまで実施して、アプリ制作を任せたいアプリ制作会社やフリーランスが見つかったら、契約に進みます。契約時には依頼できる業務範囲や修正対応、制作期間などを再度確認して、認識のずれがないようにしておくと安心です。
このように、アプリ制作の外注先は複数のアプリ制作会社やフリーランスと比較検討しながら、絞り込んでいくといいでしょう。
6.自社に合うアプリ制作の外注先の選び方
最後に、自社に合うアプリ制作の外注先の選び方をご紹介します。この4つのポイントを押さえると、自社に合う外注先が探しやすくなるので、参考にしてみてください。
自社に合うアプリ制作の外注先の選び方 |
・制作したいジャンルの実績がある ・依頼できる範囲を確認する ・幅広いサービスに対応している ・円滑なコミュニケーションが取れる |
6-1.制作したいジャンルの実績がある
自社に合うアプリ制作の外注先を見つけるときには、制作したいジャンルの実績があるか確認しましょう。一言でアプリ制作と言っても、ECアプリやゲームアプリ、金融アプリなど様々な種類があります。一例として、下記のようにECアプリと金融アプリ、SNSアプリでは求められる機能やデザインが異なります。
・ECアプリ:ショッピングカート機能や決済システムなどが必要・商品やサービスを購入したくなるようなデザインが求められる ・金融アプリ:口座との紐づけ機能やお知らせ機能などが必要・個人情報を扱うのでセキュリティ対策も求められる ・SNSアプリ:チャット機能や位置情報共有機能などが必要・使いやすいデザインが求められる |
ECアプリを制作したいときに金融アプリが得意な外注先に依頼しても必要な機能や求められるスキルが異なるため、思ったような機能やデザインに仕上らない可能性があります。
成果につながるアプリを制作するためにも、外注先のWebサイトから実績や事例を確認して制作したい種類の実績があるかチェックしましょう。実績の記載がない場合は、問い合わせをしてポートフォリオなどを見せてもらうことも一つの方法です。
6-2.依頼できる範囲を確認する
アプリ制作の外注先を探すときには、依頼できる範囲を確認することが大切です。アプリ制作の業務内容は、外注先によって大きく異なります。企画から運用、保守管理まで一貫して依頼できる場合もあれば、デザインやコーディングのみの場合もあります。
外注先に依頼したい業務内容に対応していないとアプリ制作を進めたときに再度外注先を探すことになるので、あらかじめ何を依頼できるのか確認しておきましょう。
確認方法は「1-3.外注した場合のアプリ制作の手順」を参考に、どの工程を依頼できるのか聞くと分かりやすいでしょう。企画から依頼できるのか、設計から依頼できるのかなどどこからどこまでの範囲を依頼できるのか聞いておくと安心です。
また、念のために契約後に追加業務を依頼できるのかどうかも確認しておくと、計画が変更したときにも柔軟な対応ができます。
6-3.幅広いサービスに対応している
自社の目的に合うアプリを制作するためにも、幅広いサービスに対応している外注先を選択することが大切です。確認しておきたい主なサービスは、下記のとおりです。
項目 | 概要 |
機能 | データ連携や決済システム、ショッピングカート機能、カメラ機能などアプリに搭載できる |
OS | Androidやios、Windowsなど幅広いOSに対応している |
デザイン | 各ページのデザインだけでなくロゴやキャラクターデザインにも対応している |
運用・保守管理 | セキュリティ対策やアプリの監視、OSアップデート時の修正対応などができる |
「6-1.制作したいジャンルの実績がある」でも触れたように、アプリの種類によって必要な機能が異なります。自社のアプリに必要な機能に対応しているか確認しておくといいでしょう。
どのようなOSに対応しているかもチェックしておきたいポイントです。例えば、Androidとiosでリリースしたいと考えていても、Androidのみにしか対応していなかったら計画通り進められません。
また、アプリの運用な保守管理も依頼したい場合は、セキュリティ対策やアプリの監視、アプリの修正対応など幅広い保守管理ができるのか確認しておくと安心です。
6-4.円滑なコミュニケーションが取れる
アプリ制作は中長期に渡ることが多いので、外注先と円滑なコミュニケーションが取れることが大切です。外注先との円滑なコミュニケーションをチェックするときのポイントは、下記のとおりです。
【外注先とのコミュニケーションをチェックするポイント】 ・質問をしたときの返答が早い ・電話やメール、チャットなど複数の連絡手段がある ・担当者が明確になっている ・ヒアリング内容に沿った提案ができる |
アプリ制作は連絡が滞ると進まなくなる可能性があるので、手軽に連絡が取れるか確認しておきましょう。チームを組んで進める場合は連絡を取る担当者が明確で、返答が早いと進めやすいです。
また、外注先の都合で進めるのではなくしっかりと意見が聞いてもらえるかどうかも重要なポイントです。ヒアリング内容をアプリの企画や設計に反映してくれそうかどうかもチェックしておくといいでしょう。
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7.まとめ
いかがでしたか?アプリ制作を外注するメリットやデメリット、具体的な方法が理解でき、外注を検討できるようになったかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇アプリ制作を外注するときの基礎知識は次のとおり
・アプリ制作を外注するときの費用は機能や規模などにより大きく異なるが、シンプルな機能で500万円程度が相場
・アプリ制作を外注するときには下記の業務の一部もしくは全部を依頼できる
業務内容 | 概要 |
企画・案件定義 | アプリ制作の目的やターゲット選定、必要な機能などを決める |
設計 | 外部設計と内部設計を行う |
デザイン | アプリの各ページのデザインやアイコンデザインなどを行う |
プログラミング | アプリに必要なプログラミングを行う |
テスト | アプリが正常に動作するか単体テスト・総合テストなどを行う |
ストア登録 | 広く普及するアプリを制作する場合はストア登録をしてリリースの準備をする |
プロモーション | アプリを広く認知させたい場合は広告出稿やイベント参加などのプロケーションを行う |
保守・運用 | アプリリリース後の運用やトラブル時の対応、アップデートなどを行う |
・アプリ制作を外注するときの手順は下記のとおり
外注するときのアプリ制作の手順 | |
STEP1 | 企画・要件定義 |
STEP2 | 設計 |
STEP3 | デザイン・プログラミング |
STEP4 | テスト |
STEP5 | ストア登録・リリース申請 |
STEP6 | 納品 |
STEP7 | リリース |
STEP8 | 保守・運用 |
・アプリ制作を外注する主な方法は次の2つ
①アプリ制作会社に依頼する:アプリ制作に関する業務を専門的に行っている会社に依頼する
②フリーランスに依頼する:専門的な知識・技術力があるフリーランスに依頼する
〇アプリ制作を外注するメリットは次の3つ
・社内での人材確保が不要になる
・企画から運用まで一貫して任せられる
・専門的な技術・知識を持つプロに依頼できる
〇アプリ制作を外注するデメリットは次の2つ
・人件費などのコストがかかる傾向がある
・リリース後の変更・修正が臨機応変にできない場合がある
〇アプリ制作の外注が向いているケースは次の3つ
・社内にアプリ制作ができる人材がいない場合
・アプリ制作やアプリ運用に充てる時間や労力がない場合
・大規模な制作や難易度の高いアプリ制作がしたい場合
〇自社に合うアプリ制作の外注先を選ぶときのポイントは次の4つ
・制作したいジャンルの実績がある
・依頼できる範囲を確認する
・幅広いサービスに対応している
・円滑なコミュニケーションが取れる
アプリ制作ができる環境が社内にない場合は、基本的には外注したほうが効率よくアプリ制作を進められます。デザインワン・ジャパンは、アプリの企画から運用までを一貫してお任せいただける環境が整っています。お見積りやご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。